iiyama ProLite XB2380HS(XB2380HS-B1)の実機レビュー
エコになった多機能液晶
iiyama ProLite XB2380HSは、視野角の広いIPSパネルを採用し、さらにスィーベル、昇降、ピボットに対応したスタンドを搭載していながら、価格が約2万円という非常にコストパフォーマンスに優れた製品です。
応答速度を最大5msまで改善するオーバードライブ機能や、コントラスト比を最大5,000,000:1まで向上させるACR機能も搭載し、機能面も十分です。動画鑑賞やゲーム用途にも問題なく使うことができます。
また、従来IPSパネルよりも消費電力が約25.7%下がっています。
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※レビュー機はメーカーからの貸出機です
基本スペックのチェック
基本スペックのチェックです。
本機は非光沢のIPSを採用し、チルト、スィーベル、昇降、ピボット機能と、自由な位置調節が可能なパーフェクトスタンドを搭載。また応答速度を最大5msまで改善するオーバードライブ機能や、コントラスト比を向上させるACR機能も装備しています。消費電力も、従来製品は35Wであったのに対し、本機は26Wと低いです。
製品名 | iiyama ProLite XB2380HS |
---|---|
サイズ | 23型ワイド |
解像度 | 1920x1080 |
表面処理 | 非光沢 |
パネル方式 | IPS |
バックライト | LED |
応答速度 | 5ms(OD設定+2) |
コントラスト比 | 1,000:1(標準) 5,000,000:1(ACR機能時) |
入力端子 | DVI-D×1 D-sub×1 HDMI×1 |
スピーカー | 2W×2 |
位置調節 | チルト機能 スィーベル機能 高さ調節 ピボット機能 |
消費電力 | 標準 26W(最大 45W) パワーマネジメント時 1W |
輝度 | 250cd/m2 |
重量 | 5.8kg(スピーカー、スタンド含む) |
付属ケーブル | D-SUBミニ15ピンケーブル(1.8m) DVI-Dケーブル(1.8m) HDMIケーブル(1.8m) オーディオケーブル(1.8m) 電源コード(1.8m) |
画質のチェック
ガンマ補正曲線のチェック
ガンマ補正曲線を確認すると、明部になるに従い各色にややばらつきはありますが、どの色もほぼ直線的です。
ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
色域のチェック
色域の広さは標準的です。
ガモット図(a*b*平面)
左図はsRGBとの比較で、右図はadobe RGBとの比較
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、ICCViewでグラフを作成
画素のチェック
画面をマイクロスコープで拡大した図です。ノングレア処理の凹凸具合は普通でしょう。ギラつきの程度も普通です。
画素の拡大図 ※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影
視野角のチェック
視野角のチェックです。本機はIPSパネルなので、下記の写真の通り、どの角度から見ても色合いに変化はなく、とても鮮明に表示されています。
正面から見た場合
横から見た場合
下から見た場合
残像感と動画のチェック
応答速度は速い
応答速度は実測で最大4ms
「液晶応答速度&低解像度チェック」というソフトを使い残像感をチェックしました。本機は-2~+2まで5段階のオーバードライブ機能を搭載しており、応答速度を改善しています。
メーカー発表値ではオーバードライブ+2で5msです。オフの時は記載されていません。
実際に私が計測した結果ではオーバードライブ機能オフではだいたい応答速度8msでした。オーバードライブ機能+2では応答速度4msでした。
IPSパネルにしてはかなり速い応答速度です。ただし、目視での計測であるため個人差は出ます。
IPSパネルとACR機能が成す映像の鮮明さ
「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 」 を視聴
本機にはゲームや動画の再生時に「明るい場面」と「暗い場面」に応じて輝度を変え、通常1,000:1のコントラスト比を最大500万:1まで向上させるACR機能が搭載されています。
ACR機能によるシーンごとの輝度の移り変わりに違和感はなく、明るいシーンでも極端に明る過ぎないので、目への負担もありません。
またオーバードライブ機能も併用できるので、残像も気になることなく、より映像に没頭できます。
ゲームの快適度をチェック
FPSをプレイ
PC版「バトルフィールド3」をプレイ
PC版の「バトルフィールド3」をプレイしゲームが快適にできるか確認しました。本機のオーバードライブ機能は、最大にしても激しい色合いの変化やオーバーシュート/アンダーシュートはなく、それでいて残像が低減されているのが分かります。
またIPSパネルとACR機能の効果によって、明るい場所や暗い場所でも視認性が向上し、色合いも鮮明に表示してくれるので、より一層ゲームの世界観を引き出してくれます。
格闘ゲームをプレイ
「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイ
格闘ゲームでは普段やり慣れている「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイし、主に入力遅延を見ていきます。
PS3版、PC版の両方で一通りプレイしてみたところ、特に気になる遅延は見当たりませんでした。違和感やモッサリした感じはありません。
また本機のオーバードライブ機能は相手の素早い動きや細かな動き、攻撃の表裏が見えやすくなるので、格闘ゲームにおいても役立ちます。
OSDメニュー及び操作性のチェック
本機のメニューボタン
本機のメニューボタンは液晶下の中央に配置されています。右の写真の通り、黒地に黒表記のボタンなので、どれがどのボタンなのか見にくいというのが難点ですが、ボタンの押し心地はとても良いです。
OSDメニューは下記の写真の通り、フォントが大きく、見やすくなっています。このOSDメニューからは、コントラスト、輝度、色温度やRGBなどの細かな調整が可能です。
i-Style Color(プリセットモード)も豊富で、標準、テキスト、インターネット、ゲーム、映画、スポーツの6種類から、表示する映像に応じて、最適なモードを選択することができます。またいたずらや誤操作防止用に操作ロック機能も搭載されています。
OSDメニュー
消費電力のチェック
消費電力は低い
輝度最小時 輝度最大時
輝度中間時
実際にワットチェッカーで消費電力を計測してみました。計測時はスピーカー未使用、オーバードライブはオフにしてあります。
輝度最小時で約15.0W、輝度中間時では約20.1W、輝度最大時で約25.1Wとなりました。
また、輝度を約120cd/m2に調整したとき(輝度設定29のとき)の消費電力は、約18Wでした。
消費電力は全体的にかなり低めです。ちなみにオーバードライブを最大で使用した場合、通常よりも約0.5Wほど上昇しました。
ECOモードはワンボタンで切り替え
ECOモードは三種類
OSDメニューを開くことなく、ワンボタンで画面輝度を切り替え可能なECOモードも搭載しています。
ECOモードはこれまでと同様3パターンあり、下記の表のようにECOモード1、ECOモード2、ECOモード3とそれぞれに応じて輝度を落とし、通常(輝度最大時)よりも消費電力を削減してくれます。
ProLite XB2380HS | 消費電力 |
---|---|
通常モード | 26W |
エコモード1 | 通常より 約10%削減 |
エコモード2 | 通常より 約20%削減 |
エコモード3 | 通常より 約35%削減 |
スピーカーのチェック
本機のスピーカー部分
本機には2W×2のステレオスピーカーが搭載されています。スピーカーの位置はこれまでのモデルと同様、背面に内蔵されているので、音は後ろの方から聞こえてくることになります。2Wのスピーカーということもあり、正直、音質は良くありません。動画やゲームが中心の方はなるべく別売りのスピーカーを用意した方がいいでしょう。
外観と使用感のチェック
昇降、ピボット機能を備えたスタンドにも関わらず、意外と軽いです。また安っぽさがなく、全体的に作りがしっかりしています。スィーベル機能は台座の底面が回る仕組みになっており、引っ掛かることなく綺麗に回ってくれます。スタンドと台座もしっかりしているので、揺れの心配もありません。
全体の写真です
正面の写真です
側面の写真です
チルト幅は27度となってます
高さ調節は130mmとなってます
ピボット時の写真です。台座に対して画面が少し右にずれてます
背面の写真です
アーム部分の写真です
ケーブルホルダーは取り付け式になってます
スタンド部分の写真です
OSDボタンの写真です
入力部分の写真です
電源部分の写真です
台座の底面の写真です。スィーベルはここが回る仕組みになっており、回転幅は320度です
まとめ
iiyama ProLite XB2380HSは、視野角の良いIPSパネルを採用し、チルト、スィーベル、昇降、ピボット機能と、使用するシーンに応じて自由な角度調整が可能なパーフェクトスタンドを搭載。またコントラスト比を最大5,000,000:1まで向上させるACR機能や、応答速度最大5msまで改善するオーバードライブ機能も搭載しているので、動画の視聴やゲームも快適な液晶ディスプレイです。
消費電力も低いので、長時間の使用でも安心です。これほどの機能を備えながらも価格は驚きの2万円代とかなりお手頃で、コストパフォーマンスは非常に高い製品です。
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