iiyama ProLite XB2780HSU(XB2780HSU-B1)の実機レビュー
高さ調節も可能な27型VAパネル液晶
iiyama ProLite XB2780HSUは27型VAパネルを採用している点が特徴の液晶ディスプレイです。
VAパネルによる引き締まった黒と、最大5,000,000:1にまでコントラスト比を向上させるACR機能により、他のパネルにはない、メリハリのある非常に綺麗な映像を表現してくれます。動画鑑賞に最適な製品です。
チルト機能、スィーベル機能、高さ調節機能、ピボット機能を搭載し、画面の位置調整が自在です。デスクワーク用にも適しています。
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※レビュー機はメーカーからの貸出機です
基本スペックのチェック
基本スペックのチェックです。本機は非光沢のVAパネルを採用しており、コントラスト比が標準でも5,000:1と高く、ACR機能時だと最大5,000,000:1まで上げることができます。またチルト機能、スィーベル機能、高さ調節機能、ピボット機能が搭載されており、自由な角度調整が可能となってます。多機能スタンドであるため重量は7.6kgと重めです。応答速度はVAパネルであるため標準で12msと遅いですが、5段階のオーバードライブ機能が搭載されており、最大5msまで改善することができます。
製品名 | iiyama ProLite XB2780HSU |
---|---|
サイズ | 27型ワイド |
解像度 | 1920x1080 |
表面処理 | 非光沢 |
パネル方式 | VA |
バックライト | LED |
応答速度 | 標準 12ms OD時 5ms |
コントラスト比 | 5,000:1 (標準) 5,000,000:1(ACR機能時) |
入力端子 | DVI-D×1 D-sub×1 HDMI×1 |
スピーカー | 2W×2 |
位置調節 | チルト機能 スィーベル機能 高さ調節 ピボット機能 |
消費電力 | 標準 41W(最大 69W) パワーマネジメント時 1W |
輝度 | 300cd/m2 |
重量 | 7.6kg(スピーカー、スタンド含む) |
付属ケーブル | D-SUBミニ15ピンケーブル(1.8m) DVI-Dケーブル(1.8m) HDMIケーブル(1.8m) USBケーブル(1.8m) オーディオケーブル(1.8m) 電源コード(1.8m) |
ProLite XB2780HSUの主な特徴
黒の締りが良い27型VAパネルを採用
VAパネルは黒が引き締まる
本機の大きな特徴はVAパネルを採用している点です。しかも画面サイズが27型と大きいです。
VAパネルはTNパネルやIPSパネルと比べて、バックライトの光をしっかりと遮断できるため、黒の締りが良く、しっかりとした純粋な黒色を表現してくれます。
そのため色の再現性が高く、またコントラスト比も高いので、動画や写真の閲覧に向いているのが特徴です。
下の2枚の写真は、黒を中心とした写真を表示し、それをカメラで撮影したものです。普段意外と気にならない黒色部分ですが、部屋を真っ暗にしてTNパネルやIPSパネルと見比べると、明暗の差は一目瞭然です。
TNパネルやIPSパネルだとうっすらグレーがかることもありますが、VAパネルの本機だと、引き締まった黒色を表現してくれ、色ムラもありません。
iiyama ProLite XB2780HSUで黒を中心とした写真を表示
角度調整が自由なパーフェクトスタンド
チルト、スィーベル、ピボット、高さ調節機能を搭載
ProLite XB2780HSUは、最大26度のチルト調節、画面の向きを340度回すことのできるスィーベル機能、最大110mmの高さ調節機能、さらには画面を90度回転させることのできるピボット機能を搭載しています。
これにより、様々なシーンに合わせて、自由な角度調整が可能です。また自分に合った角度に調整することができるので、疲労を軽減し、普段の作業もはかどります。
4ポートのUSBハブを搭載
USBポートは側面に2つ、背面に2つ搭載
ProLite XB2780HSUには、液晶側面に2ポート、液晶背面に2ポート、合計4ポートのUSBハブが搭載されています。そのため、マウスやキーボード、USBメモリを接続することができますし、またスマートフォンやタブレットの充電にも便利です。また余計なUSBハブや延長コードも必要ないので、デスク周りのケーブルがすっきりします。
画質のチェック
ProLite XB2780HSUの画質をチェックします。
黒が引き締まって見える点は、先ほど記載しましたが、それ以外については標準的な画質だと思います。
以下、詳細を確認していきます。
ガンマ補正曲線のチェック
ガンマ補正曲線を確認すると、わずかに青が下げ気味で、赤が上げ気味に補正されています。そのため、工場出荷時の画面はやや寒色系ですが、一般の方にはこの位の調整のほうが好まれると思います。
ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
色域のチェック
色域の広さは標準的です。
ガモット図(a*b*平面)
左図はsRGBとの比較で、右図はadobe RGBとの比較
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、ICCViewでグラフを作成
画素のチェック
画面をマイクロスコープで拡大した図です。
画素は4分割したような形状です。ノングレア処理の凹凸具合は普通でしょう。ギラつきの程度も普通です。
画素の拡大図 ※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影
視野角のチェック
視野角は、TNパネルよりは広いですが、IPSパネルよりは狭いです。
正面から見た場合
横から見た場合
下から見た場合
残像感と動画のチェック
残像感のチェック
応答速度は実測で6ms
残像感のチェックです。
「液晶応答速度&低解像度チェック」というソフトを使って応答速度を計測しました。本機には5段階のオーバードライブ機能を搭載しているため、このときの応答速度も計測します。
メーカー発表値では、標準で12ms、オーバードライブ時で5msとなっています。実際に私が計測した応答速度は、オーバードライブ機能オフで約10ms、オーバードライブ機能最大時で約6msとなりました。
メーカー発表値とは少し差が出ましたが、VAパネルにしては速い方です。ただし、あくまで目視で計測するソフトであるため個人差は出ます。
最大500万:1のハイコントラストを実現するACR機能
「劇場版 マクロスF」 を視聴
本機にはゲームや動画の再生時に「明るい場面」と「暗い場面」に応じて輝度を変え、通常5,000:1のコントラスト比を最大500万:1まで向上させるACR機能が搭載されています。
実際にこの機能で動画を視聴してみたところ、暗いシーン、明るいシーン共に色にメリハリがあって、とても綺麗に表示されていました。特に本機はVAパネルなので、暗いシーンでも明暗の差がはっきりしており、ACR機能の効果も相まって、素晴らしく綺麗です。
またオーバードライブ機能と併用することができるので、残像が気にならず、シーンごとの輝度の切り替わりも全く違和感はありません。
ゲームの快適度をチェック
FPSをプレイ
PC版「バトルフィールド3」をプレイ
FPSではPC版の「バトルフィールド3」をプレイしました。本機にはオーバードライブ機能が搭載されているので、残像はそれほど気になりませんでした。
またVAパネルとACR機能の効果により、暗いシーンや森林などの細かな影が入り組んだ場所でも、敵の場所が分かりやすく、視認性が高いです。
格闘ゲームをプレイ
PC版「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイ
格闘ゲームでは普段やり慣れている「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイし、主に入力遅延を見ていきます。
プレイしてみた感想としては、入力遅延は少しあります。慣れれば問題ない程度の遅延ではありますが、格闘ゲームにはあまり向かないというのが本音です。またACR機能やi-Style Colorのゲームモードは逆に見づらくなるので、標準が一番見やすいと個人的には思います。
OSDメニュー及び操作性のチェック
メニューボタンはタッチセンサー
本機のメニューボタンは液晶下の中央に配置されています。右の写真の通り、黒字に黒表記のボタンなので、どれがどのボタンなのか分かりにくいというのが感想です。
OSDメニューは下記の写真の通り、フォントが大きく、色使いも良くてとても見やすくなってます。このOSDメニューからは、コントラスト、輝度、色温度やRGBなどの細かな調整が可能です。
i-Style Color(プリセットモード)も用意されており、標準、ゲーム、映画、風景、テキストと5種類から、表示する映像に応じて、最適なモードを選択することができます。
OSDメニューは大きくてとても見やすい。
消費電力のチェック
消費電力は普通
輝度最小時 輝度最大時
輝度中間時
実際にワットチェッカーで消費電力を計測してみました。計測時はスピーカー未使用、オーバードライブはオフにしてあります。
輝度最小時で約13.7W、輝度中間時では約26.4W、輝度最大時で約39.4Wとなりました。
また、輝度を約120cd/m2に調整したとき(輝度17のとき)の消費電力は、約18Wでした。
ECOモードはワンボタンで切り替え
ECOモードは3種類
ECOモードも搭載されています。このECOモードはOSDメニューを開くことなく、ワンボタンで切り替えが可能です。
ECOモードはこれまでと同様3パターンあり、下記の表のようにECOモード1、ECOモード2、ECOモード3とそれぞれに応じて輝度を落とし、通常よりも消費電力を削減してくれます。
ProLite XB2780HSU | 消費電力 |
---|---|
通常モード | 41W |
エコモード1 | 通常より 約16%削減 |
エコモード2 | 通常より 約30%削減 |
エコモード3 | 通常より 約60%削減 |
スピーカーのチェック
本機のスピーカー部分
本機には2W×2のステレオスピーカーが搭載されています。スピーカーの位置は背面に内蔵されており、音は後ろの方から聞こえてきます。
正直音質はそれほど良くありません。動画やゲームする際は別売りのスピーカーをオススメします。ただし、普段の作業では、デスク上のスペースも考慮して、これで十分だとは思います。
外観のチェック
スタンドはしっかりしています。スタンドと台座はネジ2つを使って固定するので、キーボードを叩いた時の揺れや、机のちょっとした揺れではなかなか動じず、ガタガタ揺れたりしません。不満点はOSDの操作ボタンがわかりにくいというのと、スィーベルがなかなか回りにくいという点です。
全体の写真です。
正面の写真です。
背面の写真です。
横からの写真です。
ピボット時の写真です。
チルト機能。調節幅は26度。
高さ調整機能。幅は110mm。
台座部分の写真です。
背面にはコードをまとめることのできるフックがあります。
液晶側面には2ポートのUSB端子。
入力部分の写真です。
電源部分の写真です。
台座の裏側です。スィーベル機能はこの台座の裏側が回る仕組みになってます。
まとめ
iiyama ProLite XB2780HSUは27型の大画面に、VAパネルを採用している点が特徴です。VAパネルだけありコントラスト比が通常でも5,000:1と高く、さらにACR機能時だと最大5,000,000:1の動的コントラスト比となります。より引き締まった黒を表示することができ、特に動画や写真などでは明暗にメリハリのある非常に綺麗な映像を楽しむことができます。残像もオーバードライブ機能により、大幅に軽減されています。またチルト調節、スィーベル、高さ調節機能、ピボット機能を搭載したパーフェクトスタンドにより自由な角度調整が可能です。
PC作業用や動画観賞用として適した液晶ディスプレイだと思います。ただし、入力遅延からして、あまり格闘ゲームには向いていません。また、27型と大画面であるため、ドットピッチが広く、ややザラつきを感じます。もう少し高い解像度でも良かったと思います。
下記にiiyama ProLite XB2780HSUの特徴をまとめましたので、購入する際の参考にして頂ければと思います。
【iiyama ProLite XB2780HSUの主な特徴】
・27型の大画面
・VAパネル採用により、引き締まった黒を表示
・コントラスト比が標準で5,000:1と高く、ACR機能時だと最大5,000,000:1まで向上
・パーフェクトスタンドにより、シーンに合わせた自由な角度調整が可能
・オーバードライブ機能により、最大5msまで残像を低減
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