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レノボ ThinkPad X240の実機レビュー
3種類のリア・バッテリー
ThinkPad X240は、リア・バッテリーを自分で交換することが可能な12.5型モバイルノートパソコンです。
リア・バッテリーは、24Wh、48Wh、72Whの3種類が用意されています。駆動時間と、薄さ、重量を考慮して好きなバッテリーを選択できます。
また、リア・バッテリーの他に内蔵のフロント・バッテリーも搭載可能です。フロント・バッテリーを搭載すれば、バッテリー駆動時間が延びるのはもちろん、OS起動中にリア・バッテリーを交換することも可能です。
トラックポイントも搭載し、キーボードも打ちやすく、テキスト入力が快適です。
VGA、LAN、Mini-DisplayPort、スマートカードリーダーといったビジネスでよく使うポートも搭載しています。
2014/3/7 追記:フルHD液晶の情報を追加。M.2 SSDへの換装レビューを追加。専用ケースのレビューを追加
※レビュー機は、1台は当サイトでの購入製品、1台はメーカーからの借用製品です
目次
1 ThinkPad X240 の基本スペック | 2 特徴1 - 着脱可能なバッテリー&駆動時間 Update! |
3 重量のチェック - 3種類のバッテリー | 4 薄さのチェック - 3種類のバッテリー |
5 特徴2 - ドッキングデバイスを装着可能 | 6 特徴3 - 仕事で便利なポートを多数搭載 |
7 特徴4 - MilSpecテストにも合格の頑丈ボディ | 8 液晶ディスプレイのチェック Update! |
9 キーボードおよびタッチパッドのチェック | 10 パフォーマンスのチェック Update! |
11 PC起動・シャットダウン時間のチェック | 12 カードリーダー/ライターのチェック |
13 静音性のチェック | 14 パーツの温度のチェック |
15 表面温度のチェック | 16 消費電力のチェック |
17 外観のチェック | 18 ThinkPad X240対応プレミアムケースのレビュー New! |
19 M.2 SSD へ換装 New! | 20 まとめ |
ThinkPad X240の基本スペック
ThinkPad X240の基本スペックをチェックします。※2014年3月6日時点の情報です。BTOという特性上、時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。なお、特徴的な部分は赤字にしています。
CPU Uシリーズの第4世代インテルCPUを選択可能です。 |
グラフィックカード CPU内蔵のGPU(インテル HD グラフィックス4400)です。 |
液晶ディスプレイ 12.5型ワイドです。HD/フルHD、IPS、タッチの有無により5種類の液晶から選択可能です。 |
メモリ 2GB~8GBです。1枚挿しです。 |
ハードディスク/SSD 単体HDD、単体SSD、HDD(+キャッシュSSD)を選択できます。本機は単体SSDです。 |
光学ドライブ 内蔵光学ドライブは搭載していません。 |
バッテリー駆動時間 メーカー公表値で最大14.9時間です。実測値は後述します。 |
テレビチューナー 内蔵のテレビチューナーは搭載していません。 |
本記事は、下記構成の2台でレビューしています。
■「Core i3-4010U、4GBメモリ、128GB SSD」
■「Core i7-4600U、8GBメモリ、256GB SSD」
特徴1 - 着脱可能なリア・バッテリー&駆動時間のチェック
ThinkPad X240は、フロント・バッテリーとリア・バッテリーの2つを搭載可能です。
フロント・バッテリーは購入時に搭載/非搭載を選べます。フロント・バッテリーを搭載せず、リア・バッテリーのみにすることも可能です。フロント・バッテリーを搭載した場合は、24Whの容量のバッテリーが搭載されます。フロント・バッテリーを搭載すると、OSを起動したままリア・バッテリーを交換することが可能です。
ThinkPad X240に搭載される2つのバッテリー
リア・バッテリーは、次の3種類が用意されています。3セルのバッテリーは、24Whで薄型です。6セルのバッテリ―は48Whと72Whのものが用意されており、外観は変わりません。
3種類のリア・バッテリー
左:ThinkPad バッテリー68、3セル、24Wh、製品番号:0C52861
中:ThinkPad バッテリー68+、6セル、48Wh、製品番号:不明
右:ThinkPad バッテリー68+、6セル、72Wh、製品番号:0C52862
各リア・バッテリーを搭載したときの外観は次の通りです。3セルのバッテリ―の場合は出っ張りはありませんが、2種類の6セルのバッテリーを搭載した場合は出っ張りがあります。
各リア・バッテリーの出っ張り具合
各バッテリーを搭載した時のバッテリー駆動時間は次の通りです。なお、CPUやストレージ、液晶などの構成によって駆動時間は変わるためご注意ください。
今回は、処理性能の低いCore i3、HD液晶の構成であったためか、最も容量の少ない3セルのリア・バッテリーでも駆動時間はかなり長かったです。48Whまたは72Whの6セルのリア・バッテリーを搭載した場合は、さらに長くなります。
負荷内容 | Core i3-4010U、128GB SSD、HD液晶 | ||
---|---|---|---|
フロントバッテリー:24Wh | |||
リア:3セル(24Wh) | リア:6セル(48Wh) | リア:6セル(72Wh) | |
動画再生時 ※1 | 8時間03分 | 12時間10分 | 17時間54分 |
PCMark 8 のバッテリーライフテスト ※2 | 4時間44分 | 7時間41分 | 10時間41分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
追記:Core i7-4600U、256GB SSD、フルHD液晶でのバッテリー駆動時間を計測しましたので、下に掲載します。3セルのリア・バッテリー搭載時のみ計測しています。Core i7-4600U、フルHD液晶にしたことで、上の表よりも約2割ほど駆動時間が減っています。
負荷内容 | Core i7-4600U、256GB SSD、フルHD液晶 | ||
---|---|---|---|
フロントバッテリー:24Wh | |||
リア:3セル(24Wh) | リア:6セル(48Wh) | リア:6セル(72Wh) | |
動画再生時 | 6時間39分 | 未実施 | 未実施 |
PCMark 8 のバッテリーライフテスト | 3時間41分 | 未実施 | 未実施 |
重量のチェック - 3種類のバッテリー
次は、各バッテリーを搭載したときの重量を、下図に掲載します。
3セルのリア・バッテリーを搭載した場合は1440gでした。なお、同バッテリ容量のThinkPad 240sの重量は、実測で1271gでした。ThinkPad X240のほうがやや重くなっています。
48Whと72Whのリア・バッテリーを搭載したときの重量は、それほど変わりませんでした。しかし、駆動時間は約1.5倍の差があることから、6セルのリア・バッテリーを選ぶなら、72Whのバッテリーのほうが良いと思います。
各リア・バッテリー搭載時の重量
ちなみに、リア・バッテリーを搭載せず、フロント・バッテリーのみの重量を計測したところ、1291gでした。フロント・バッテリーを搭載せず、リア・バッテリーのみ搭載した場合も同じくらいの重量になると思われます。
ACアダプターについては、ThinkPad X240sと全く同じものを使用しており、重量は248gでした。
リア・バッテリー非搭載時の本体の重量、およびACアダプターの重量
薄さのチェック - 3種類のバッテリー
続いて、各リア・バッテリーを搭載したときの薄さをチェックします。
3セル・バッテリ―を搭載した場合の高さは約23.5mmで、48Whまたは72Whの6セル・バッテリーを搭載した場合の高さは約37.0mmでした。
各リア・バッテリー搭載時の本体の高さ
特徴2 - ドッキングデバイスを装着可能
ThinkPad X240は、X240sにはないドッキングコネクタを搭載しています。
そのため、ThinkPad ベーシック・プロ・ウルトラドックといったドッキングデバイスを装着することができ、USBポートや映像出力ポートを拡張することが可能です。
ThinkPad X240はドッキングコネクタを装備
特徴3 - 仕事で便利なポートを多数搭載
ThinkPad X240は、ビジネスで使用することが多いVGA、有線LAN、Mini-DisplayPort、スマートカードリーダーのポート類を搭載しています。最近のモバイルノートPCはこれらのポートを搭載していない場合が多いため、本製品は貴重です。ただし、HDMIポートはないためご注意ください。
VGA、Mini-DisplayPort、LANなどを搭載
特徴4 - MilSpecテストにも合格の頑丈ボディ
ThinkPadブランドであるため頑丈なボディです。落下テストなど8項目のMilSpecテストに合格しています。
MilSpecテストにも合格の頑丈ボディ
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
ThinkPad X240は、下記の液晶から1つを選択することができます。
(1)12.5型HD液晶(1366x768 光沢なし)
(2)12.5型HD液晶(1366x768 光沢なし IPS)
(3)12.5型フルHD液晶(1920x1080 光沢なし IPS)
(4)12.5型HD液晶(1366x768 光沢なし IPS) マルチタッチ対応
(5)12.5型フルHD液晶(1920x1080 光沢なし IPS) マルチタッチ対応
ここでは、(1)と(3)の液晶について詳細をチェックします。なお、(2)の液晶の詳細については「ThinkPad X240s - 液晶のチェック」をご覧ください。
12.5型HD液晶(1366x768 光沢なし)
HD液晶「AUO製B125XTN01.0」についての特性について確認します。なお、HD液晶を選択しても異なるメーカーのパネルが搭載される可能性がありますのでご注意ください。
視野角は、TNパネルであるためそれほど広くありません。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青色がかなり下げ調整であることから、実際は寒色系の画面であることが分かります。
色域は狭いです。※MacのColorSyncユーティリティでグラフを再作成しました。
ガモット図
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素の形状は次の通りです。形状はシンプルでノングレア処理の表面を見ても凹凸が少なく、ギラつきはほぼ感じません。
12.5型フルHD液晶(1920x1080 光沢なし IPS)
次にフルHD液晶「LG製LP125WF2-SPB2」についての特性について確認します。なお、フルHD液晶を選択しても異なるメーカーのパネルが搭載される可能性がありますのでご注意ください。
IPSパネルであるため、視野角は非常に良いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色も直線的でズレがありません。このことから色再現性が良いことが分かります。
色域はそれほど広くありません。
ガモット図
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素の形状は次の通りです。形状はシンプルでノングレア処理の表面を見ても凹凸が少なく、ギラつきはほぼ感じません。
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
打ちやすいキーボードです。トラックポイントも搭載しています。ただし、トラックポイント用の真ん中のクリックボタンが押しにくいです。
なお、ThinkPad X240sと同じキーボードであるため、詳細は「ThinkPad X240s - キーボードのチェック」をご覧ください。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
キーボードバックライト搭載
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPUは、Uシリーズの第4世代インテルCPU「Haswell」を搭載しています。メモリは最大8GBで、1枚挿しとなっています。ストレージは、HDDやSSDを選択可能です。HDDの場合、キャッシュ用SSD(マイクロ・ハード・ディスク)を付けることも可能です。モバイルノートパソコンとして標準的な構成です。
次の2台の構成でのベンチマーク結果を掲載します。
■「Core i3-4010U、4GBメモリ、128GB SSD」
■「Core i7-4600U、8GBメモリ、256GB SSD」
Windows エクスペリエンスインデックス
PassMark Performance Test 8.0
3DMark
※ ICE STORM:Direct 9相当ベンチ、CLOUD GATE:Direct 10相当ベンチ、FIRE STRIKE:Direct 11ベンチ
PCMark 8
動画のエンコード時間
Core i3-4010U | Core i7-4600U | |
---|---|---|
x264でエンコード | 46分00秒 | 34分46秒 |
クイック・シンク・ビデオでエンコード | 17分20秒 | 12分54秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
ストレージのベンチマーク
PC起動・シャットダウン時間のチェック
PCの起動・シャットダウン時間です。今回SSDを搭載しているため、比較的高速な起動・シャットダウン時間です。
下記はCore i3-4010Uを搭載したPCの結果ですが、Core i7-4600Uを搭載したPCも、ほとんど結果は変わりません。
テスト内容 | Core i3-4010U、128GB SSD |
---|---|
PC起動時間 | 10秒 |
PCシャットダウン時間 | 8秒 |
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
スロットは本体の右側面にあります。挿入後のSDカードの出っ張りはありません。
SDカード挿入後の外観
カードリーダー/ライターのCrystalDiskMarkのベンチマーク結果は次の通りです。高速です。