ASUS ZENBOOK UX21(UX21E-KX128)の実機レビュー
ZENBOOK UX21は、20mm以下の薄さと、1.1kg台の軽さを誇る極薄・軽量の11.6型ウルトラブックです。
今のところ、11.6型という小ささのウルトラブックを発表しているのは、本機だけです。軽さは東芝 dynabook R631とほぼ並び、ウルトラブックの中では最軽量です。
アルミニウムボディを採用し、底面もネジが少なく、見た目も美しいです。Core i7-2677M、高速SSDを搭載し、パフォーマンスも十分です。
これだけ小さくて薄いと、キーボードの操作性や発熱などが気になると思いますので、その辺りをチェックしていきます。
尚、国内の製品紹介ページではUX21となっていますが、プレスリリースや海外のページではUX21Eという型番になっています。
目次
1 ZENBOOK UX21 の基本スペック | 2 特徴1 - 20mm以下の極薄ボディ |
3 特徴2 - 1.1kg台と軽量 | 4 特徴3 - SSDを搭載し高速起動 |
5 液晶ディスプレイのチェック | 6 キーボードとタッチパッドのチェック |
7 総合ベンチマーク | 8 動画のエンコード時間のチェック |
9 バッテリ駆動時間のチェック | 10 静音性のチェック |
11 パーツの温度のチェック | 12 表面温度のチェック |
13 消費電力のチェック | 14 外観のチェック |
15 まとめ | |
付録 | |
ZENBOOK UX21の箱出しレビュー |
ZENBOOK UX21 の基本スペック
本機の基本スペックを紹介します。※2011年11月4日現在の情報です。
CPU Core i7-2677M(超低電圧版CPU)です。 |
グラフィックカード CPU内蔵(インテルHDグラフィックス)です。 |
液晶ディスプレイ 11.6型ワイド(1366x768)の光沢液晶ディスプレイです。 |
メモリ 4GBのメモリを搭載しています。 |
ハードディスク SSDを搭載しているためHDDは未搭載です。 |
SSD 128GBのSSDを搭載しています。11月下旬には64GBの製品も発売されます。 |
光学ドライブ 内蔵光学ドライブは非搭載です。 |
バッテリ駆動時間 |
特徴1 - 20mm以下の極薄ボディ
ゴム足を含めた高さの実測は約19mm
今更言うまでもないですが、本機の最大の特徴は薄さです。MacBook Airのように正面が鋭角になっており、メーカーの仕様では、最薄部で3mmしかありません。最厚部でも17mmの厚さです。
ゴム足を含めて実測してみると、最厚部で約19mmでした。非常に薄いです。
特徴2 - 1.1kg台と軽量
重量も非常に軽いです。重量を実測した結果は、本体が1151gで、ACアダプタが176gです。1.2kgを切るモバイルノートを久々に見ました。
重量の実測結果
特徴3 - SSDを搭載し高速起動
LANアダプタを接続するとややPC起動が遅い
本機はSSDを搭載しており、PCの起動などが高速です。
PC起動とシャットダウン時間および、スリープ移行時間と復帰時間を計測した結果を下の表にまとめました。
なお、本機は有線LANを接続する場合、LANアダプタをUSBポートに接続します。このLANアダプタを接続するとややPC起動時間が遅くなったので、その結果も記載します。
テスト内容 | 時間 | ||
---|---|---|---|
通常停止/起動 | PC停止時間 | 約10秒 | |
PC起動時間 | LANアダプタ非接続時 | 約17秒 | |
LANアダプタ接続時 | 約22秒 | ||
スリープ移行/復帰 | スリープへの移行時間 | 約3秒 | |
スリープからの復帰時間 | 約2秒 |
LANアダプタを接続しなければ、約17秒という高速起動でした。スリープからの復帰も速いです。
搭載されていたSSDは、ADATA XM11でした。こちらのCrystalDiskMarkのベンチマークを計測しましたが非常に高速です。シーケンシャルリードにおいては450MB/s近い速度が出ており、SSDの中でも高速な部類に入ります。
下の図の右側に一般的なノートPCのHDDのスコアも掲載します。HDDと比較するとその差は歴然です。
ZENBOOK UX21 のSSDと、一般的なノートPCのHDDのベンチマーク比較
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。
搭載されていたパネルは、IVO社(中国)のP116NWR1 R2という型番でした。
青みの強い液晶ですが、普通の人なら問題なく使用できると思います。色再現性にこだわる人には物足りないでしょう。また、光沢液晶なので、周りの物が映り込みます。
正面からの画像
詳細を見ていきます。
視野角は良くないです(普通のノートPC並み)
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青色が大きく低めに調整されています。実際の画面は、ノートPCにありがちな寒色系の設定になっています。
※同じパネルでも調整具合はやや異なります。また異なるパネルが搭載される可能性もあります
ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください
色域のチェックです。やや狭い色域ですが、多くのモバイルPCは、こんなものです。
画素の拡大図です。実際の画面にギラツキはありません。
画素の拡大図
※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影
キーボードとタッチパッドのチェック
キーボードのチェックです。
打ってみた感想としては、決して打ちやすいとは言いませんが、慣れれば気にならなくなる範囲だと思われます。
キーピッチは、実測で、横が18.3mm、縦が16.5mmです。11.6型サイズのPCであるため、キーピッチはどうしても狭めになっています。手の大きい私だと、やや窮屈に感じてしまいます。
キーストロークは、実測で約1mmちょっとと浅めです。ただ底が比較的柔らかいので、キーを押したときに固い反発はありません。
キートップはやや凹んでおり、指の接触面は広いです。
キーボード全体図
キーの拡大図
タッチパッドは大きく、そして感度が良いです。ただし、感度が良すぎて、誤って触れて誤動作するときがあります。
クリックボタンはタッチパッドと一体型ですが、思ったより軽くて押しやすいです。
タッチパッドは大きく感度が良い
タッチパッドは、Sentelic製を採用しています。2~3本の指を使いジェスチャー操作が可能です。タッチパッドが大きいためジェスチャー操作はしやすいです。
マルチフィンガー対応のSentelic製タッチパッド
ただしタッチパッドが大きいため、右手がタッチパッドによく触れます。文章を入力している最中は意外に誤動作しませんでしたが、手をパームレストに置くときや、離すときに、マウスポインタが飛ぶ場合があります。
タッチパッドが大きく、右手が触れやすいです。
総合ベンチマーク
各種ベンチマークの結果です。
本機に搭載された超低電圧版CPU「Core i7-2677M」は、通常電圧版CPU「Core i5-2410M」と同程度の性能かなという印象です。
Windows エクスペリエンス インデックス
PassMark Performance Test 7.0
3DMark06(1.2.0 1901)
1280x720で実行
PCMARK7 v1.0.4
動画のエンコード時間のチェック
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5
TMPGEnc Video Mastering Works 5 による動画のエンコード時間のチェックです。
x264でエンコードしたときは43分58秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときは15分17秒でした。
まずまずの速度です。ただし、後述しますがCPU温度がかなり上がるため、エンコードなどの負荷のかかる処理はしないほうがいいと思います。
※クイック・シンク・ビデオとは、CPU内蔵のグラフィックスのエンコードエンジンで、動画変換を高速に行う機能
エンコード方法 | エンコード時間 |
---|---|
x264でエンコード | 43分58秒 |
クイック・シンク・ビデオでエンコード | 15分17秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
バッテリ駆動時間のチェック
ASUS Power Wizでバッテリ駆動時間の
目安が表示されます。
バッテリ駆動時間のチェックです。
ハードディスクへ保存したDVD画質相当の動画を再生させ、バッテリ駆動状態にしてから、休止状態に入るまでの時間を計測しました。
その結果、3時間06分で休止状態へ移行しました。
また本機は、「ASUS Power Wiz」というバッテリ管理ソフトがデスクトップ上に起動しています。このソフトは、使用用途別にバッテリ駆動時間の目安を表示してくれます。
Office操作だと3時間19分、動画再生だと3時間26分、ネットだと4時間49分、ゲームだと2時間53分、バッテリ駆動すると表示されていました。
ゲームはタイトルによると思いますが、その他は割と正確なのではないかと思います。