HP Pavilion Notebook PC dv7/CTの評価レビュー
このページは、2010年夏モデルの記事です。
現行の2011年春モデルと本体のデザインは変わっていませんが、搭載でいるパーツは変わっています。
また、dv7-5000/CTという新CPUを搭載可能な機種が発売されました。こちらの機種のほうがおすすめです。

HP Pavilion Notebook PC dv7/CT(以下、HP dv7)の特徴は、SSDとハードディスクを2台搭載できる点にあります。
OSはSSDにインストールされているためOSの起動やアプリケーションの起動が速いです。
さらにハードディスクを搭載しているため、大容量のファイルを保存することができます。システムやデータのバックアップをハードディスクに保存するのも良いですね。SSDが故障しても、新しいSSDに交換後、ハードディスクからシステムやデータを復元できます。
HP dv7の基本スペックをチェック
まずは、HP dv7の基本スペックをチェックします。ただし、2010年7月21日現在の情報です。
![]() CPU CPUは、Core i5-450M ~ Core i7-840QMまで選択可能です。本機は、Core i7-840QMのCPUを搭載しています。 メモリ 2~8GBまで選択可能です。今回搭載しているはメモリ8GBです。規格はPC3-10600です。 グラフィック グラフィックスは、ATI Mobility Radeon HD 5650 を搭載しています。変更はできません。 ストレージ ストレージは、HDD1本、またはHDD2本、またはSSD+HDDのいずれかを選べます。今回はSDD+HDDを搭載しています。この機種を買うなら、SSD+HDDがおすすめです。尚、SSDはIntel ST9599420ASでした。HDDは7200rpm、キャッシュ16MBの製品でした。 |
ここがすごい! - OS、アプリの起動チェック
このパソコンの特徴は、SSDとハードディスクを2台搭載できる点にあります。 SSDを搭載しているということで、OSの起動時間と、アプリケーションの起動時間が気になると思います。そこで、時間を計測しました。また比較のために、普通のハードディスクを搭載したThinkPad L512も計測しました。
OSの起動時間はフリーソフトの「PassMark Rebooter」を用いました。ただし、このソフトは再起動時間を計測するソフトなので、今回はOS再起動の時間を計測しています。5回再起動を繰り返し、その平均値を求めました。アプリケーションの起動時間は、「PassMark AppTimer」を用いました。こちらも5回計測して平均値を求めています。またPassMark AppTimerは一度実行する毎に、メモリを解放するため再起動しています。結果は次の表の通りです。
HP dv7のほうがOS再起動時間も、アプリケーションの起動時間も速かったです。約2分の1の時間で起動することができました。さすがSSD効果です。
製品名 | HP Pavilion Notebook PC dv7/CT | レノボ ThinkPad L512 |
基本スペック | Core i7-840QM SSD |
Core i3-330M ハードディスク |
OS再起動時間 | 38秒 | 1分00秒 |
アプリケーション(Adobe Reader)の起動時間 | 1.0475秒 | 2.3364秒 |
HP QuickWebは無効にしても良い
尚、HP dv7は電源ボタンを押すと、OSが起動する前に、HP QuickWeb(splashtop)が起動します。 これはOSを起動しなくても、Web閲覧や音楽再生程度なら操作できる機能で、電源ボタンを押してから約10秒で起動します。 HP QuickWebの画面は次の通りです。この画面が表示され、何も操作しないと15秒後にやっとOSの起動が始まります。
HP QuickWeb(splashtop)
しかし、SSDを搭載した場合のHP dv7はOSの起動そのものが速いので、個人的にHP QuickWebは必要ないと思います。もし、HP QuickWebを無効にしたい場合は、電源ボタンを押した後、「ESC」ボタンを押してBIOSを起動します。「System Configuration」→「Boot Options」を選択し、「HP QuickWeb」の項目を、Disabledにします。これで次回から、HP QuickWebは起動しなくなります。
ここがすごい! - 17.3型の大画面
HP dv7は、画面の大きさも特徴の1つです。画面サイズが17.3型ワイドで、解像度は1600x900と高いです。 一般的なノートパソコン(15.6型)の解像度は1366x768なので、HP dv7は画面を広く使えます。下にYahooを起動したときの画面を掲載します。

パフォーマンスのチェック - 平均的に高スコア
HP dv7のパフォーマンスをチェックします。結果は、すべての項目でノートパソコンにしては高いスコアがでました。 特にハードディスクの項目のスコアが高かったです。SSDの恩恵です。
ただし、HPのデスクトップパソコンより、CPUやグラフィックスの性能は悪いです。 ノートパソコン以上、デスクトップパソコン以下という性能です。 ノートパソコンの性能では満足できないが、デスクトップを置くスペースがない人に良いでしょう。
Windows エクスペリエンス インデックス
Windows エクスペリエンス インデックスは次の通りです。平均的に高いスコアです。特にプライマリ ハードディスクのスコアは非常に高いです。
下の表は、HPのデスクトップパソコンとのWindowsエクスペリエンス インデックスの比較です。デスクトップパソコンは比較的高性能なCPUとグラフィックボードを搭載しているため、この2つのスコアは負けましたが、プライマリハードディスクのスコアは、HP dv7のほうが高かったです。
製品名 | HP Pavilion Notebook PC dv7/CT | HP Pavilion Desktop PC HPE-280jp/CT |
HP Pavilion Desktop PC s5450jp/CT |
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基本スペック | Core i7-840QM Mobility Radeon HD 5650 |
Core i7-870 GeForce GTX260 |
Core i7-870 GeForce GT320 |
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Windows エクスペリエンス インデックス | プロセッサ | 6.8 | 7.5 | 7.5 |
メモリ(RAM) | 7.4 | 7.5 | 7.5 | |
グラフィックス | 6.7 | 7.1 | 5.6 | |
ゲーム用グラフィックス | 6.7 | 7.1 | 6.5 | |
プライマリハードディスク | 7.7 | 5.9 | 5.9 |
ジャンルの似たパソコンが他にないので、あまり比較にならないかもしれませんが、他のノートパソコンと比較してみました。HP dv7は、どの項目も圧倒的に高いスコアです。
製品名 | HP Pavilion Notebook PC dv7/CT | レノボ ThinkPad L512 |
パナソニック レッツノート S9 | |
基本スペック | Core i7-840QM Mobility Radeon HD 5650 |
Core i3-330M |
Core i5-520M |
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Windows エクスペリエンス インデックス | プロセッサ | 6.8 | 5.9 | 6.5 |
メモリ(RAM) | 7.4 | 5.5 | 7.1 | |
グラフィックス | 6.7 | 4.0 | 4.4 | |
ゲーム用グラフィックス | 6.7 | 4.9 | 5.2 | |
プライマリハードディスク | 7.7 | 5.8 | 5.5 |
PassMark Performance Test ベンチ
次は、PassMark Performance Testのベンチマーク結果です。こちらも、高性能デスクトップパソコンより、ディスク点数が非常に高いです。
製品名 | HP Pavilion Notebook PC dv7/CT | HP Pavilion Desktop PC HPE-280jp/CT |
HP Pavilion Desktop PC s5450jp/CT |
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基本スペック | Core i7-840QM Mobility Radeon HD 5650 |
Core i7-870 GeForce GTX260 |
Core i7-870 GeForce GT320 |
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PassMark Performance Test | CPU評価点 | 3096.4 | 4883.0 | 4883.9 |
2Dグラフィック点数 | 218.7 | 478.4 | 404.4 | |
メモリ点数 | 605.4 | 956.9 | 987.9 | |
ディスク点数 | 1568.7 | 492.8 | 449.9 | |
CD点数 | 192.5 | 333.5 | 341.2 | |
3Dグラフィック点数 | 788.4 | 952.6 | 561.1 | |
パスマーク評価(完全な結果) | 1401.3 | 1800.5 | 1741.1 |
CrystalMark 2004R3 ベンチ
次は、CrystallMark 2004R3のベンチマークの結果です。こちらも、高性能デスクトップパソコンより、HDDのスコアが高いです。
製品名 | HP Pavilion Notebook PC dv7/CT | HP Pavilion Desktop PC HPE-280jp/CT |
HP Pavilion Desktop PC s5450jp/CT |
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基本スペック | Core i7-840QM Mobility Radeon HD 5650 |
Core i7-870 GeForce GTX260 |
Core i7-870 GeForce GT320 |
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CrystalMark 2004R3 | Mark | 159844 | 211598 | 203601 |
ALU(CPU性能) | 33073 | 54153 | 50069 | |
FPU(CPU性能) | 32708 | 53101 | 49125 | |
MEM(メモリ性能) | 34632 | 43238 | 42416 | |
HDD(ハードディスク性能) | 27715 | 14762 | 13488 | |
GDI(2Dグラフィック性能) | 8502 | 15544 | 15475 | |
D2D(2Dグラフィック性能) | 2579 | 7836 | 7265 | |
OGL(3Dグラフィック性能) | 20635 | 23964 | 25763 |
ゲームは? - ギリギリ動く
ゲームがどこまで動くか確認してみました。今回は液晶解像度が1600x900だったので、ベンチマークは1280x720で実施しています。そのため、1920x1080(フルHD)のスコアよりも良くなるのでご注意ください。1280x720の解像度だったらギリギリでゲームをできそうです。
製品名 | HP Pavilion Notebook PC dv7/CT | |
基本スペック | Core i7-840QM Mobility Radeon HD 5650 |
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THE LAST REMNANT | 1280x720 | 46.99 |
ファイナルファンタジー XI | Low | 9265 |
デビルメイクライ4 | 1280x720 | RANK A |
バイオハザード5 | 1280x720 | RANK B |
Average FPS | 48.6 | |
モンスターハンターフロンティア | 1280x720 | 5277 |
キーボードのチェック
キーボードはアイソレーションキーボードを採用しています。このキーボードはキーとキーの間が離れおり、多くの場合、キーがフラットです(キートップが凹んでいない)。 アイソレーションキーボードはコストが抑えられ耐久性も高いので、最近採用するメーカーが多くなってきました。 打ちやすさについては好き嫌いが分かれるのですが、私はあまり・・・・。 キーがフラットなので指にフィット感がなく、打っているうちにどのキーを押しているのか分からなくなってきます。ただ、女性は爪がひっかかりにくいので好きという人もいます。個人差が分かれるので、一度店頭で試してみることをおすすめします。店頭にHPのパソコンがなくても、SONYのキーボードはほとんどがアイソレーションキーボードなので、このパソコンで打刻感覚を体験してみると良いと思います。

キーボードの全体は下図のようになります。 テンキーが右側についています。

やや変わっているのが、ファンクションキーです。 動画の停止や早送りなどがf7やf8を押すだけで操作でき便利です。 しかし、「漢字」入力時にf7やf8などを押して、全角カナにしたり半角カナに変換している人は、”fnキーを押しながら”f7やf8を押す必要があります。
表面温度 - 普通です
表面温度は、全体的に普通だと思います。ただ、パソコンに高負荷をかけたとき、左手のひらがやや熱くなりました。
実際に温度を計測してみた結果は次の通りです。 温度計測は、低負荷のとき(電源をいれているだけで何もしていないときと)、高負荷のとき(動画の再生とウイルススキャンをしているとき)の2種類計測しました。 尚、室内はエアコンをつけて28度にしています。
低負荷のときは、表面温度は高くなく、手のひらもそれほど熱くは感じませんでした。
高負荷のときは、キーボード部分の温度は高めでしたが、指先部分なので体感としてはそれほど熱さを感じませんでした。むしろ、左の手のひらが熱く感じました。
図中の単位は℃です。
静音性(動作音)をチェック - 普通です
動作音はノートパソコンとして普通です。 高負荷時はややうるさいかなとも思います。
実際に、動作音を計測した結果は次の通りです。 動作音の計測は、低負荷のとき(電源をいれているだけで何もしていないときと)、高負荷のとき(動画の再生とウイルススキャンをしているとき)の2種類を実施しました。
低負荷のときは41.9dBでした。私の部屋を極力無音にしても41.1dBはあり、その差は+0.8dBなので静かです。
高負荷のときは46.7dBでした。ファンの回転音がややうるさく感じました。
尚、無反響室で測定したわけではないので全く正確な値ではありません。値は参考程度にしてください。
視野角 - 普通です
視野角は、一般的なノートパソコンの視野角です。普通です。光沢液晶なので映り込みは激しいですが、動画は綺麗です。

外観をチェック - アルミニウム素材を使用し高級感がある
天板とパームレスト部分には、アルミニウム素材を使用し高級感があります。液晶の枠は黒くなっており、動画を見るときに枠の色が気になることはありません。

アルミニウム素材を使用している中にも、模様が入っており、無機質な感じはありません。 以前のHP dv7はインプリント加工のデザインで、綺麗ではあったのですが指紋がつきやすいという難点がありました。 今回のHP dv7は、デザイン性では以前よりやや劣るかもしれませんが、指紋が非常につきにくいため、私は今回のHP dv7のほうが好きです。

その他、真横や上からみたときの外観は次の通りです。 HDMI出力端子を搭載しているので、大型液晶テレビに接続し、パソコン経由でブルーレイなどを楽しむこともできます。
その他の評価 - バッテリ駆動時間は短い映画1本くらい
HP dv7のような大型パソコンを、バッテリ駆動状態で使う人はほとんどいないと思いますが、一応計測しておきました。
画面の輝度を最大にし、DVDを再生した状態で、バッテリ駆動させたところ、1時間35分で休止状態へ入りました。
まとめ
以上が、HP Pavilion Notebook PC dv7/CTのレビューでした。 なんといっても特徴は、OSやアプリケーションの起動速度が速いSSDと、大容量のハードディスクを計2台搭載できる点だと思います。 さらに、ノートパソコンにしては画面も大きいです。 デスクトップを置くスペースはないけど、ノートパソコンの画面やスペックでは物足りない人にちょうど良いと思います。
まとめると、HP Pavilion Notebook PC dv7/CT は、次のようなメリットがあります。
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