iiyama ProLite XB2776QS(XB2776QS-B1)の実機レビュー
低価格、低消費電力のWQHD液晶ディスプレイ
iiyama ProLite XB2776QSはノングレアAH-IPSパネルを採用した27型ワイドのWQHD(2560 x 1440ドット)の液晶ディスプレイです。
ステレオスピーカーを内蔵し、オーバードライブ機能やACR機能を搭載。またチルト、スィーベル、昇降機能、ピボットに対応したパーフェクトスタンドにより、自由な角度調整が可能です。
他の2560 x 1440ドットに対応した液晶と比べると、消費電力が低く、価格も安いので、WQHD対応パネルのエントリー機としてオススメの製品です。
購入はこちら:Amazon
※レビュー機はメーカーからの貸出機です
基本スペックのチェック
基本スペックのチェックです。本機は解像度2560×1440(WQHD)に対応した27型の液晶ディスプレイです。パネルタイプには透過率の高いノングレアAH-IPSを採用。残像を抑えるオーバードライブ機能や、コントラスト比を向上させるACR機能を搭載しています。スタンドはチルト、スィーベル、昇降、ピボット機能すべてを備えたパーフェクトスタンド。1.5Wのステレオスピーカーも搭載しており、27型という大きさの割には消費電力はかなり低いです。
製品名 | iiyama ProLite XB2776QS |
---|---|
サイズ | 27型ワイド |
解像度 | 2560×1440 |
表面処理 | 非光沢 |
パネル方式 | AH-IPS |
バックライト | ホワイトLED |
応答速度 | OD最大時 5ms |
コントラスト比 | 1,000:1(標準) 5,000,000:1(ACR機能時) |
入力端子 | DVI-D×1 D-sub×1 HDMI×1 DisplayPort×1 |
スピーカー | 1.5W×2 |
位置調節 | チルト機能 スィーベル機能 高さ調節 ピボット機能 |
消費電力 | 標準 43W(最大 60W) パワーマネジメントモード時 最大0.5W |
輝度 | 350cd/m2 |
重量 | 8.8kg(スピーカー、スタンド含む) |
付属ケーブル | DisplayPortケーブル(1.8m) DVIケーブル(デュアルリンク)(1.8m) オーディオケーブル(1.8m) 電源コード(1.8m) |
iiyama ProLite XB2776QSの主な特徴
圧倒的な作業領域 WQHD(2560 x 1440)に対応した解像度
透過率の高いAH-IPSパネルを採用
iiyama ProLite XB2776QSは27型という大型パネルにWQHD画質、解像度2560 x 1440ドットに対応しており、現在最も主流であるフルHDの解像度1920×1080ドットと比べると、作業領域はとても広いです。
特に複数のウィンドウを使っての作業では、効率の高さは段違いです。現在は本機のようなWQHDの解像度に注目が集まっており、今後もこのタイプの解像度が主流になってくることと思います。
また本機は透過率の高いAH-IPSパネルを採用しているので、色の再現性が高く、消費電力も低いです。
2560 x 1440ドットの画面領域
緑枠は1920×1080ドット
2つのブラウザを並べて表示しやすく、作業がとても快適
画質のチェック
ガンマ補正曲線のチェック
ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ直線的です。
ガンマ補正曲線
※ i1 Display PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
色域のチェック
色域はやや広めです。
ガモット図(a*b*平面)
左図はsRGBとの比較で、右図はadobe RGBとの比較
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、ICCViewでグラフを作成
※MacのColorSyncユーティリティで表示した色域と比べると、ICCViewで表示した色域は若干右にずれる傾向があります
画素のチェック
画面をマイクロスコープで拡大した図です。比較的ギラつきの少ない液晶です。
画素の拡大図 ※マイクロスコープ(FS-SST240)で撮影
視野角のチェック
本機はIPSパネルを採用しているので、視野角は広いです。
正面から見た場合
下から見た場合
横から見た場合
残像感と動画のチェック
残像感のチェック
応答速度は実測で5ms
残像感のチェックでは「液晶応答速度&低解像度チェック」というソフトを使って計測しました。本機には応答速度を改善する5段階のオーバードライブ機能を搭載しており、メーカー発表値で最大5msまで改善させることができます。
実際に私が計測した結果では、オーバードライブ機能オフで応答速度約6ms。オーバードライブ機能最大時ではメーカー発表値と同じ5msとなりました。IPSパネルで応答速度5msは速い方です。
ただし、あくまで目視での計測であるため、結果に個人差が出る点はご了承ください。
最大500万:1のハイコントラストを実現するACR機能
ブルーレイディスクを再生
本機にはゲームや動画の再生時に「明るい場面」と「暗い場面」に応じて輝度を変え、通常1,000:1のコントラスト比を最大500万:1まで向上させるACR機能が搭載されています。
実際にブルーレイディスクを再生して、本機で視聴してみました。ACR機能は、シーンによって輝度がふわっと切り替わるので、違和感はほとんどなく、暗いシーンでも鮮明でメリハリのある映像を楽しむことができます。
またオーバードライブ機能との併用でも、映像の乱れはなく、残像はほとんど気になりません。
ゲームの快適度をチェック
FPSをプレイ
PC版「FAR CRY3」をプレイ
ゲームの快適度をチェックすべく、実際に解像度2560×1440の設定でPC版の「FAR CRY3」をプレイ。本機には下記の写真の様に、オーバードライブ機能が搭載されており、-2から+2で調整ができます。
オーバードライブオフの時と、最大の+2で比較しながらプレイしてみたところ、肉眼ではさほど差は感じられませんでしたが、最大設定でも映像に乱れは生じません。残像の方もFPSをプレイする分には気になりません。
ただ入力遅延が少し気になったので、弾幕シューティングや格闘ゲーム等は難しいかも知れません。
OSDメニュー及び操作性のチェック
本機のOSD操作
本機のOSDボタンは液晶右下部に配置されています。操作はしやすく、液晶の揺れも気にならない程度です。
OSDメニューは下記の写真の様に、とても見やすくなっており、このOSDメニューからは輝度からコントラスト、画面サイズ、ガンマ値、オーバードライブの調整ができます。
色温度では、6500K、7500K、9300K、sRGBに加え、RGBを個別に調整できるユーザー設定、RGBCMYを個別に調整できるマトリックスと、用途に応じた調整が可能となってます。
iiyama製品従来のi-Style Color(プリセットモード)も用意されており、標準、ゲーム、映画、風景、テキストと5種類から、表示する映像に応じて、最適なモードを選択することができます。
OSDメニューはとても見やすい。
消費電力のチェック
消費電力はかなり低い
輝度最小時 輝度最大時
輝度中間時 輝度約120cd/m2時
実際にワットチェッカーで輝度ごとに消費電力を計測してみました。本機の輝度は0~100まで一段階ずつ細かな調整が可能です。
測定結果は右の写真の通り、輝度最小時では約22.3W、輝度中間時では約33.6W、輝度最大時で約44.8Wと、WQHDに対応した液晶ディスプレイの中では、かなり消費電力は低い方です。少なくとも、私の知っている中では一番低いです。
また、本機は標準で輝度がかなり明るめなので、普段使用する際の輝度設定は0~5辺りが一番見やすいです。輝度3くらいで約120cd/m2でした。
逆に、輝度を80cd/m2など下げたい人には不向きの液晶です。
ワンボタンでECOモードの切り替えが可能
ECOモードも搭載
iiyamaの製品にはワンボタンで切り替えができるECOモードが搭載されています。本機のECOモードは3段階用意されており、それぞれ下記の表のように、通常(おそらく輝度最大時)の消費電力よりも輝度を下げ、最大で約47.2%も削減してくれます。
消費電力削減率 | 年間消費電力量 | 削減率 | |
---|---|---|---|
通常モード | 43W | 73.4 kWh | - |
Ecoモード 1 | 通常より約 13.1%削減 | 71.0kWh | 3.3% |
Ecoモード 2 | 通常より約 26.3%削減 | 68.7kWh | 6.4% |
Ecoモード 3 | 通常より約 47.2%削減 | 64.9kWh | 11.6% |
外観のチェック
外観のチェックです。
デザインは全体的にマットなブラックでとてもシンプル。本体素材はすべて非光沢なので、指紋の汚れは一切気になりません。スタンド機構はとてもしっかりしており、普段使用している分にはガタついたり、液晶がフラついたりといったことはありません。
全体の写真
正面の写真
ピボット時の写真
背面の写真
高さ調整は最大110mm、チルトは上24度/下4度
スタンド部分の写真
台座の写真
スィーベル機能は台座裏の皿が回る仕組みになっており、左右340度までスムーズに回転します。
入力部分の写真です。
まとめ
以上がiiyama ProLite XB2776QSのレビューです。
27型の解像度2560×1440(WQHD)に対応し、透過率の高いAH-IPSを採用。残像を抑えるオーバードライブ機能やコントラスト比を向上させるACR機能に加え、自由な角度調整を可能にするパーフェクトスタンドを搭載。さらには低消費電力という、大型パネルの欠点を拭い、価格は実売価格で約6万円と、WQHDに対応した液晶ディスプレイではかなりの安さです。
安価で2560×1440の解像度に対応した、IPSパネルの液晶ディスプレイが欲しいという方には非常にオススメできる製品です。今後本製品を筆頭に、WQHD対応パネルが主流になっていきそうですね。Amazon |