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HP ENVY 13(13-ad000、13-ad100)の実機レビュー

高級感ありつつお手頃価格
ENVY 13は、高級感のあるデザインで、スペックも十分でありながら、8万円台から購入可能な、コストパフォーマンスの高い13.3型モバイルノートパソコンです。
天板およびキーボード面がアルミニウム素材、底面がマグネシウム素材で、表面梨地処理が施されており、高級感のあるデザインです。
Core i プロセッサーに、IPSフルHD液晶、PCIe SSDを搭載しており、スペックは十分で、質量は約1.24kg、バッテリー駆動時間は約14時間と、モバイルPCとしての性能もまずまずです。
2017.10.22 第8世代CPUの各種計測結果を追記しました。
※レビュー機は、1台が当サイトの購入品、2台がメーカーからの貸出機です
目次
お忙しい方は、「1」の特徴のみお読みください。
1 ENVY 13の特徴 | |
2 主な仕様 | 3 液晶ディスプレイのチェック |
4 キーボードおよびタッチパッドのチェック | 5 パフォーマンスのチェック |
6 質量のチェック | 7 バッテリー駆動時間のチェック |
8 静音性のチェック | 9 パーツの温度のチェック |
10 表面温度のチェック | 11 消費電力のチェック |
12 外観のチェック | 12 まとめ |
ENVY 13の特徴
この性能・素材で、88,800円~
HP ENVY 13は、アルミニウムやマグネシウムなどの高級素材を用い、Core iプロセッサー、PCIe SSDの十分なスペックで、視野角の良いIPS液晶を搭載し、約1.24㎏と比較的軽量なボディです。
こういった構成の場合、15万円くらいの価格でもおかしくないですが、HP ENVY 13は最小構成なら88,800円(税抜)という安さで、非常に高コストパフォーマンスなモバイルノートPCです。
また、左右の液晶ベゼルが細く、今流行りのデザインとなっており、ボディも比較的コンパクトです。ちなみに、ベゼルが狭いモバイルノートPCの元祖と言えば、デルのXPS 13ですが、この機種とPC本体のサイズを比較すると横幅はほぼ一緒です。ただし、縦幅に関してはXPS 13のほうがやや短かったです。

キーボード面はアルミニウム素材

底面はマグネシウム素材

ナローベゼル(狭い液晶フレーム)
比較的長いバッテリー駆動時間
ENVY 13は、比較的多めのバッテリーを搭載しており、バッテリー駆動時間が、モバイルノートPCの中でも長めです。バッテリー駆動時間の長いPCは、質量が重いケースもありますが、ENVY 13は1.2kg台とまずまずの重さに抑えられています。
バッテリー駆動時間の詳細は「バッテリー駆動時間のチェック」をご覧ください。
性能が上がった第8世代インテルCoreプロセッサーを選択可能に!
ENVY 13は、第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載したモデルも、新たに登場しました。旧世代の第7世代インテルCoreプロセッサーと比べると約1.4倍はベンチマークスコアが伸びています。エンコードのような長時間かかる処理を行うような方は、第8世代インテルCoreプロセッサーをおすすめします。
ただし、Web閲覧、文書作成などの一般的にモバイルノートPCで行うような作業のみを行う方であれば、第7世代Coreプロセッサーでも良いと思います。
メモリはオンボードのシングルチャンネル
ENVY 13のメモリは、シングルチャンネルとなっています。デュアルチャンネルのメモリに比べて、処理速度がやや遅くなります。特に、CPU内蔵グラフィックスの処理性能が落ちます。ただし、ベンチマークなどを実行すると、違いが分かりますが、実際に使用しているときは、違いはほぼ分からないと思います。
タッチパッドはやや使いにくい
詳しくは後述しますが、個人的に、タッチパッドがやや使いにくいと感じます。詳細は「キーボードおよびタッチパッドのチェック」をご覧ください。個体差や個人差もあると思うので、気になるならモバイル用マウスの使用をおすすめします。
主な仕様
主な仕様は次の通りです。なお、第7世代インテルCoreプロセッサーを搭載したモデルは「ENVY 13-ad000」というシリーズ名となり、第8世代インテルCoreプロセッサーを搭載したモデルは「ENVY 13-ad100」というシリーズ名となります。
本製品の特徴的な部分は赤字にしています。※2017年10月20日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
ENVY 13-ad000 | ENVY 13-ad100 | |
---|---|---|
液晶 | 13.3型 FHD IPS 光沢 | |
CPU | Core i3-7100U Core i5-7200U |
Core i7-8550U |
メモリ | LPDDR3 4GB / 8GB (オンボード) |
LPDDR3 8GB (オンボード) |
グラフィックス | インテル HD グラフィックス 620 |
インテル UHD グラフィックス 620 |
ストレージ | 256GB SSD PCIe 512GB SSD PCIe |
512GB SSD PCIe |
バッテリー | 約14時間 (MobileMark 2014) |
約13時間 (MobileMark 2014) |
質量 | 約1.24kg | 約1.24kg |
薄さ | 14~16mm | 14~16mm |
今回は次の3種類の構成ベンチマークなどを計測しています。
- Core i3-7100U、メモリ4GB、256GB PCIe SSD
- Core i5-7200U、メモリ8GB、512GB PCIe SSD
- Core i7-8550U、メモリ8GB、512GB PCIe SSD
液晶ディスプレイのチェック
ENVY 13の液晶ディスプレイのチェックです。
最大輝度は、当サイトによる計測では323 cd/m2でした。比較的明るいです。
広い視野角です。斜めから見ても色合いの変化が少ないです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、若干明部が暗めに調整されていますが、どの色もずれが少なく、自然は発色となっています。
色域はノートパソコンとしては、やや広めです。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
光沢液晶であるため、画面への映り込みがあります。

画面への映り込み
キーボードおよびタッチパッドのチェック
ENVY 13のキーボードとタッチパッドのチェックです。
メーカーのスペック表を確認すると、キーピッチは18.6x18.6mm、キーストロークは約1.8mmとなっています。キーピッチは十分な広さです。ただ、キーストロークは、筆者が実際に測ると、1.0~1.2mmくらいしかありません。ただ、押し心地は普通だと思います。
キー配列は、「Home」、「Pg Up」などのキーが右端にあるのが気になります。このせいで、通常右端にある「Enter」キーや「BackSpace」がタイプミスしやすいです。「Enter」キーは通常よりも大きいのでまだマシですが、「BackSpace」キーが割とタイプミスしやすいです(個人差あります)。
また、パームレストがやや小さく、手の大きい筆者だと、パームレストから手の平がはみ出ます。

キーボード全体図

キーの拡大図1

キーの拡大図2

キーの拡大図3

キーの拡大図4
キーボードバックライトを搭載しています。なお、明るさに段階はなく、ONかOFFのどちらかのみとなっています。

バックライトキーボード
実際にPCを操作していて気になったがタッチパッドです。
クリックボタンを押してから、センサーに到達するまで、車のクラッチのような遊びがあります。クリックボタンを押すと、センサーに届くと1回「カチッ」と音が鳴り、さらに押し込むと「カチッ」というクリック音がまた鳴るようになっており、1クリックするたびに2回音が鳴るので気になります(下の動画参照)。また、この影響と、タッチパッドとクリックボタンが一体になっていることから、クリックするときにマウスカーソルが少しズレることがあります。また、ファイルなどをドラッグする操作(左クリックをしながらマウスを移動させる操作)をすると、途中でドラッグが解除されてしまい、ファイルが意図しないところへ移動されることもありました。
タッチパッドのクリックボタンを押したときの様子(1クリックすると2回音が鳴る)
ただ、個体差もあるようです。今回3台のPCでレビューをしていますが、そのうち1台は2回クリック音が鳴る件について、それほど気にならず、2台はドラッグ操作のミスが起こりません。
また、慣れてくると、この場所をクリックすると、クリック音が2回鳴りにくいとか、マウスカーソルが動きにくいとかが分かってくるので、なんとかなるレベルだと思います。また、指や部屋が乾燥していると操作しにくい面がありますが、指が湿っていたり部屋の湿度が高いと、誤動作しにくくなるようです。
もし、気になるようでしたら、モバイル用のマウスを購入しておくのも良いと思います。HP ENVY 13の購入画面で、以下のようなBluetoothマウスやワイヤレスマウスを購入できます。なお、BluetoothマウスのほうがUSBポートを1つ塞がないので便利ですが、電池の持ちは悪いです。一方、ワイヤレスマウスは、電池の持ちがいいですが、アダプターをUSBポートに接続しなくてはなりません。

Z5000 Bluetoothマウス

Z3700ワイヤレスマウス
パフォーマンスのチェック
ENVY 13のパフォーマンスのチェックです。
CPU
本製品は、標準的な性能の「Uシリーズ」のCoreプロセッサーを搭載しています。第7世代のCore i3とCore i5が選択可能でしたが、新たに第8世代のCore i7も選択できるようになりました。
編集系の作業をするならCore i7-8550Uを、ネット閲覧やOffice作業をするならCore i5-7200U、価格を抑えるならCore i3-7100Uが良いと思います。

CPUの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
ストレージ
ストレージには高速なPCIe SSDを搭載しています。多くの作業が快適でしょう。

ストレージの選び方(筆者の独自判断)
※灰色のバーのパーツは、本製品では選択できません
HP ENVY 13で計測したベンチマーク
以下、本機でのベンチマークスコアです。
なお、CINEBENCH R15は、Core i5-8250Uでのみ計測しています。
(CPU性能の評価)

【第8世代CPU】Core i5-8250U
(CPU性能の評価)

Core i3-7100U

Core i5-7200U

【第8世代CPU】Core i7-8550U
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)

Core i3-7100U、インテル HD グラフィックス 620

Core i5-7200U、インテル HD グラフィックス 620

【第8世代CPU】Core i7-8550U、インテル UHD グラフィックス 620
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i3-7100U | Core i5-7200U | 【第8世代CPU】 Core i7-8550U |
|
---|---|---|---|
x265でエンコード (※1) | 53分29秒 | 48分24秒 | 30分10秒 |
NVENCでエンコード (※2) | ― | ― | ― |
QSVでエンコード (※3) | 5分01秒 | 4分49秒 | 3分40秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)

256GB SSD

512GB SSD
質量のチェック
ENVY 13の質量のチェックです。
メーカー仕様表を確認すると、「約1.24kg」となっています。
当サイトによる計測値は下図の通りで、PC本体のみで1.235kgと、ほぼ仕様通りです。最近は1kg以下や1kgちょっとのモバイルノートパソコンが多くなってきており、これらと比べると重いですが、モバイルノートパソコン全体で見ると、やや軽量な部類かなと思います。
ACアダプターは、281gと普通の重さです。電源ケーブルが太くて重いため、HP Spectre x2のようにウォールマウントプラグが付属していたら良かったとも思います。

質量の実測結果
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間のチェックです。
バッテリー容量は53.61Whとなっています。モバイルノートPCの中には70Wh台の製品もありますが、一般的には40Wh台のモバイルノートPCが多いため、本製品は比較的多いバッテリー容量であるといえます。
バッテリー駆動時間は、メーカーサイトには約14時間(MobileMark 2014にて計測)と書かれています。当サイトの計測によるバッテリー駆動時間は下表の通りです。一般的なモバイルノートPCに比べて、比較的長い駆動時間です。
また、Core i7のモデルよりCore i5のモデル、さらにCore i5のモデルよりもCore i3のモデルのほうがバッテリー駆動時間は長くなります。CPU性能は落ちてしまいますが、バッテリー駆動時間を長くするためにあえてCore i3のモデルを選ぶのも良いと思います。
Core i3-7100U | Core i5-7200U | Core i7-8550U | |
---|---|---|---|
PCMark 8 Home テスト ※1 | 7時間01分 | 5時間55分 | 5時間24分 |
PCMark 8 Work テスト ※2 | 9時間15分 | 7時間56分 | 6時間27分 |
動画再生時 ※3 | 9時間51分 | 9時間24分 | 8時間51分 |
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
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