FRONTIER NZシリーズ(HM175チップセット)の実機レビュー

9万円台のゲーミングノートPC
FRONTIER NZシリーズ(HM175チップセット)は、価格がとにかく安い15.6型ゲーミングノートPCです。
最小構成時なら、9万円台(税抜)で購入することが可能です。
グラフィックスにはエントリー向けのGeForce GTX 1050を搭載。エントリー向けと言っても、"中"程度のグラフィック設定なプレイできるゲームが多いです。
CPUにはCore i7-7700HQを搭載し、ストレージは2基搭載可能で、十分なスペックです。
メーカー直販サイト:FRONTIER(NZシリーズ)
※レビュー機は当サイトでの購入品です
目次
FRONTIER NZシリーズの基本スペック
FRONTIER NZシリーズ(HM175チップセット)の基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。 ※2017年3月13日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。
CPU HQシリーズの第7世代インテルCPUのCore i7-7700HQを搭載しています。 |
グラフィックカード NVIDIA GeForce GTX 1050(2GB)を搭載しています。Optimus対応です。 |
液晶ディスプレイ 15.6型ワイドの非光沢液晶です。解像度はフルHD(1920×1080)です。 |
メモリ 最大で32GBのメモリを選択できます。本機は8GB(4GB×2)を搭載しています。 |
M.2 SSD SATAまたはPCIe-NVMe接続のM.2 SSDを選択可能。本機は275GB SATA SSDです。 |
2.5インチ ストレージ 2.5インチ HDDまたはSSDを選択できます。本機は搭載していません。 |
光学ドライブ 光学ドライブは搭載していません。 |
その他 バッテリー駆動時間は約2.5時間(JEITA2.0)、質量は約2.1kgです。 |
特徴1 - 9万円台から購入できるゲーミングノートPC
FRONTIER NZシリーズは、GeForce GTX 1050を搭載したゲーミングPCとしては、かなり安い製品です。
HPのOMEN by HP 15-ax200も、同じGeForce GTX 1050を搭載した安いモデルが存在しますが、Core i5-7300HQのCPUを搭載しています。
一方、本製品は、Core i7-7700HQを搭載しており高性能です。このCPUを搭載しながら、9万円台(税抜)で購入することが可能です。

94,800円から購入可能
<メーカーサイトより抜粋。価格は変動する可能性あり>
特徴2 - エントリー向けGTX 1050搭載
本製品に搭載されているGeForce GTX 1050は、GeForce GTX 10シリーズの中ではエントリー向けとなるグラフィックスです。
GeForce GTX 1050を搭載した本機でのゲームベンチマークは下表の通りです。なお、グラフィックドライバーバージョンは、最新の「378.49」です。"中"程度のグラフィックス品質なら、60fpsを超えるゲームが多いです。
製品名 | FRONTIER NZ | |||
基本スペック | Core i7-7700HQ GeForce GTX 1050(2GB) |
|||
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ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルド (DirectX 11) | ![]() |
標準品質 ★ | 12214 (非常に快適) |
高品質 ★ | 9263 (非常に快適) | |||
最高品質 | 6369 (非常に快適) | |||
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ドラゴンズドグマオンライン |
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標準品質 | 8158 (とても快適) |
最高品質 | 7832 (とても快適) | |||
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ファンタシースターオンライン2 EP4 | ![]() |
描画:3 | 26719 (快適) |
描画:6 | 13013 (快適) | |||
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モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐) | ![]() |
― | 13424 |
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ドラゴンクエストX | ![]() |
標準品質 | 15324 (すごく快適) |
最高品質 | 14447 (すごく快適) | |||
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フォーオナー | ![]() |
低 | 82 fps |
高 | 52 fps | |||
超高 | 37 fps | |||
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STEEP | ![]() |
低品質 | 61 fps |
高品質 | 39 fps | |||
超高品質 | 27 fps | |||
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ライズオブトゥームレイダー | ![]() |
最低品質 | 80 fps |
中品質 | 52 fps | |||
最高品質 | 29 fps | |||
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ファークライ プライマル | ![]() |
低い | 60 fps |
高い | 47 fps | |||
最高 | 33 fps | |||
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ドラゴンエイジ:インクイジション | ![]() |
低品質 | 91 fps |
高品質 | 43 fps | |||
最高品質 | 29 fps | |||
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GRID Autosport | ![]() |
ウルトラロー | 160 fps |
ミディアム | 102 fps | |||
ウルトラ | 73 fps | |||
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VRカノジョ | ![]() |
パフォーマンス | ― |
クオリティ | ― | |||
ハイクオリティ | ― | |||
★デスクトップPCの場合は「標準品質(デスクトップPC)」と「高品質(デスクトップPC)」、ノートPCの場合は「標準品質(ノートPC)」と「高品質(ノートPC)」の設定にしています。 ※フレームレート(fps)の掲載値は、平均値です。最小値や最大値ではありません ※CPUやメモリなどの環境によってスコアが変わる点はご了承ください。 ※ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルドは、約7700スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ドラゴンズドグマオンラインは、約5800スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ファンタシースターオンライン2 EPISODE4は、約4500スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐)は、約6000スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※ドラゴンクエストXは、約5500スコアで平均60fps(当サイト調べ) ※通常の液晶ディスプレイは60Hz駆動であるため、ゲームを快適にプレイするには平均60fpsは欲しいです。ただし、平均fpsが60でも最小fpsはもっと小さいため、60fpsを切らないようにプレイするには平均80~100fpsは欲しいです。また、120Hz駆動の液晶ディスプレイを使用している方は、平均120fpsは欲しいです。 |
Oculus RiftおよびHTC ViveのVRシステムの動作チェック結果です(下図)。本製品で快適にVRを動作させるのは難しいです。

VRの動作チェックツールの結果
GPU-Zで確認したGeForce GTX 1050の情報は次の通りです。

GeForce GTX 1050のグラフィックカードのスペック
特徴3 - ダブルストレージ構成が可能
本製品は、M.2スロットと2.5インチベイを搭載しており、ダブルストレージ構成にすることが可能です。
M.2スロットには、SATA SSDの他に、PCIe-NMVe SSDも選択することが可能です。
また、2.5インチベイには、HDDの他にSSDも選択可能です。そのため、M.2 SSD + 2.5インチ SSDといった構成にすることも可能です。

SSD+HDD構成が可能
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
視野角は悪いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、寒色系の画面であることが分かります。
色域はやや狭いです。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成
画素形状です。ギラつきはそれほど感じません。


キーボードおよびタッチパッドのチェック
キーボードとタッチパッドのチェックです。
当サイトの計測では、キーピッチが縦:約18mm、横:約19mm、キーストロークが約2mmです。キートップはほぼフラットです。底付きの衝撃はそれほどないです。比較的打ちやすいキーボードだと思います。

キーボード全体図

キーの拡大図1

キーの拡大図2
タッチパッドは普通の操作性です。クリックボタンは独立しており、普通の力で押すことができます。

タッチパッド
明るさを5段階で調整できるキーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト
「FLEXIKEY」のソフトを使えば、複数のキー入力やアプリケーションの起動など、好きなキーにマクロを設定することができます。

FLEXIKEY
「CONTROL CENTER」のソフトを使えば、左ウィンドウズキーの無効化も可能です。

CONTROL CENTER
パフォーマンスのチェック
パフォーマンスのチェックです。
CPUの選び方
Core i7-7700HQを搭載しています。ゲームをするのに十分な性能をもっています。

CPUの選び方(筆者の独自判断)
グラフィックスの選び方
GeForce GTX 1050を搭載しています。コストパフォーマンスの高いグラフィックスです。

グラフィックスの選び方(筆者の独自判断)
ストレージの選び方
ストレージは、下図のようなものを選択できます。

ストレージの選び方(筆者の独自判断)
FRONTIER NZシリーズで計測したベンチマーク
以下、Core i7-7700HQ、メモリ 8GB(4GBx2)、GeForce GTX 1050、275GB SATA M.2 SSDのレビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。
QSV(クイック・シンク・ビデオ)でのエンコード時間が、Core i7-7700HQの割には長かったです。確認してみると、原因は分かりませんがクロックが低めに動作していました。本製品はGTX 1050を搭載しているため、CPU内蔵のグラフィックスを使う機会は限定的だと思いますが、クイック・シンク・ビデオなどを利用しようと考えている場合はご注意ください。
(CPU性能の評価)

Core i7-7700HQ
(主にグラフィックス、CPU性能の評価)



Core i7-7700HQ、GeForce GTX 1050
(VRが快適に動作するかの評価)


※Target frame rateを超えていれば快適に動作
Core i7-7700HQ、GeForce GTX 1050
(x265がCPU性能の評価、NVENC、QSVが主にグラフィックス性能評価)
Core i7-7700HQ GeForce GTX 1050 |
|
---|---|
x265でエンコード (※1) | 22分05秒 |
NVENCでエンコード (※2) | 1分43秒 |
QSVでエンコード (※3) | 7分00秒 |
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー
(ストレージの評価)

275GB M.2 SSD(Crucial MX300)
(SDカードスロットの評価)

UHS-Ⅰ対応カード
重量のチェック
質量のチェックです。
当サイトでの計測値は下図の通りで、PC本体は2.244kg、ACアダプターは574gでした。ゲーミングノートPCとしては、軽い方だと思います。

比較的軽量
バッテリー駆動時間のチェック
バッテリー駆動時間チェックです。
まずバッテリー容量は、47Whでした。それほど容量はないです。
当サイトで計測した駆動時間は次の通りす。他のゲーミングノートPCと比較して、やや短めの駆動時間です。
バッテリー駆動時間 | |
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動画再生時 ※1 | ― |
PCMark 8 Home のバッテリーライフテスト ※2 | 2時間47分 |
PCMark 8 Work のバッテリーライフテスト ※3 | 3時間31分 |
FF XIV ベンチマーク ループ実行 ※4 | 1時間34分 |
※1 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※3 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※4 バッテリーブーストの設定で最大30fpsに制限
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