iiyama ProLite XB2374HDS-B(PLXB2374HDS-B1)の実機レビュー

更新日:2011年12月06日

位置調整自在のIPS液晶ディスプレイ

iiyama ProLite XB2374HDS-B(PLXB2374HDS-B1)は視野角の良いIPSパネルを採用し、ディスプレイの昇降、スイーベル、ピボットも可能な23型ワイド液晶ディスプレイです。

また残像を抑えるオーバードライブ機能や、最大5,000,000:1というハイコントラストを実現するACR機能、背面には2Wのスピーカーまで搭載されており、ビジネスシーンだけでなくゲームやマルチメディアなど、様々な用途で活躍できます。

これほどの機能を備えつつ、HDMIケーブルまで同梱し、価格は2万円台という非常に良心的な価格設定です。まさに高機能、高パフォーマンス、低コストの3つを兼ね備えた液晶ディスプレイです。

購入はこちら:Amazon

基本スペックのチェック

ProLite XB2374HDS-Bの基本スペックのチェックです。本機は視野角の良いIPSパネルを搭載しつつ、残像を抑えるオーバードライブ機能により、5msというTNパネルと変わらない応答速度を実現しています。

またコントラスト比を高めるACR機能も搭載しており、通常コントラスト比1,000:1のところを最大5,000,000:1まで向上させることができます。

そして本機はチルト機能に加え、パネルの高さ調節機能、パネルの向きを左右に動かせるスイーベル機能、パネルを90度回転させ縦長ディスプレイとして使用することができるピボット機能を搭載しています。背面には2Wのスピーカーを搭載し、これ以上載せる機能が見当たらないという程、多機能な液晶ディスプレイだと思います。

基本スペック
製品名 iiyama ProLite XB2374HDS-B
サイズ 23型ワイド
解像度 1920x1080
表面処理 非光沢
パネル方式 IPS
バックライト LED
応答速度 5ms(ODオン時)
コントラスト比 1,000:1(標準)
5,000,000:1(最大)
入力端子 DVI-D×1
VGA×1
HDMI×1
スピーカー 2W×2
位置調節 チルト機能
高さ調節機能
スイーベル機能
ピボット機能
消費電力 標準 35W
最大 45W
輝度 250cd/m2
重量 5.4kg(スピーカー、スタンド含む)
付属ケーブル D-SUBケーブル×1
DVI-Dケーブル×1
HDMIケーブル×1
電源ケーブル
オーディオケーブル

ピボット機能のチェック


本機の縦長表示時

ディスプレイを縦長表示にすることができるピボット機能は作業範囲が拡がり、WEBの閲覧やデスクワークの際に非常に便利です。また縦長2Dシューティングも快適にプレイすることができます。

ProLite XB2374HDS-Bのピボット機能は非常に簡単で、ディスプレイの高さを最大まで高くし、時計回りに90度回すだけ。回転や高さ調節は硬すぎず、柔らか過ぎず、丁度良い感じで調整しやすいです。ディスプレイの揺れもなくスタンド部分やネック部分は非常に安定しています。

メニューボタンは縦長表示でも押しやすいよう中央に配置されており、ボタンを押してもディスプレイの揺れはありません。

 


縦長表示への切り替えは非常に簡単

画質のチェック

ProLite XB2374HDS-Bの液晶パネルは、前回レビューした「ProLite X2377HDS-B」と同一であるため、画質は全く一緒です。

ガンマ補正曲線のチェック

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色も直線的に近いですが、やや全体的にやや下げ気味な調整です。そのため、実際の画面はやや明るい画像になっています。


ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

色域のチェック

色域は普通です。一般の方には、ちょうど良い色域だと思います。


ガモット図(a*b*平面)
左図はsRGBとの比較で、右図はadobe RGBとの比較
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、ICCViewでグラフを作成

画素のチェック

次は、画面をマイクロスコープで拡大した図です。

画素は横V字のような形状をしています。ノングレア処理面は一般的な表面だと思います。ギラツキはそれほど感じません。ただし、見え方には個人差があります。ご了承ください。


画素の拡大図
※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影

視野角のチェック

視野角のチェックです。本機はIPSパネルなので、視野角は優秀です。 下の写真の様に、横から見ても下から見ても色合いの変化はありません。


正面から見た場合

横から見た場合

下から見た場合

残像感と動画のチェック

残像感のチェック


応答速度は5ms

残像感のチェックでは「液晶応答速度&低解像度チェックというソフトを使って計測しました。本機は0~5の5段階で調整可能なオーバードライブ機能が搭載されています。

実際に目測した結果では、オーバードライブ機能オフで応答速度は6msでした。オーバードライブ機能最大の5では仕様上の通り、応答速度は5msでした。ただし、あくまで目視での計測であるため個人差は出ます。

IPSパネルで応答速度5msなら画質が良く、残像感も少ない映像を楽しむことができるでしょう。

動画のチェック


「劇場版 マクロスF」 を視聴

前回レビューした「ProLite X2377HDS-B」と同様、ゲームや動画の再生時に「明るい場面」と「暗い場面」に応じて輝度を変え、コントラスト比を最大5,000,000:1まで向上させるACR機能が搭載されています。

ただ本機は「ProLite X2377HDS-B」と違い、輝度がふわっと変わるのではなく、ジワジワッと変わっていくので、視聴中はまず気付きません。そのさり気なさは本当に輝度が変動しているのか疑ってしまう程でした。

実際に「劇場版 マクロスF」を視聴して動画をチェックしたところ、ACR機能オンの方が色の表示にメリハリがあり、より立体感のある映像を楽しむことができました。また知らない間に輝度が変わっているということが多く、視聴中の違和感はほぼありません。

ゲームの快適度をチェック

FPSをプレイ


PC版「Battlefield 3」をプレイ

やはりFPSではACR機能が役に立ちます。通常暗くて見にくい場面でも、自動で輝度を落としてくれるので、オブジェクトや敵の視認性が増します。

暗すぎる場面でもディスプレイが真っ暗になってしまうということもなく、快適にプレイができます。

ただオーバードライブ機能はオフの状態とオンの状態でさほど差は感じられませんでした。
しかし画質の綺麗なIPSパネルで、少ない残像感でFPSがプレイできるというのは素晴らしいことだと思います。

格闘ゲームをプレイ


「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイ

格闘ゲームでは普段やり慣れている「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイし、入力遅延を見ていきます。

IPSパネルは入力遅延が大きい製品が多いのですが、本機の入力遅延は少ないです。入力遅延によりコンボが決まらないということはなく、快適にプレイできました。

ただFPSの時と同様、オーバードライブ機能を最大の5に設定しても、オフの時とあまり差が感じられませんでした。以前レビューした「ProLite X2377HDS-B」のオーバードライブ機能と比べると、本機のオーバードライブ機能は少し弱めになっていると思います。

OSDメニューのチェック


本機のOSDメニュー

ProLite XB2374HDS-BのOSDメニューは「ProLite X2377HDS-B」と比べるとサイズが小さく、原色が多いので最初は少し見にくいのですが、慣れれば問題ありません。

画質の設定は下の写真の様に、コントラストやガンマ値、寒色・暖色といった色温度、RGBの設定が細かく調整できるので、デザイナーの方でも安心です。

i-Style Color(プリセットモード)は標準、テキスト、インターネット、ゲーム、ムービー、スポーツと5種類用意されており、表示する映像に応じて、最適なモードを選択することができます。





OSDメニューからは画質の設定を細かく調整できる

スピーカーのチェック


本機のスピーカー部分

ProLite XB2374HDS-Bには2W×2のステレオスピーカーが内蔵されています。ただ右の写真の通り正面ではなく背面に配置されているので、音は後ろの方から聞こえてきます。

2Wなので音質はあまり良くありませんが、デスクの上に別売りのスピーカーを置くのが煩わしいという方には丁度良いと思います。

音量の調整はOSDメニューを開くことなく、液晶下のボタンだけで調整できるのはとても便利です。

消費電力のチェック

消費電力は普通


輝度最小時            輝度最大時   

本機は仕様上では、標準で35W、最大で45Wとなっていますが、実際にワットチェッカーで消費電力を計測したところ、輝度最小時で約17.0W、輝度最大時で約35.0Wとなりました。また輝度設定50(中間)の消費電力は約26.0Wでした。

計測した時はスピーカーを使用していないので、スピーカーを使用するとさらに消費電力は上がります。

ECOモードはワンボタンで切り替え


ECOモードの切り替えはワンボタンで可能

本機の節電機能、ECOモードは3パターンあり、わざわざOSDメニューから設定することなく、液晶下のボタン1つで簡単に設定するができます。
そのほか、音量や入力切り替えもOSDメニューを開くことなく、ボタン1つで設定が可能です。

下記の表のようにECOモード1、ECOモード2、ECOモード3とそれぞれに応じて輝度を落とし、通常よりも消費電力を削減してくれます。

ProLite XB2374HDS-B 消費電力
通常モード 35W
エコモード1 通常より 約17%削減
エコモード2 通常より 約28%削減
エコモード3 通常より 約45%削減

外観のチェック

ProLite XB2374HDS-Bの外観のチェックです。

昇降機能やピボット機能は前述の通り硬すぎず、柔らかすぎず、すごく調整しやすいです。またスタンドやディスプレイを支えるネックがしっかりしており、メニューボタンを押しても揺れたりせず非常に安定しています。

質感もほとんどがマットな材質で、指紋が付くことを気にすることなく、画面の位置調整ができます。昇降機能やスピーカーを搭載している割には薄く設計されており、デスク周りもさほどスペースは取りません。デザインが少し地味なものの、非常に実用的な製品であると思います。


全体の画像です。

正面の画像です。

縦長ディスプレイ時の画像です。

背面の画像です。

横からの画像です。

チルト機能の調整範囲は最大20度となっています。

高さ調節は最大110mmとなっています。

スイーベル機能は、台座の底が回る仕組みになっており、最大340度回転させることが可能です。

質感は指紋が付きにくく、ザラつきがあります。

背面にはケーブルホルダーがあり、配線をすっきりまとめることができます。

スタンド部分の画像です。

入力部分の画像です。

電源部分の画像です。

メニューボタンは液晶の中央部分に配置されており、操作はしやすいです。

まとめ

iiyama ProLite XB2374HDS-BはIPS液晶、応答速度を改善するオーバードライブ機能、コントラスト比を最大5,000,000:1まで向上させるACR機能に加え、ディスプレイの高さ調節機能、スイーベル機能、ピボット機能まで搭載しており、非常に多機能な製品です。ビジネスシーンだけでなくゲームや映像視聴など様々な環境で活躍してくれる液晶ディスプレイです。

高価なIPSパネルに通常これほどの機能を備えると、3万円台を超えてしまう場合が多いですが、本機は2万円台というなんとも良心的な価格設定です。かなりコストパフォーマンスの高い製品と言えます。

下記にiiyama ProLite XB2374HDS-Bを購入する上でのメリットをまとめましたので、参考にして頂ければと思います。

【iiyama ProLite XB2374HDS-Bのメリット】
 ・IPS液晶なので視野角が良い
 ・オーバードライブ機能によりIPSパネルでも応答速度が早い
 ・ACR機能により5,000,000:1のハイコントラスト比でメリハリのある映像が楽しめる
 ・入力遅延が少なく、ゲームプレイも快適
 ・ピボット機能、スイーベル機能、高さ調節機能によりディスプレイの位置調整が自由自在
 ・高価なIPS液晶や豊富な機能に加えて価格が安く、コストパフォーマンスが非常に高い

詳細はこちら
Amazon