ThinkPad X1 Carbon 2017と2016の比較
2017年1月3日、レノボより、ThinkPad X1 Carbonの新モデル(2017モデル、Gen5)が発表、そしてついに、2017年2月8日、販売が開始されました(法人向け受注は2月8日、Web販売は2月10日から販売開始)。
筆者も販売開始後すぐに注文しましたが、日本語キーボードの在庫が少ないらしくまだ到着していません。そんな中、2017年3月17日に、レノボ新製品のタッチ&トライが開催され、ThinkPad X1 Carbonの展示機を確認することができました。レノボ担当者から今までのX1 Carbonとの相違点についての説明もあったため、そのあたりを交えて、旧モデルから何が進化したのかを紹介したいと思います。
※2017年3月30日、購入した実機が届いたので、一部加筆・修正しました。【実機レビューはこちら】
流行りの狭額フレーム採用
ThinkPad X1 Carbonは最近流行りの狭額フレームを採用し、横幅と奥行のサイズが、それぞれ1cmほど短くなりました。X1 CarbonはモバイルノートPCにしては大きな14型クラスPCであるため、少しでも横幅と奥行が短くなると、カバンに入れやすくなったり、新幹線や飛行機の背面テーブルで使いやすくなったりします。また、横のベゼル幅が狭くなったことで、見た目もスタイリッシュです。


2017モデルは狭額フレーム
狭額フレームでもWebカメラは液晶上部に配置
狭額フレームを採用したPCは、Webカメラが液晶の下の部分に配置されるケースがありますが、これだと下から顔を見上げるような映像になってしまいます。一方、ThinkPad X1 Carbon 2017モデルは、液晶上部に配置されており、顔を正面から見た映像が映し出されます。さりげない配慮です。
また、そのうち赤外線カメラを選択できるようになる予定で、このカメラを選択するとWindows Helloによる顔認証が可能となります。

Webカメラは液晶上部に配置
ボディサイズもコンパクトに
狭額フレームを採用することで、ボディサイズも小さくなりました。14型液晶を搭載しつつ、ボディは13型クラスとなっています。従来モデルと比較しても、一回り小さくなっていることが確認できます(下図参照)。


ボディサイズの比較
バッテリー容量も増えた
バッテリー容量も増えています。
2016モデルは52Whであったのに対し、2017モデルは57Whになっています。

バッテリー容量の比較
さらにCPUも第7世代になったことで、バッテリー駆動時間も下表のように伸びています(当サイトによる計測値)。
2017モデル | 2016モデル | |
---|---|---|
FHD液晶 Core i5-7200U |
FHD液晶 Core i5-6200U |
|
動画再生時 ※1 | 12時間24分 | 8時間16分 |
PCMark 8 Home ※2 | 6時間57分 | 5時間37分 |
PCMark 8 Work ※3 | 8時間50分 | 6時間49分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
静音化されたクリックパッド
クリックパッドも進化し、クリック音が大幅に低減されています。
実際に押してみると確かに静かでした。ややクリックボタンのストロークが浅くなったように感じましたが、レノボの方が言うには、ストロークの深さは同じだそうです。音が小さくなったことで若干クリック感が足りない気もしましたが、慣れる範囲だと思います。


静音化されたクリックパッド
質感は昔のThinkPad X1 Carbonに近い
ボディの質感も若干変わっています。2016モデルはややツルツルした質感でしたが、2017モデルはややマットな質感になり、昔のThinkPad X1 Carbonの質感に近くなっています。ThinkPadユーザーから前の質感が良かったとの意見が多く、戻したようです。

質感は昔に戻った
USB Type-C/Thunderbolt 3ポートが追加
ThinkPad X1 Carbon 2017ではUSB Type-C/Thunderbolt 3ポートが追加されています。
また、アダプターが必要になりますが一応LANポートも追加されました(直接LANケーブルを挿すことはできないので、あまり意味がない気もします)。
miniDisplayPortとLenovo OneLink+は無くなりましたが、どちらもUSB Type-C/Thunderbolt 3で代用できます。
少し気になったのが、排気口が右側面に配置された点です。マウスを使っているときに排気の熱が手に当たりそうです。やや背面側(体から遠い位置)に配置されてますし、モバイルPCで大きな負荷をかけることも少ないと思うので大丈夫だとは思いますが、やや気になりました。後日実機が届いたら試してみます。
また、従来モデルと変わらずメモリカードスロットはmicro SDです。通常サイズのSDカードは挿入できないのでカメラユーザーはご注意ください。


ポートの比較
ThinkPad Thunderbolt 3 ドックが使える
ThinkPad X1 Carbon 2017はLenovo OneLink+ポートが無くなって、「ThinkPad OneLink+ ドック」が使えなくなった代わりに、「ThinkPad Thunderbolt 3 ドック」が使えるようになっています。このドックの1本のケーブルをPCに接続すれば、ドックにつながる周辺機器の接続と、PCの充電が可能になります。このドックはまだ発売されていませんが、近々発売するようです。

ThinkPad Thunderbolt 3 ドック(後日発売)が使える
LTEモジュールを選択可能に
個人的に大きな変化がLTEモジュールを選択できるようになったことです。
ちなみに、SIMサイズはmicro SIMだそうです。なお、2017年2月に、レノボからLTE対応パソコンがいくつか発売されましたが、ThinkPad X1 "Tablet"のみnano SIMで、他はmicro SIMだそうです。

LTEに対応
ThinkPadキーボードの変更点
ThinkPad X1 Carbon 2017は、キーボード配列も若干変わっています。
変わったのは下図の黄色い枠のキーです。


動作が変わったキー
F10を押したとき
まずF10キーですが、従来はCortanaの呼び出しボタンでしたが、2017モデルではBluetoothのオン/オフのキーになりました。

F10を押すとBluetoothのオン/オフが可能
F11を押したとき
F11キーを押したときは、Lenovo Settingsのアプリが起動されるようになりました。
Lenovo Settingsからは、下図のように、ユーザー定義キーの設定、トラックポイントの速度などの設定、ファンクションキー機能の切り替え、FnキーとCtrlキーの入れ替えなどができます。BIOSなどを開かなくても設定できるため便利です。






F11を押すと以上のようにキーボードの設定が可能
F12を押したとき
上のLenovo Settingsのアプリで、ユーザー定義キーを設定すると、F12キーを押すだけで任意の動作を実行することが可能です。具体的には、アプリやファイルを起動させたり、設定したURLのWebサイトを開いたり、設定した文字列を入力したりすることが可能です。




F12を押すとユーザーが定義した操作を実行可能
※設定内容などは筆者がサンプルで設定したもの
Fn + PrtScを押したとき
Fn + PrtScを押すと、「Snipping Tool」が起動するようにもなりました。

Fn+PrtScで「Snipping Tool」が起動
エラー音からエラー内容を特定可能に
こちらは一般ユーザーはあまり使うことはない機能ですが、エラー音からエラー内容を特定することが可能になりました。法人の情シス管理者などは便利だと思います。
手順は下図の通りです。

エラー音からエラー内容を特定可能に
仕様の比較
ThinkPad X1 Carbon 2017と2016の仕様をまとめます。
CPUは第7世代のインテルCore プロセッサーになります。重量はやや軽くなりましたが、わずかな差です。カラーはシルバーが追加されましたが、現在はまだ選択できません。また、WQHD液晶もまだ選択できません。
ThinkPad X1 Carbon 2017 | ThinkPad X1 Carbon 2016 | |
---|---|---|
カラー | ブラック、シルバー | ブラック |
液晶 | 14.0型 WQHD IPS 14.0型 FHD IPS |
14.0型 WQHD IPS 14.0型 FHD IPS |
プロセッサー | 第7世代インテルCore プロセッサー | 第6世代インテルCore プロセッサー |
メモリ | 最大16GB (LPDDR3) | 最大16GB (LPDDR3) |
ストレージ | 最大 PCIe NVMe SSD | 最大 PCIe NVMe SSD |
LTE | 対応 | 非対応 |
ポート | USB 3.1Type-C (Thunderbolt 3) ×2 USB 3.0 ×2 HDMI microSD microSIM LAN(アダプタ使用) |
Powered USB 3.0 ×1 USB 3.0 ×2 HDMI miniDisplayPort microSD Lenovo OneLink+ |
バッテリー駆動時間 | こちらのページでは 最大 約15時間(JEITA2.0) メーカーのページによって、やや 駆動時間の記載は異なります。 |
最大 約9.8時間(JEITA2.0計測) |
質量 | 約 1.13kg~ メーカーのページによって、やや 質量の記載は異なります。 |
約 1.18kg~ |
横幅 x奥行 | 323.5mm x 217.1mm | 333mm x 229mm |
薄さ | 15.95 mm | 14.95-16.45 mm |
外観画像
最後に外観の画像を掲載します。
英語キーボードです。
天板です。
ヒンジ幅は、従来モデルよりもやや狭くなっています。
液晶はかなり開きます。
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実機レビュー記事:ThinkPad X1 Carbon 2017モデルのレビュー |
メーカーサイト: |
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関連ページ(外部リンク)
レノボ・ショッピング ThinkPad X1 Carbon 2017 情報ページ
Lenovo Shows How “Different Innovates Better” at CES 2017
Specs for the ThinkPad X1 Carbon(PDF)