キヤノン ピクサス MG6230の実機レビュー

キヤノンの売れ筋No.1複合機
キヤノン ピクサス シリーズの中で最も売れ筋の複合機、MG6230の実機レビューです。
本機は、マゼンダ、シアン、イエローの基本色に加えて、グレーのインクを搭載しているのが特徴です。グレーは、基本色だけでは苦手な低彩度のカラーや、モノクロ階調を正確に再現でき、写真印刷が綺麗です。
さらに、黒色顔料インクを搭載し、テキスト文字もにじみが少なく、文書印刷も綺麗です。また標準で両面印刷が可能であり、文書を大量に印刷する方は、用紙代を節約できます。
昨年モデルのMG6130と比較すると、ほとんど変化はありません。わずかなデザイン変更と、ECOボタンの追加、サイレントモードボタンの場所変更、オンラインフォトアルバムからのダイレクトプリント機能追加など、些細な点が変わっただけです。昨年と同様に、デザイン、操作性、印刷の綺麗さなど非常に優れた複合機ですので、買って損はしない1台です。
特徴1 - スマホ等からプリントが可能
スマートフォンなどからダイレクトプリント
MG6230は、iPhoneやAndroidスマートフォン、iPad、Androidタブレットなどから直接印刷可能です。
App StoreまたはAndroidマーケットから「Easy-PhotoPrint」というアプリをダウンロード&インストールすれば、無線LANを経由して直接印刷することが可能です。
Androidスマートフォンで試してみましたが、簡単な操作で印刷することができました。
特徴2 - スキャンデータをスマホ等で受け取り
スキャンデータをダイレクト保存
MG6230は、スキャナで読み取ったデータを、直接スマートフォン等へ保存することが可能です。保存形式は、JPEGまたはPDFとなります。
雑誌から数ページをスキャンしたい場合などに便利です。
ただ、本機はADF(自動原稿読み取り装置)を搭載していないので、手動で1ページ1ページスキャナ台へ載せてスキャンする必要はあります。電子書籍を自炊する場合など、大量の用紙をスキャンするときは、ADF機能がついて読み取り速度も速いScanSnapなどの専用スキャナのほうが良いでしょう。
特徴3 - グレーのインクで色に深みが!
MG6230は、「グレー」のインクを搭載しているのが特徴です。グレーのインクを搭載していることで、通常のプリンタでは制限が難しい色も、正確にプリントすることが可能となります。尚、インクの構成は、染料インクのシアン、マゼンダ、イエロー、グレー、ブラック、および顔料インクのブラックとなっています。
プリンターが苦手な低彩度のカラー写真を印刷してみても正確に再現できています。また、夜景の画像を印刷してみても、他のメーカーのプリンターでは黒つぶれしてしまうような部分でも、MG6230なら綺麗に印刷できています。
プリンターが苦手な薄いカラーも正確に再現
夜景の写真も奥深い色も表現
特徴4 - 顔料インクで文書印刷が綺麗
MG6230は黒に顔料インクを使用しているため、文書の印刷がとても綺麗です。
下の図が、MG6230で印刷したWordの文書です。インクジェットプリンタにしては、黒色がそれほどにじまずに、比較的クッキリと見えます。また、文字の形状も画面で見るフォントに限りなく近いです。さすがにレーザープリンタほどではありませんが、それに近いクッキリした印字です。
テキスト文字もクッキリ印刷
(プリント後、スキャナで読み取っている影響で、文字がややぼやけていますが、
実際のプリント文字はもっとクッキリしています)
特徴5 - 分かりやすい操作ボタン
MG6230は、昨年モデルから搭載している「インテリジェントタッチシステム」を引き続き採用しています。次に操作できるボタンのみ光るので、本体からの操作性がグンと上がっています。
実際使ってみても、かなり使いやすいです。「次はこのボタンかな?」というのが感覚でわかります。また液晶内のアイコン画像も綺麗です。
「インテリジェントタッチシステム」のデモ動画
(旧モデルのMG6130の動画ですが、基本的な操作方法は変わりありません)
CANONの実験でも、「インテリジェントタッチシステム」の採用で、下図のように視線の動きや注視点が最小限になったことが実証されたそうです。
HOME画面での視線の動き HOME画面での注視点
左図:インテリジェントタッチシステム有り 左図:インテリジェントタッチシステム有り
右図:インテリジェントタッチシステム無し 右図:インテリジェントタッチシステム無し
特徴6 - 3つの機能で節約&ECO
MG6230は、L判1枚あたりのインク・用紙代が19.2円と、他のプリンターよりも安いです。また、他にも次のような機能によって、節約が可能です。
両面印刷でお金を節約!
両面印刷設定画面
MG6230は両面印刷ができるため、用紙代を節約できます。
ちなみにEPSONのプリンタはオプション製品を別途購入しなければならず、しかも背面が出っ張ってしまいます。そのため両面印刷をよくするならEPSONよりもCANONのプリンタがおすすめです。
尚、インクジェット機で両面印刷する場合、表面を印刷した後、数秒待って(乾かして)から、裏面が印刷されます。実測では、表面を印刷後、約15秒後に裏面の印刷が開始されます。
両面印刷するときは、右図のように印刷設定画面で設定しますが、本体のメニュー画面から設定することも可能です。本体から設定した場合、指定した全てのプリントが両面印刷されるため便利です。
本体の操作パネルから、ECO設定(両面印刷設定)などを実施可能
必要な部分のみ印刷してお金を節約!
付属してくるEasy WebPrint EXというソフトを使えば、Webページの必要な部分のみを印刷できます。 例えば、イベント会場へのアクセス方法の部分だけ印刷したい場合に、このEasy WebPrint EX を使えば、自分がマウスで選択した部分のみ印刷することができます。 無駄な部分の印刷を省けるため、用紙代やインク代を節約することができます。
ただし、FireFoxやChromeのようなIE以外のブラウザには対応していません。また、2011.9.12時点では、IE8までにしか対応しておらず、IE9には対応していないようです。
Easy WebPrint EXで、Webページを選択印刷
割付け印刷でお金を節約!
割り付け印刷可能
MG6230は、1枚の用紙に、複数のページを縮小して割り付けて印刷/コピーすることができます。
インクジェットプリンタにしては珍しく、最大16ページを1枚の用紙に割り付けて印刷することができます。
また、写真印刷ならインデックスプリント(最大80ページ)することもできます。
このように割り付けて印刷/コピーすると、インク代と用紙代を節約することができます。
特徴7 - オンラインフォトアルバム等のデータをダイレクトプリント
プリンターの操作画面から、オンラインフォトアルバムのデータを印刷することも可能です。ただし、今のところ、CANON IMAGE GATEWAYまたは、Picasaにしか対応していないようです。

オンラインフォトアルバムのデータも印刷可能
特徴8 - プリント時などの稼働音を低減するサイレントモード
プリント時の稼働音を低減する「サイレントモード」を搭載しています。
紙を送るスピードが遅くなり、A4サイズの印刷はわりと静かになります。振動も少なくなるので、足の細い机の上に置く場合などに良いでしょう。ただし、L判サイズの印刷は、騒音も振動もそれほど大きくは違いませんでした。
サイレントモードを有効にすると、やや印字スピードが遅くなります。私の実測では、1枚あたりA4サイズは約10秒、L判サイズは2秒ほど、通常時よりも遅くなります。

稼働音を低減するサイレントモード機能搭載
もちろんスキャンやコピーもできる
写真の焼き増しコピーも可能
本機は、スキャンもコピーもできる複合機です。
雑誌をコピーしたり、スキャンしてパソコンに取り込んで加工したりすることができます。
特に便利なのが、プリント済みの写真を焼き増し印刷する機能です。
操作方法は、プリント済みの写真を、スキャナ台へ置き、印刷するだけです。誰でも簡単にできます。右図のように4枚の写真をスキャナ台に置いて一斉にスキャンすることもできます。写真をやや斜めに置いても、スキャナが自動で判別し正しく焼き増ししてくれます。
この焼き増し機能で、古い写真を新しい用紙で印刷し直したり、昔とった写真を補正して印刷しなおしたりすることができます。
もちろん無線/有線LAN対応
従来のプリンタは、USBケーブルなどでパソコンに接続し印刷していました。しかし、この方法では1台のパソコンからしか印刷できませんし、スマートフォンやタブレット端末から印刷することもできません。そのため最近では多くの家庭用プリンターに無線/有線LAN機能が搭載されるようになり、ネットワーク経由で複数のデバイスから印刷ができるようになりました。
本機も、無線/有線LANが搭載されており、複数のパソコンやスマートフォンから印刷することができます。無線LANの設定は、バッファローのAOSS、コレガのらくらく無線スタート、業界標準のWPSに対応しているので簡単です。
印刷スピードのチェック
L判の写真と、A4の文書の印刷スピードを計測してみた結果は次の通りです。
用紙サイズ | 1枚あたりの印刷スピード |
---|---|
L判(写真印刷) | 18秒 |
A4用紙(文書印刷) | 6秒 |
印刷速度は速いほうです。尚、スタートボタンを押した後、1枚目が印刷されるまでは少し時間がかかります。ただし2枚目以降は上の表の速度で印刷できます。 スタートボタンを押してから1枚目の印刷が終わるまでの印刷スピードは、10~40秒かかることが多いです。
給紙トレイのチェック
A4は前面給紙、L判は背面給紙
A4用紙は、前面の給紙トレイに入れることができます。 前面給紙の良いところは、ゴミが入りづらい点です。
ただし、ハガキやL判写真を印刷するときは、背面から給紙する必要があります。
昔はL判用紙なども前面から給紙できるようにしていた時期があったそうですが、写真などはそれほど頻繁に印刷するものではないので、背面給紙に変えたそうです。
CD/DVDレーベル印刷のチェック
下の図のように、パソコン上から写真を選びイラストを挿入してCD/DVDレーベル印刷をすることができます。また、パソコンを使わなくても、写真が保存してあるSDカードなどをプリンタに挿入し、プリンタの操作画面から印刷することも可能です。
CD/DVDをセットするときは、本体とは分離した専用トレイを使用します。その専用トレイを無くしそうなのがやや不安です。
外観のチェック
昨年大幅なデザインの変更が行われましたが、今年は微妙な違いはあるものの、ほとんど昨年のデザインを継承しています。
黒に深みがあり、素直にかっこいいです。液晶テレビやパソコンなど、光沢のあるブラックのデザインが多いため、統一感が生まれて良いと思います。
尚、本体に塗装はしておらず、一発で表面成型しているそうです。そのため色がはがれることなくいつまでも綺麗なままです。旧モデルではシルバーもありましたが、こちらはブラックの本体の上から塗装をしていたそうです。今年はシルバーはなくなりましたが、新色のホワイトブロンズも、塗装していると思われます。個人的には下の図のブラックモデルがおすすめです。
背面給紙トレイと、排紙トレイを開いたときの画像です(下図)。排紙トレイは、印刷時に自動で開きます。A4サイズの用紙でも、排紙トレイから落ちることがありません。
液晶パネルの拡大図です。アイコンが大きく見やすいです。
メモリカードスロットは左の前面にあります。通常時はカバーをしているため、ゴミなどが入りづらくなっています。
下の図はスキャナ台に雑誌を置いていますが、後方のヒンジ部分が延びるような構造になっており、厚い雑誌でも挟んでスキャンできるようになっています。
背面の図です。本体を壁にくっつけても、電源ケーブルが邪魔にならないように工夫されています。
まとめ
以上が、CANON PIXUS MG6230の実機レビューでした。家庭用複合機としては、かなり完成された製品だと思います。
最後に、MG6230 の主なメリットをまとめます。
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