iiyama PLE2473HDS-B1の実機レビュー

更新日:2011年10月13日
PLE2473HDS-B1 の特徴

機能に優れ、価格も手頃なエントリー機

iiyama PLE2473HDS-B1は残像を抑えるオーバードライブ機能、最大5,000,000:1のハイコントラストを実現するACR機能が搭載され、表示遅延も少なく、ゲーマーも満足の液晶ディスプレイです。スピーカーも搭載し、本体もスリムで、消費電力もかなり低いです。これだけの機能にも関わらず、価格が2万円を切り、コストパフォーマンスが非常に高い製品です。

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基本スペックのチェック

基本スペックのチェックです。まず押さえておきたいのは応答速度の速さです。本機にはオーバードライブ機能が搭載されており標準でも5ms、オーバードライブ機能時で最大2msと脅威の速さです。

またACR(Advanced Contrast Ratio)機能で、最大5,000,000:1のハイコントラストを実現しています。
入力端子にはHDMIを2基搭載し、PCだけでなくゲーム機やDVDプレーヤーなど様々な機器を接続することができます。

基本スペック
製品名 iiyama PLE2473HDS-B1
サイズ 23.6型ワイド
解像度 1920x1080
表面処理 非光沢
パネル方式 TN
 応答速度 標準 5ms
OD機能時最大 2ms
 コントラスト比 1,000:1 
ACR機能時 5,000,000:1
入力端子 DVI-D×1
D-sub×1
HDMI×2
スピーカー 2W+2W
位置調節   チルト機能
消費電力 標準 24W
最大 38W
輝度 300cd/m2
 重量  4.4kg

画質のチェック

ガンマ補正曲線のチェック

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、全体的に若干下げ気味に調整されていますが、ほぼ直線に近いです。工場出荷時でも色がかなり正確に再現可能です。


ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

色域のチェック

色域は普通です。ネットやOffice作業、動画鑑賞、ゲームなどの用途なら、問題ない色域です。


ガモット図(a*b*平面)
左図はsRGBとの比較で、右図はadobe RGBとの比較
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、ICCViewでグラフを作成

画素のチェック

次は、画面をマイクロスコープで拡大した図です。

画素は、ノングレア処理面にピントを合わせた画像をみると、凸凹がやや大きいです。そのためか、実際の画面を確認すると、ややギラツキを感じます。ただし、見え方には個人差があります。ご了承ください。


画素の拡大図 ※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影

視野角のチェック

視野角については、TNパネルであるため良くないです。


視野角(斜めから見たときの見やすさ)

残像感と動画のチェック

残像感のチェック


通常時の応答速度は約6ms
OD時の応答速度は約4ms

残像感のチェックでは「液晶応答速度&低解像度チェックというソフトを使って計測しました。本機のオーバードライブ機能は1~5まで設定でき、通常時とオーバードライブ設定5で応答速度を比較してみました。

まず通常(ODオフ)時では、仕様上では5msとなっていますが、私の目測ではだいたい6msとなりました。
次にオーバードライブ設定5で応答速度を測定したところ、結果は4msと通常時よりも2msも速い結果となりました。

仕様上では最大2msと少し言い過ぎな気もしますが、それでもかなり速い応答速度です。

動画のチェック


「「劇場版 マクロスF」」 を視聴

OSDメニューからACR機能オンにすると、ゲームや動画再生時、「明るい場面」と「暗い場面」 に応じて輝度を変え、通常コントラスト比1,000:1のところをコントラスト比5,000,000:1まで向上させます。

実際に「劇場版 マクロスF」を視聴して動画をチェックしたところ、ACRオン時では色の表示にメリハリが出て、映像がより綺麗に見えました。ですが「明るい場面」と「暗い場面」応じて、自然に輝度を変えるのではなく、パッパッと切り替わるので少し鬱陶しい気もします。

気になる残像はなく、またオーバードライブオンとオフ時で、残像はさほど差は感じられません。ちなみにACR機能時では輝度の調整はできなくなります。



ゲームの快適度をチェック

FPSをプレイ-ACR機能が際立つ


「F.E.A.R.3」をプレイ

FPSでは本機のACR機能が役立ちます。画面の「明るい場所」と「暗い場所」で輝度が自動で変わるので、敵の視認性が向上し、オブジェクトが見やすくなります。

通常のディスプレイでは見落としていた敵も本機のACR機能で捉えやすくなります。先程では輝度の切り替わりが鬱陶しいと記載しましたが、ゲーム中はなぜか気になりません。

またオーバードライブ機能でもゲームプレイ時の方が差が分かりやすく、特に走った時など、残像が低減されているのがわかります。



格闘ゲームをプレイ-文句なしの表示速度


「スーパーストリートファイターAE」をプレイ

本機はTNパネルなので、元々、表示遅延は少ないです。実際に「スーパーストリートファイターAE」をプレイしても、文句なしの表示速度です。目押しも難なく入ります。

さらにオーバードライブ機能で残像が低減され、相手の動きや攻撃の表裏が見やすいです。またオーバードライブオン時とオフ時でも表示速度はほとんど差はないので、常にオーバードライブはオンで良いと思います。



スピーカーのチェック

本機には2W+2Wのスピーカーが搭載されています。
ただし背面に付いているので、音声も後ろから聞こえてきます。
OSDメニューからの高音、低音の調整はなく、音質もあまり良くありません。

消費電力のチェック

消費電力はかなり低い


輝度最小時            輝度最大時    

本機は仕様上では、標準で24W、最大35Wとなっていますが、実際にワットチェッカーで消費電力を計測したところ、輝度最大時で22.3W、輝度最小時で10.6Wと仕様よりも低い消費電力となっていました。

輝度の設定は1~100まで1メモリずつ調整ができます。

輝度を約120cd/m2に調整したときの消費電力は、約12Wでした。

ちなみに、オーバードライブ機能時でも消費電力の差はほとんどありませんでした。

外観のチェック

スピーカーを搭載している割に横幅はスリムで見た目も良いです。ディスプレイは少し揺れますが、許容範囲の揺れではあります。

ただ設定を変えるボタンがタッチセンサー式なので、暗い時はボタンの位置が見えず、タッチセンサーならではの、たまに反応してくれない時が少しストレスです。慣れれば問題はないとは思うのですが、本機の様な頻繁に設定を弄るディスプレイは普通のボタンの方が良かったです。


全体の画像です。


正面の画像です。


背面の画像です。


横からの画像です。


背面のスピーカーの画像です。


入力部分の画像です。

側面の入力部分の画像です。


タッチセンサー部分とOSDメニューの画像です。

まとめ

iiyama PLE2473HDS-B1は残像を抑えるオーバードライブ機能に加え、最大5,000,000:1のハイコントラストを実現するACR機能を搭載しています。また表示速度も速く消費電力も低めで、エントリー機としては性能十分な製品です。ただし、(私は)ややギラツキを感じたのと、TNパネルということで視野角がよくないことから、長時間作業をする用途には向かないと思いました。

尚、長時間作業をする場合、少し価格が高くなっても良いのなら、こちらの表の「仕事におすすめ」と書かれた製品もご検討ください。また、ゲーム用途で使用するなら、こちらのページも参考にしてください。

下記にiiyama PLE2473HDS-B1購入の際のメリット・デメリットを記載しましたので、参考にして頂けたらと思います。

メリット
・オーバードライブ機能で応答速度が速い
・最大5,000,000:1のハイコントラストを実現するACR機能で映像にメリハリがある
・表示速度が速い(遅延が少ない)
・消費電力が低い
・機能が豊富な割に価格が安く、コストパフォーマンスが高い

デメリット
・視野角が悪い
・スピーカーを搭載しているものの、スピーカー自体は背面にあるので、音が遠い
・ボタンがタッチセンサーなので、瞬時に設定を変更しづらい

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