iiyama ProLite G2773HS(PLG2773HS-GB1)の実機レビュー(2)
画質のチェック
ここでは工場出荷状態で、画面調整や、i-Style Color(テキスト、ゲーム、映画などのモード切替え)を行っていない状態での画質のチェックをおこないます。
ガンマ補正曲線のチェック
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、赤色が高めで、青色の明部が低めに調整されています。そのため、実際の画面は寒色系の設定になっています。
ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
色域のチェック
色域は普通です。一般の方には、ちょうど良い色域だと思います。
ガモット図(a*b*平面)
左図はsRGBとの比較で、右図はadobe RGBとの比較
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、ICCViewでグラフを作成
画素のチェック
次は、画面をマイクロスコープで拡大した図です。
画素の形状はよくわかりませんでした。ノングレア処理面は比較的凹凸が少なく滑らかです。ギラツキはそれほど感じませんが、ドットピッチが広い分、粒状感を感じます。
画素の拡大図
※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影
視野角のチェック
視野角のチェックです。TNパネルであるため、それほど良くはありません。
正面から見た場合
横から見た場合
下から見た場合
消費電力のチェック
消費電力は普通
輝度最小時 輝度最大時
輝度中間時
消費電力のチェックです。ワットチェッカーで、スピーカーオフの状態で計測しています。
本製品の輝度設定の範囲は1~100まであり、1メモリずつ細かく調整することができます。
輝度最小時では15.2W、輝度中間時では25.3Wと普通の消費電力ですが、輝度最大時では35.2Wと輝度が300cd/m2にしては少し高めの消費電力でした。
また、輝度を約120cd/m2に調整したときの消費電力は、約20Wでした。
ECOモード機能搭載
ECOモードは3段階
本機には消費電力を最大47%も削減できる、iiyama独自の「ECOモード」が搭載されています。ECOモードはOSDメニューからの切り替えとなっており、設定モードはECOモード1、ECOモード2、ECOモード3の3段階。
設定段階が高くなるにつれ、輝度を下げ、通常よりも消費電力を削減してくれます。それぞれのおおよその削減率は以下の通り。
ProLite G2773HS | 消費電力 |
---|---|
通常モード | 35W |
エコモード1 | 通常より 約13%削減 |
エコモード2 | 通常より 約27%削減 |
エコモード3 | 通常より 約47%削減 |
OSDメニューのチェック
操作のしやすいタッチセンサー
OSDボタンはタッチセンサー
まず本機のOSDボタンはタッチセンサー式となっています。従来、液晶ディスプレイのタッチセンサーと言えば、反応が悪く、操作のしづらいものばかりでしたが、本機に至ってはボタンの反応は良く、操作がしやすいと思います。ただタッチセンサー部分の凹凸がなく、暗い部屋で使用した場合、どこを触れば良いのか分からなくなるというのが少し難点です。
OSDメニューは従来のiiyama機と同じく、いたってシンプルなデザインです。27インチの液晶ディスプレイにしてはちょっと小さいとは思いますが、色の使い分けが良く見やすいと感じました。
OSDメニューからは、輝度、コントラスト、オーバードライブ、Adv.Contrast、色温度などの設定が可能です。またわざわざOSDメニューを開かずとも、標準、テキストモード、風景モード、ゲームモード、映画モードと、5つのパターンの画質調整を備えたi-styleColor機能の切り替えや、ボリューム調整、入力信号の切替が可能です。
本機のOSDメニュー
スピーカーのチェック
本機のスピーカー部分
本機には2.5W×2のステレオスピーカーが搭載されています。スピーカーの位置は右の写真のように、背面上部に配置されており、音も背面から聞こえてきます。
2.5Wなので音質もそれほど良くなく、音がとても軽いため、ゲームや映画を観るには別売りのスピーカーや、ヘッドホンの方がいいと思います。
外観のチェック
27インチという大画面、スピーカー内蔵にしては思ったよりも薄く、意外に軽いです。
スタンド部分はネジ止めタイプではないですが、支柱がしっかりしており、安定していて揺れも少ないです。
高さ調節はできません。
ベゼル、スタンド共に光沢素材で、高級感はありますが、触ると指紋が目立ちます。
全体の写真です
正面の写真です
背面の写真です。
背面斜めからの写真です
横からの写真です。
角度調節は上方向20度のみ。
スタンド部分の写真です。
電源、OSDボタンの写真です。
入力端子の写真です。
電源部分の写真です。
まとめ
iiyama ProLite G2773HSは、27インチという大画面、120Hz駆動対応、最大1msという高速応答速度、入力遅延の少なさと、PCゲーマーが求めているものが多く詰まった液晶ディスプレイだと思います。
何より120Hz駆動という滑らかな映像で、さらに1msというほぼ残像を感じない環境でゲームができるというのは、PCゲーマーにとって非常に嬉しいです。価格も35,000円前後と、これほど性能が揃ってこの価格なら、これまで買い渋ってきたPCゲーマーの方々も手が出せるのではないかと思います。とても良心的な価格だと思います。
ただし、120Hz駆動には対応していますが、NVIDIA 3D Visionには対応していませんのでご注意下さい。
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