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レノボ ThinkPad T440pの実機レビュー
全部入り14型ノートPC
高性能なCPU、GeForce GT730M、交換可能な大容量バッテリーを選択でき、着脱可能な光学ドライブ、多数のポートを搭載している全部入りの14型ノートパソコンです。
液晶については、"非光沢"のフルHD、HD+、HDの3種類の中から選択することが可能です。映り込みが少なく、デスクトップ領域を広く使えるため、仕事が快適でしょう。
着脱可能な光学ドライブは、代わりにダミーカバーや、2nd ハードディスクを装着することができます。2nd ハードディスクを搭載すれば、SSD+HDDの構成にすることもできます。
キーボードも打ちやすく、トラックポイントも健在です。
メーカーサイト:レノボ 公式サイト
※レビュー機は、1台は当サイトでの購入製品、もう1台はメーカーからの借用製品です
目次
ThinkPad T440pの基本スペック
ThinkPad T440pの基本スペックをチェックします。※2014年5月22日時点の情報です。BTOという特性上、時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。なお、特徴的な部分は赤字にしています。
CPU Mシリーズの第4世代インテルCPUを選択可能です。 |
グラフィックカード CPU内蔵(インテル HD グラフィックス4600)またはGeForce GT730Mを選択可能です。 |
液晶ディスプレイ 14.0型ワイドです。(1)非光沢 HD、(2)非光沢 HD+、(3)非光沢 フルHD IPSから選択。 |
メモリ 4GB~16GBまで選択可能です。 |
ハードディスク/SSD 単体HDD、マイクロ・ハード・ディスク付のHDD、単体SSDから選択できます。 |
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブを搭載しています。着脱式です。 |
バッテリー駆動時間 メーカー公表値で約11.7時間(6セル)です。9セルは非公開ですが、実測値を後述します。 |
テレビチューナー 内蔵のテレビチューナーは搭載していません。 |
今回は、下記の構成のPCでレビューしています。
レビュー機1 ---- CPU:Core i5-4200M、メモリ:4GB、ストレージ:500GB HDD、液晶:HD+、GPU:CPU内蔵
レビュー機2 ---- CPU:Core i7-4800MQ、メモリ8GB、ストレージ:256GB SSD、液晶:FHD、GPU:GeForce GT 730M
特徴1 - 非光沢 フルHD IPS や 非光沢 HD+液晶も選択可能
ThinkPad T440pは、非光沢のフルHD IPS液晶、非光沢 HD+の液晶、非光沢のHDの液晶を選択することが可能です。
タッチパネルを搭載したパソコンが増えたことによって、"非光沢"液晶が少なくなってきましたが、本製品は"非光沢"液晶を搭載し、画面への映り込みが少なく、テキスト文字が読みやすいです。Officeソフトを使用したり、メールを送受信したりなど仕事用途に向いています。
個人的には非光沢 フルHD IPS液晶がおすすめです。表示領域が広いですし、視野角も良いです(斜めから見ても見やすい)。
文字が小さいのは苦手という方には、HD+液晶も良いと思います。14型ワイドという液晶サイズを考慮するとバランスが良い(文字が比較的大きく表示領域も比較的広い)です。
文字は大きい方がいいという方や、老眼の方は、表示領域は狭くなりますがHD液晶が良いでしょう。
画像は非光沢 HD+液晶
特徴2 - 14型でも4コアCPU、独立GPU選択可
本製品は、14型クラスのやや小さめのPCの割には、高性能な4コアCPUや、独立GPU(GeForce GT730M)を選択できます。
動画編集やエンコードなど、CPUに負荷のかかる処理をする方は、高性能なCPUを選択すると良いでしょう。費用対効果が高いのはCore i7-4700MQかなと思います。4コアに対応していないソフトを使う場合は、動作周波数の高いCore i7-4600Mでも良いと思います。
グラフィックスに関しては、GeForce GT730Mは、やや中途半端な性能かなと思います。軽めのゲームなら問題ないですが、通常はグラフィックス品質を下げないと快適なプレイは難しいと思います。詳細は後述します。また、Quadroシリーズのグラフィックスを搭載できるわけでもないため、仕事向きでもありません。
4コアのCore i7を選択可能
GeForce GT730Mを選択可能
特徴3 - 9セル 大容量バッテリー搭載可能
ThinkPad T440pは、6セルバッテリー(56.16Wh)と、大容量の9セルバッテリー(99.9Wh)を選択することが可能です。
ただし、9セルバッテリーは、後方に出っ張りがあります。
9セルバッテリー
6セルバッテリーまたは9セルバッテリーを搭載したときのバッテリー駆動時間を下の表に掲載します。長めのバッテリー駆動時間ではあります。
ただし、モバイルノートパソコンで使われるようなUシリーズのCPUよりも、消費電力がやや高いMシリーズのCPUを搭載しているため、バッテリー容量の割には駆動時間が短めです。
Core i5-4200M、500GB HDD、HD+液晶 | ||
---|---|---|
6セル(56.16Wh) | 9セル(99.9Wh) | |
動画再生時 ※1 | 4時間42分 | 9時間56分 |
PCMark 8 のバッテリーライフテスト ※2 | 3時間51分 | 6時間54分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
特徴4 - 着脱可能なDVDスーパーマルチドライブ
ThinkPad T440pは、着脱可能なDVDスーパーマルチドライブを搭載しています。なお、このドライブの仕組みは、ウルトラベイ・エンハンスドと呼ばれています。
旧モデルのThinkPad T430は、レバーを引くとDVDスーパーマルチドライブを取り外せるようになっていましたが、T440pでは、底面のカバーを取り、ネジを外さなくてはならなくなりました。
着脱可能な光学ドライブ
DVDスーパーマルチドライブを取り外したときの図
なお、DVDスーパーマルチドライブを取り外した後のドライブベイへは、ダミーカバーまたはハードドライブ・ベイアダプターIV(オプション)を装着できます。
ダミーカバーを付ければ、DVDスーパーマルチドライブ装着時よりも軽量化することができますし、ハードドライブ・ベイアダプターIVを付ければ、ダブルストレージ(SSD+HDDなど)の構成が可能です。
ウルトラベイドライブオプション
※DVDスーパーマルチドライブおよびダミーカバーは付属。
ハードドライブ・ベイアダプターIVはオプション
特徴5 - MilSpecテストにも合格の頑丈ボディ
ThinkPadブランドを名乗っているだけあり、頑丈なボディです。落下テストや、開閉テストなどのMilSpecテスト(米国軍の物資調達に使われる規格)に合格しています。
頑丈なボディ
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。2つの液晶をチェックしたので、その結果を掲載します。
(1)HD+(1600x900)の液晶のチェック
まず、HD+液晶についての特性をチェックします。別のメーカーのパネルが搭載される可能性もありますが、今回搭載されていたパネルは、AUOのB140RTN02.3でした。
視野角はそれほど広くありません。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青色が大きく下げ調整となっています。このことから、実際の画面はやや青白い画面であることが分かります。
色域は、ノートパソコンとしては普通です。
ガモット図
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素の形状は次の通りです。形状もシンプルですし、ノングレア処理面を見ても凹凸が少ないです。実際の画面を見ても、ギラつきは少ないです。ただし、最近、フルHD以上の高解像度液晶を見慣れたせいか、画素が大きいためやや粒状感を感じます。
非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。
画面への映り込み
(2)フルHD(1920x1080)液晶のチェック
次にフル液晶についての特性をチェックします。筆者は見やすい液晶だと感じました。なお、今回搭載されていたパネルは、AUOのB140HAN01.2でした。
まず視野角ですが、IPS液晶であるため広いです。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、どの色も比較的直線です。色表現にクセがなく見やすい液晶だと思います。
色域は、ノートパソコンとしては広いです。
ガモット図
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素の形状は次の通りです。ノーマルな形状で、ノングレア処理面を見ても凹凸が少ないです。実際の画面を見ても、ギラつきは少ないです。
非光沢液晶であるため、画面への映り込みは低減されています。
画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
キーピッチの実測値は、約19x19mmです。キーストロークは約2mmあります。キートップは大きく湾曲しており、滑りにくい素材です。パームレストも広く、手を置きやすいです。キーボードは打ちやすいと思います。
ファンクションキーは(Edgeシリーズのように)マルチメディア仕様の割り当てになっています。ただし、「Fn」+「Esc」で通常の割り当てに戻すことが可能です。
キーボード全体図
キーの拡大図1
キーの拡大図2
タッチパッドは広くなり、"ジェスチャー操作"については使いやすくなったと思います。トラックポイント(赤い突起)も操作性は抜群です。
しかし、トラックポイント用クリックボタンが、タッチパッドと一体型となり使いづらくなりました。クリックしたときの音も"パカパカ"と大きめです。左右のボタンは慣れればそれほど気にならなくなりますが、真ん中のクリックボタンは、しばらく使ってみても押しにくいです。ThinkPad X240sと同じものを使っているため、詳細は、ThinkPad X240sのトラックポイントをご覧ください。
パフォーマンスのチェック
CPUはMシリーズのCore iプロセッサーを搭載し、4コアのCore i7も選択可能です。ストレージはSSDを選択できます。GeForce GT730Mを選択することも可能です。処理性能は比較的良いです。
2つの構成でのベンチマーク結果を、下記に掲載します(テスト時期が異なるため、ベンチマークのバージョンが異なる場合もあります)。
Windows エクスペリエンスインデックス
PassMark Performance Test 8.0
3DMark
PCMark 8
動画のエンコード時間
Core i7を選択すると、x264によるエンコード時間はかなり短縮されます。また、メモリ、ストレージも高性能であれば、さらにやや短くなります。
Core i5-4200M 4GBメモリ 500GB HDD 内蔵GPU |
Core i7-4800MQ 8GBメモリ 256GB SSD GeForce GT 730M |
|
---|---|---|
x264でエンコード | 27分08秒 | 14分38秒 |
クイック・シンク・ビデオでエンコード | 11分18秒 | 8分31秒 |
CUDAでのエンコード | - | 28分26秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
CrystalDiskMarkのベンチマーク
ゲームベンチマークのチェック
ThinkPad T440pは、GeForce GT 730Mを搭載することも可能です。
このときのゲームベンチマークスコアを下の表に掲載します。なお、グラフィックスドライバーバージョンは、執筆時点で最新の「335.23」です。ドライバーバージョンによってスコアが大きく変わる場合もあることを、ご了承ください。
低グラフィックス設定でならプレイできるゲームもありますが、やや中途半端なGPUであるため、個人的には搭載しないほうが良いと思います。ゲームをしたいなら、もっと高性能なグラフィックスを搭載したゲームノートPCの方が良いです。
製品名 | レノボ ThinkPad T440p | ||
基本スペック | Core i7-4800MQ GeForce GT 730M |
||
重めの ゲーム |
ロストプラネット 2(テストB) | 1920x1080 | RANK C(16.3fps) |
1280x720 | RANK C(25.4fps) | ||
ファイナルファンタジー XIV(旧) | 1920x1080 | 1283(動作困難) | |
1280x720 | 2490(やや重い) | ||
中程度の 重さの ゲーム |
ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼア キャラクター編 (標準品質 ノートPC) |
1920x1080 |
3928(快適) |
1280x720 | 7112(非常に快適) | ||
ファンタシースターオンライン2 ver.2 | 1920x1080 | 2409(標準) | |
1280x720 | 5981(快適) | ||
バイオハザード6 | 1920x1080 | RANK C(2002) | |
1280x720 | RANK B(3478) | ||
モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐) | 1920x1080 | 2276 | |
1280x720 | 4509 | ||
軽めの ゲーム |
ドラゴンクエストX(標準品質) | 1920x1080 | 5323(快適) |
1280x720 | 7873(とても快適) | ||
デビルメイクライ4 | 1920x1080 | RANK B | |
1280x720 | RANK S |
搭載されていたグラフィックスの詳細です。
本機搭載「GeForce GT 730M」の詳細
重量のチェック
重量のチェックです。
まずは、PC本体の重量です。今回、2つの構成のPCの重量を計測しています。バッテリーは6セル、ウルトラベイはDVDスーパーマルチドライブを搭載したときの重量です。表中の右側の構成は、GeForce GT 730Mを搭載しているものの、ストレージにHDDよりも軽いSSDを搭載しているため、総重量が軽くなっていると思われます。
6セルバッテリー DVDスーパーマルチドライブ |
|
---|---|
メモリ4GB(4GBx1) 500GB HDD 内蔵GPU HD+液晶 |
メモリ8GB(8GBx1) 256 SSD GeForce GT 730M フルHD液晶 |
2051g | 2019g |
次に、2つのバッテリー単体の重量の計測結果を掲載します。6セルではなく9セルにすると、152gほど重くなります。
6セルバッテリー |
9セルバッテリー |
---|---|
306g | 458g |
次に、各ウルトラベイ用ドライブの重量です。DVDスーパーマルチドライブからダミーカバーへ変更すると85gほど軽くなります。ハードドライブ・ベイアダプターIVは何もHDDを装着していないときの重量ですので、これにHDDを搭載すると、DVDスーパーマルチドライブよりも重くなると思われます。
ダミーカバー |
DVDスーパーマルチドライブ | ハードドライブ・ベイアダプターIV |
---|---|---|
36g | 121g | 65g(+HDDの重さ) |
最後に、ACアダプターの重量です。やや重いです。
ACアダプターの重量
カードリーダー/ライターのチェック
内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。
スロットは本体の左側面にあります。挿入後のカードの出っ張りはありません。
SDカード挿入後の外観
カードリーダー/ライターは高速です。