ASUS ZenFone 3 (ZE520KL)の実機レビュー

デュアルスタンバイ対応のデュアルSIM
ASUS ZenFone 3はデュアルスタンバイ対応のデュアルSIMや指紋認証センサーを搭載し、これまでのZenFoneシリーズからさらにハイスペック化したSIMフリー5.2インチAndroidスマホです。
背面素材はガラスパネルになり、デザイン面でも高級感が増しています。またUSB端子には次世代規格のUSB Type-Cを採用しています。
暗い場所でも素早くフォーカスが合うレーザーオートフォーカス付きカメラやZenUIなど、ZenFoneシリーズならではの機能は受け継ぎつつ、より多機能で高級感のある端末になっています。
本体のみ購入:楽天市場
格安SIMとセットで購入:DMM Mobile、楽天モバイル、
IIJmio、BIGLOBE SIM、NifMo、OCN
※レビュー機は当サイトでの購入品です
目次
主な仕様
ASUS ZenFone 3 (ZE520KL)の主な仕様を、同じく日本国内で10月28日発売予定のZenFone 3 Deluxeと比較しました。ZenFone 3 Deluxeにはスペックの異なる2つのラインナップがあります。ZenFone 3シリーズにはこのほかにもZenFone 3 Ultraがありますが、国内発売予定は未定となっています。
3機種で比較するとZenFone 3 Deluxe (ZS550KL)のスペックのほうが全体的に高いですが、ZenFone 3 (ZE520KL)のスペックも一般的なSIMフリースマホの中ではハイエンドなスペックです。
ZenFone 3 (ZE520KL)のカラーバリエーションはサファイアブラックとパールホワイトの2色です。
ZenFone 3 (ZE520KL) |
ZenFone 3 Deluxe (ZS550KL) |
ZenFone 3 Deluxe (ZS570KL) |
|
---|---|---|---|
OS | Android 6.0.1 | Android 6.0.1 | Android 6.0.1 |
液晶 | 5.2インチフルHD IPS液晶 (1920x1080) |
5.5インチフルHD IPS液晶 (1920x1080) |
5.7インチフルHD Super AMOLED 有機EL (1920x1080) |
プロセッサー | Snapdragon 625 オクタコア(2.0GHz) | Snapdragon 625 オクタコア(2.0GHz) | Snapdragon 821 クアッドコア(2.4GHz) |
メモリ | 3GB | 4GB | 6GB |
内部ストレージ | 32GB | 64GB | 256GB |
連続待ち受け時間 | au VoLTE:約493時間、 3G:約434時間 |
au VoLTE:約475時間、 3G:約407時間 |
LTE:約370時間、 3G:約389時間 |
連続通話時間 | 3G:27時間 | 3G:31時間 | 3G:30時間 |
バッテリー | 2,650mAh | 3,000mAh | 3,000mAh |
カメラ | 1600万画素 (背面) 800万画素 (前面) |
1600万画素 (背面) 800万画素 (前面) |
2300万画素 (背面) 800万画素 (前面) |
主なスロット | USB type-C microSDスロット※1 nanoSIMスロット microSIMスロット イヤホン端子 |
USB type-C microSDスロット※1 nanoSIMスロット microSIMスロット イヤホン端子 |
USB type-C (USB3.0) microSDスロット※1 nanoSIMスロット microSIMスロット イヤホン端子 |
対応通信バンド※2 | LTE : B1/B2/B3/B5/B7/B8 /B18/B19/B26/B28 /B38/B39/B40/B41 3G: B1/B2/B5/B6/B8/B19 GSM: 850/900/1800/1900MHz |
LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8 /B12/B17/B18/B19/B20/B26/B28 /B38/B39/B40/B41 3G: B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 GSM: 850/900/1800/1900MHz |
LTE: B1/B2/B3/B4/B5/B7/B8 /B12/B17/B18/B19/B20 /B26/B28/B29/B30 /B38/B39/B40/B41 3G: B1/B2/B4/B5/B6/B8/B19 3G(CDMA2000): BC0 GSM: 850/900/1800/1900 MHz |
その他 | 指紋認証センサー レーザーオートフォーカス デュアルSIMデュアルスタンバイ |
指紋認証センサー レーザーオートフォーカス デュアルSIMデュアルスタンバイ NFC |
指紋認証センサー レーザーオートフォーカス デュアルSIMデュアルスタンバイ NFC |
重量 | 約144g | 約160g | 約172g |
※2 B1(Band1):国内三大キャリアのメイン、B3(Band3):東名阪などで使用、
B8(Band8):SoftBankのプラチナバンド、B18(Band18)/B26(band26):auのプラチナバンド、
B19(Band19):NTTドコモのプラチナバンド
特徴1 - デュアルSIMデュアルスタンバイに対応
ASUS ZenFone 3はデュアルスタンバイに対応したデュアルSIMスロットを搭載しています。近頃はデュアルスロットデュアルスタンバイ(DSDS)という呼称でもよく耳にします。
これまでのZenFoneもデュアルSIMスロットは搭載していましたが、3G音声通話と4Gデータ通信が利用できるのは片方のスロットのみで、もう片方は2Gしか使えなかったため、日本国内では実質片方のスロットしか使えませんでした。ZenFone 3では片方で4G・LTE通信、もう片方で3G音声通話が可能なので、どちらのSIMカードからも通話の発信が可能で、同時に着信待ち受けもできます。

デュアルスタンバイに対応したデュアルSIMスロット
デュアルSIMスロットのスロットカバーは一つにまとまっています。片方がmicroSIM、もう片方がnanoSIMになります。nanoSIMスロットはmicroSDカードとの排他利用になるため、nanoSIMカードを挿すと、microSDカードは使えません。
ZenFone 3(ZE520KL)のストレージ容量は32GBしか選べないので、写真や動画をたくさん撮影したり、電子書籍をダウンロードしたりする場合は、microSDカードが使えるようにSIMサイズはmicroSIMを選んだ方がいいです。またデュアルスタンバイ機能を使いつつ、写真や動画もたくさん撮りたい場合は、ストレージ容量が大きなZenFone 3 Deluxeも検討したほうがいいでしょう。

デュアルSIMスロットに各カードをセットした状態
実際にDMM mobileの音声通話機能付きmicroSIMとnanoSIMを挿して、デュアルスタンバイ状態で使ってみました。SIMカードを2枚挿した場合は、APNや通信事業者などのモバイルネットワーク設定は各SIM毎に設定し、どちらのSIMで高速データ通信(データサービスネットワーク)を使用するかを選択します。

優先するSIMカードを設定
各SIMの通信状態がアクティブになると、画面右上に通信状態アイコンが表示されます。高速データ通信で利用しているSIMスロットは赤色で表示されます。

デュアルスタンバイでの通信状態アイコンの表示
デュアルスタンバイ状態になると、「電話」の発信ボタンがSIM1とSIM2に分かれて、発信時に選択できます。もちろんどちらのSIMカードも音声通話付きSIMの場合です。実際にそれぞれのSIMスロットから通話発信してみましたが、どちらのスロットでも通常の通話と変わらず利用できました。

発信時に利用するSIMスロットを選択可
次に、他のスマホからそれぞれのSIMスロットの電話番号に発信してみましたが、どちらの電話番号でも同じように着信することができました。
着信画面や着信履歴ではどちらのSIMスロットに着信したのかも表示されます。個人用と仕事用の音声通話付きSIMを挿した場合でも、どちらのSIMへの着信なのかひと目で分かるので安心です。これまで仕事用と個人用、あるいは高速データ通信用と通話用に複数端末を使い分けていた方も、ZenFone 3なら安心して一台にまとめれると思います。

どちらのSIMスロットへの着信かひと目で分かる

発着信履歴にも使用したSIMスロットを表示
特徴2- au系SIMも使える幅広い対応通信バンド
ZenFone 3の対応通信バンドはauのプラチナバンドも含んでおり、mineoのauプランやUQ-mobileといったau系のSIMカードも使うことができます。実際にmineoのauプランのnanoSIMを挿してLTE通信を試してみましたが、問題なく使えました。
またドコモとKDDIのキャリアアグリゲーションにも対応しています。筆者がmineoのauプランを使った時のLTE通信表示は、キャリアアグリゲーションに対応していることを示す「4G+」になっていました。

au系のSIMカードも使える
ZenFone 3にはドコモ系格安SIMだけでなく、au系格安SIMのAPNも初期設定で登録されています。SIMカードを端末に挿したら、通常はAPNも自動的に選択されます。主要なMVNOのSIMであれば、APNを手動で新規作成する必要はありません。
ちなみにmineoのauプランのSIMを挿したところ、先日、au網でのプランが開始されたばかりのIIJmioのAPNも初期登録してありました。

au系のSIMのAPNも初期設定で登録されている
ZenFone 3で利用できるSIMカードについては、下のバナーをご覧ください。SIMカードも一緒にお探しの方は参考にしてみてください。
特徴3 - 背面ガラスパネル採用で一新したデザイン
ZenFone 3の裏側はこれまでの取り外し可能だった樹脂製パネルから、ガラスパネルになっています。表側の液晶ガラスと同じく周辺部分に丸みがついた2.5D加工がされていて、高級感があります。また照明の下に端末をかざすと、指紋認証センサーを中心に放射状に光を反射してカッコいいです。
ただし従来の背面カバーのように取り外しはできなくなっているので、ユーザー側でのバッテリー交換などはできません。また光沢感のあるガラスパネルなので、今回レビューしたサファイアブラックではやや指紋汚れが目立ちやすいと感じました。

新たに採用された背面ガラスパネル
表面や側面からぱっと観た感じはiPhone 6sやiPhone 7に似ています。同じブラック系のiPhone7 Plusのブラックと比べてみましたが、厚みはほとんど変わりません。輪郭部分の処理やホームボタン部分の作りなど、細かな違いはありますが、先入観なしにみると、高級感で見劣りする感じはありません。

iPhone7 Plusと表面を比較

iPhone7 Plusと下側面を比較
特徴4 - レーザーオートフォーカス付きカメラ
ZenFone 3の背面カメラはレーザーオートフォーカス機能を搭載しています。背面カメラの左側にあるレーザー照射窓からレーザーを照射して、フォーカス合わせをするため、暗い場所でも正確に素早くオートフォーカスが働きます。レーザーと言う名称がついていますが、実際にレーザー自体が見える危ないものではなく、撮影中にレーザー照射窓が点滅しているのが目視できる程度です。

背面カメラ左側にあるレーザーオートフォーカス

暗い場所でも素早くフォーカスが合う
メーカー公表値では約0.03秒のオートフォーカスとなっています。実際にカメラアプリを起動すると、常にフォーカスを合わせ続けるコンティニュアスオートフォーカスになっていて、撮影しようとカメラを向けた時には大抵すでにピントが合った状態になっています。
ただし撮影画面にタッチしてピント位置を指定した場合は、一度フォーカスを合わせ直すような動作が入ります。体感では1秒くらいで、待たされる感じはありません。いずれにせよスマホカメラとしては高いフォーカス性能です。

タッチフォーカスの動作もスムーズ
ZenFone 3は背面カメラに1600万画素センサーを搭載し、HDR撮影やマニュアル撮影モードなど、標準カメラアプリの機能も豊富です。これらの機能については本レビュー後半の「カメラのチェック」にまとめていますので、気になる方はそちらも合わせてご覧下さい。
特徴5 - 指紋認証センサー
ZenFone 3は背面カメラのすぐ下に指紋認証センサーを搭載しています。指紋認証センサーに指紋を登録すると、端末のスリープをワンタッチで解除したり着信に応答したりできます。また指紋を登録せずに、カメラのシャッターボタンの代わりや電話への応答ボタンとして利用する「タッチコントロール」としても利用できます。

タッチコントロール機能(左)と指紋認証機能(右)の設定画面
実際に指紋認証センサーに指紋を登録して使ってみました。
指紋認証に使う指は片手でホールドした時にちょうど指紋認証センサー部分にくる人差し指か、中指が使いやすいと思います。また端末の持ち上げ方によっては、反対側の手の人差し指も登録しておいた方が便利です。ちなみに筆者は両手の人差し指だけ登録しました。

指紋認証の登録画面
指紋認証センサーによるスリープ解除機能をオンにすると、ZenFone 3を持ち上げて、指紋登録した指先がセンサー部分にあたると一発でホーム画面が表示されます。いちいち電源ボタンを押して画面を点灯させる必要がなくなるので便利です。
指紋の認証精度も高く、認証が進まずにイライラするようなことはありません。認証スピードは指先がセンサーに当ってから、わずかにワンテンポ間をおいてから、画面が表示される感じです。
指紋認証機能をオンにすると、ロック画面に指紋マークが表示されます。指紋認証を使わずに、PINコードなどでロック解除することも可能です。

指紋認証センサーにワンタッチでスリープ解除

指紋認証が有効な場合の表示
特徴6 - USB type-Cを採用
ZenFone 3 (ZE520KL)のUSB端子の規格はUSB Type-Cとなっています。これまでのZenFoneシリーズや他のAndroid端末で使用していた従来のmicroUSBケーブルは利用できないので、注意が必要です。
USB Type-Cは端子が上下左右対称になっているため、端子を挿す際に上向き下向きのどちらでも挿すことができます。また従来のmicroUSBケーブルに比べて、給電能力が高まっているので、USB type-Cに対応するデバイスから給電すればより速く充電することが可能です。ただしデータ転送の規格はUSB2.0のままなので、データ転送速度が速くなった訳ではありません。

USB端子にはUSB Type-C (USB2.0)を採用
付属のUSB-AC電源アダプターのOutputは5.0V、2Aになっています。ACアダプター側のUSB端子の規格は通常のUSB2.0端子なので、他の端末のAC電源アダプターを使うこともできますが、従来のAC電源アダプターは1A前後のものが多いです。そのため付属のAC電源アダプターを使った方が充電時間は短縮できます。

付属のUSB-AC電源アダプター
特徴7- ゲームサポート機能「Game Genie」
ZenFone独自の壁紙を設定したり、オリジナルのアプリを利用できるサービスがZenUIです。そのZenUIにゲームアプリをサポートする「Game Genie」機能が新たに追加されています。
「Game Genie」はゲームアプリを立ち上げると、自動的にバックグラウンドで起動して、ゲームのプレイ画面を録画したり、ストリーミングでライブ配信することができます。また使っていないメモリを開放して、ゲームの動作性を向上させるスピードブースター機能もついています。

ゲームアプリのプレイ画面に表示される「game Genie」アイコン
実際にPokemon GOをプレイして「game Genie」の機能をチェックしました。
「ライブ&レコード」のメニューを開くと、「ライブストリーミング」と「ローカルへ保存」の2つのレコーディングモードが選択できます。「ローカルへ保存」を選択すると、ゲーム画面に戻り、自動的に録画が始まります。「ライブストリーミング」ではYoutubeかtwitchの2つのストリーミング配信先が選べるようになっています。

「game Genie」のメニュー表示

「game Genie」のライブストリーミング先選択画面
ローカルへ保存したデータをチェックすると、1分39秒の録画で約60MBのmp4ファイルになっていました。録画サイズはHDですが、ZenFone 3の画面で見た感じでは、プレイ中の画面表示と画質は変わりません。
録画した動画ファイルには録画中を示すアイコンが画面左上に表示され、右上にはフロントカメラが撮らえた実際のプレイヤーの自撮り動画が丸抜きで表示されます。

「game Genie」で録画したプレイ画面を再生表示
液晶ディスプレイのチェック
ZenFone 3 (ZE520KL)の液晶ディスプレイをチェックしました。
液晶画面サイズは5.2インチでフルHD(1920×1080)、約420dpi、アスペクト比は16:9です。ベゼル幅は縦位置での左右の横幅が約2.1mm、上部分と下部分が約14mmとなっています。液晶ガラスには割れや汚れに強いゴリラガラス3を採用しています。

ディスプレイの全体像

液晶表面はゴリラガラス3
各アングルから見たときの見やすさをチェックしました。視野角の広い液晶ディスプレイです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)
画素の拡大図です。非常に細かな素子が並んでいます。画面のギラつきは特にありません。

画面表面の拡大図
パフォーマンスのチェック
ZenFone 3 (ZE520KL)のCPU、メモリ、GPUのベンチマーク結果を以下に掲載します。いずれもスマホとしては高いスコアです。
3Dmark

PCmark for Android

PassMark PerformanceTest Mobile

Geekbench 4


通話機能のチェック
ZenFone 3 (ZE520KL)の通話機能をチェックしました。
電話アプリを開いたメイン画面には通話履歴とダイヤル番号が表示されます。画面上部のアイコンからは連絡先とグループを表示することができます。SMSメッセージは別アプリになっています。
通話中画面では、画面下側にスピーカーや保留、通話録音などの操作パネルが表示されます。また画面中央の上部には通話相手情報のほかに、使用中のSIMスロットと通信キャリア名も表示されます。
実際に通話してみましたが、途中で通話が途切れたりすることもなく正常に通話できました。音質も問題ありません。

電話アプリのメイン画面(左)と通話中画面(右)
バッテリー駆動時間のチェック
ZenFone 3 (ZE520KL)のバッテリ―駆動時間をアプリ「バッテリー」でチェックしました。100%充電した状態でのバッテリー駆動時間の目安は次の通りでした。やや長めの駆動時間です。

バッテリー駆動時間の目安
カメラのチェック
ZenFone 3 (ZE520KL)はリアカメラとフロントカメラを搭載しています。各カメラのスペックは次の通りです。
リアカメラとフロントカメラともに最小絞り値がF2.0と小さいので、暗い場所の撮影にも比較的強いです。またリアカメラの動画サイズは初期設定ではフルHDになっていますが、4Kでの撮影も可能です。
スペック※ | フロントカメラ | リアカメラ |
---|---|---|
ファイル形式 | jpeg | jpeg |
最大画像サイズ | 3264×2448px | 4656×3492px |
画素数 | 800万画素 | 1600万画素 |
最小絞り値 | f2.0 | f2.0 |
内蔵フラッシュ | なし | あり |
動画サイズ | 1920×1080 | 3840×2160 (4K) |
その他撮影機能 | 美人エフェクト 自分撮りパノラマ ローライトなど |
HDR Pro マニュアル撮影 キッズ撮影など |
リアカメラの解像度をチェックしました。リアカメラの画像サイズ設定を最大にし、解像度チャートをアスペクト比に合わせて横位置で画面一杯に撮影しました。画像サイズ以外のカメラ設定は全て購入時のままで撮影しています。撮影画像の縦横比は3:4です。
撮影環境:室内、昼白色蛍光灯照明
撮影条件:ISO325, f2.0, 1/60秒, ホワイトバランス自動
使用した解像度チャート:ISO12233記載の解像度チャート(A3サイズ)
撮影方法:端末を固定しながら、画面上のチャート中央部分にタッチ(ピント・露出合わせ)して撮影
得られた画像は次の通りです。
露出はわずかに背景の白に引っ張られて暗くなっている印象ですが、ホワイトバランスは適正です。コントラストはしっかりとついていて、画面全体の歪みも低く抑えられています。
等倍で画像をみると、シャープネス処理で生じたと思われるノイズがやや目立ちますが、不自然さはありません。1600万画素のデータサイズなので、実際に使用するサイズではまず気にならないレベルだと思います。

解像度チャートの撮影結果

解像度チャートの黄色枠部分を100%表示
カメラ搭載位置は縦位置を基準にフロントカメラが上部右側にあります。リアカメラは裏面上部中央に配置されていて、その右側にLEDフラッシュ、左側にレーザーオートフォーカスがついています。リアカメラは1mmほど出っぱっているため、平坦な場所に端末を置くと、少し斜めになります。

フロントカメラ

リアカメラ
また、LEDフラッシュが搭載しており、写真撮影の場合はフラッシュ、動画撮影の場合は常時点灯に切り替わります。ここでは、薄暗い場所でフラッシュONとOFFとで、写真を撮り比べてみました。フラッシュOFFの時は、無理に画面を明るくしないよう調整されており、フラッシュの発光量はやや抑えめで、ギラついた感じが出にくいように調整されています。色味も不自然さはありません。

フラッシュの効果をチェック
標準カメラアプリを横位置で構えたときの撮影画面です。画面左側には上からフラッシュの切り替えボタン、リア⇔フロントのカメラ切り替えボタン、HDR機能のON・OFFボタン、設定メニューボタンが並んでいます。また右側には上からプレビューボタンと、マニュアル撮影切り替えボタン、静止画シャッターボタン、動画撮影開始ボタン、撮影モードボタンが並んでいます。画面左上に現在選択している撮影モードが表示されます。
ピント合わせはタッチフォーカスです。フォーカスが合うとピピッと音が鳴って、丸いフォーカスマークが表示されます。レーザーオートフォーカスなので速いです。

標準カメラアプリの撮影画面
マニュアル撮影に切り換えると、露出モードとヒストグラムが画面下に表示され、中央には電子水準器も表示されます。さらに画面右側にはホワイトバランスやシャッタースピード、ISO感度などをワンステップで設定するためのアイコンもあります。AFもマニュアルで操作することができ、かなり本格的な雰囲気でマニュアル撮影が楽しめます。

標準カメラアプリのマニュアル撮影画面
撮影モードは全20種類から選べます。人物の顔を自動認識して顔色や肌つやを補正してくれる美人エフェクトや、暗い場所での撮影を自動合成で補ってくれるローライトモードなどZenFoneシリーズおなじみの撮影モードに加え、その中の撮影モードの一つとして、さらにエフェクトモードが揃っています。標準カメラの機能としては、かなり機能が充実しています。

撮影モード選択画面の全モード
カメラ設定からはホワイトバランスや画像サイズ、測光モードの設定のほか、顔認識機能のオン・オフ、手振れ補正機能のオン・オフまで、一般的なデジカメに搭載されている基本的な機能設定のほとんどが利用できるようになっています。
この充実ぶりはZenFoneのカメラ機能の大きな特徴の一つです。細かな設定をしなくてもいいように初期設定はされていますが、使いたい人にはトコトン使えるようにしてあるという印象です。

カメラ設定の項目の一部を表示
カメラをフロントカメラに切り換えると、初期設定では「美人エフェクト」がオンになった状態になっています。美人エフェクトの効果は、肌のトーン、肌の色味、小顔などの各項目毎に調整可能です。またシャッターボタンはセルフタイマー方式になっていて、シャッターボタンをスライドさせると、スライド量に応じた秒数後にシャッターを切ることができます。
フロントカメラでもリアカメラと同じように撮影モードや撮影設定は変更できますが、マニュアル撮影や超解像度撮影など一部の機能は使えなくなります。

フロントカメラの初期撮影画面
表面温度のチェック
本体の表面温度のチェック結果です。もし表面温度が高すぎると、スマートフォンを持つ手が熱くなり不快になります。
本体の裏面を計測した結果、動画再生時でも本体の温度上昇はほとんどありませんでした。ただしゲームやストリーミング視聴などの高い負荷をかけるとこれよりもさらに熱くなる場合があります。


重量のチェック
ZenFone 3 (ZE520KL)本体の重量を測ったところ本体は約144gで、メーカー公表値の約144gに一致しました。

本体の重量測定結果
外観のチェック
外観です。今回のレビューで使用したのはサファイアブラックです。
表面は輪郭部分がシルバーで縁取られています。またディスプレイ下部分にはホームボタンアイコンなどの表示があります。このアイコンは画面表示ではないので、電源をオフにした状態でもそのままです。物理的なボタンではないので押すことはできません。

表側の全体像

本体表側の下部分
表側上部分のスピーカー部分は凹んでいますが、フロントカメラはパネル内側に埋もれています。このあたりの作りはiPhoneに似ています。

本体表側の上部
裏面です。全体が光沢感のあるガラスパネルに覆われています。見る角度によっては指紋や埃が目立ちます。触ったり叩いた感じはプラスチックっぽいです。

本体裏面
裏面の上部中央にリアカメラとLEDフラッシュ、レーザーオートフォーカス、指紋認証センサーが集まっています。

裏面の上部中央
側面は中央部分がわずかに丸みを帯びていて、つや消しのやや青みがかったブラックです。4隅には丸みがついています。上側面にはイヤホン端子があります。

上側面
下側面です。右側にスピーカーがあり、中央にUSB Type-C端子があります。

下側面
左側面の上側にはSIMスロット兼microSDスロットがあります。スロットのカバーは一つだけです。スロットカバーを閉じると、ほとんど隙間なくピッタリと閉じます。
SIMスロットを開けるにはスロットピンが必要です。スロットを開ける時は本体を裏向けにしてから開けると、スロットホルダーが上向きになります。

スロットのカバーを閉じた状態

スロットのカバーを開いた状態
右側面には電源ボタンと音量ボタンがあります。ちょうど左手でホールドした時に指先に電源ボタンがくる配置です。好みや慣れの問題だとは思いますが、筆者はふとしたときに間違って電源ボタンを押してしまうことがあったので、もう少し上のほうにボタンがあっても良かったと思います。逆にスリープ解除する時などには使いやすい配置です。
いずれのボタンにもZenFoneシリーズの特徴である、放射状の意匠が施されています。

音量ボタン(左)と電源ボタン(右)
各側面の一覧です。横から見るとリアカメラのある本体上部が少し浮き上がっています。

各側面の配置
付属品はUSB Type-CケーブルとAC電源アダプター、イヤホンマイクです。イヤホンマイクにはサイズ違いのイヤーカバーもついています。このほかにASUSロゴの入ったスロットピンや簡易的な取扱説明書、シリアル番号シールなどもついています。

付属品一式

ASUSデザインのSIMスロット解除ピン
まとめ
以上がASUS ZenFone 3 (ZE520KL)のレビューでした。
これまでのZenFoneシリーズからデザインを一新し、指紋認証センサーやレーザーオートフォーカスなどの機能も豊富に搭載しています。また4K動画に対応した1600万画素のリアカメラをはじめ、カメラ機能も充実しています。基本的なスペックが高いので、これらの搭載機能を快適に利用できます。
また日本国内でも不自由なく使えるデュアルスロットデュアルスタンバイに対応したSIMフリー端末です。2つの携帯番号を1つの端末でまとめたり、通話用SIMとデータ通信用SIMを分けて運用したいと思っていた方には、やっと現実的に使えるスペックが揃った、待望の端末だと思います。
本レビューでは紹介しきれませんでしたが、ZenMotionやZenUIなどZenFoneシリーズおなじみの機能はそのままに受け継いでいるので、旧モデルのZenFoneからの買い替えにもおススメです。ZenFone2やZenFone Goなどと比べるとやや高めの価格設定ですが、搭載されている機能とスペックを考えれば、抜群のコストパフォーマンスです。
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