サイコム G-Master Hydro Mini-ITX の実機レビュー

更新日:2016年3月18日

デュアル水冷システム

G-Master Hydro Mini-ITXは、CPUとGPUに水冷式クーラーを搭載した、デュアル水冷システムのゲーミングデスクトップパソコンです。

グラフィックカードは、GeForce GTX 970からTITAN Xまで幅広く選択可能です。

Mini-ITXケースを採用し、ミドルタワーPCケースよりコンパクトです。黒をベースに赤のアクセントをきかせたデザインもカッコいいです。

メーカー製PCと違い、パーツの型番が明確で、品質面でも安心です。

メーカー直販サイト:
サイコム(G-Master Hydro Mini-ITX)


※レビュー機は当サイトでの購入品です

目次

G-Master Hydro Mini-ITXの基本スペック

G-Master Hydro Mini-ITXの基本スペックをチェックします。特徴的な部分は赤字にしています。※2016年3月16日時点の情報です。時期が経つと選択できるパーツは異なる可能性があります。詳細はメーカーサイトでお確かめ下さい。

CPU
水冷クーラー搭載の第6世代インテルCPUです。本機はCore i5-6400を搭載しています。
マザーボード
Z170チップセットのMSI Z170I GAMING PROです。 H170のマザーにも変更可能です。
グラフィックカード
水冷クーラー搭載です。最大でGTX TITAN Xを選択できます。本機はGTX 970(4GB)です。
メモリ
最大で16GBです。本機は8GB。Vengeanceシリーズのメモリを指定することも可能です。
ハードディスク/SSD
HDDまたはSSDを2台まで選択可能です。本機は250GBのSSDを搭載しています。
光学ドライブ
内蔵光学ドライブは搭載できません
 
電源
様々な高品質な電源を選択可能です。本機は750W(80PLUS Gold)です。
拡張性
オープンベイはありません。3.5インチシャドウベイは2つ、2.5インチシャドウベイは1つです。

特徴1 - デュアル水冷システム

G-Master Hydro Mini-ITXは、CPUとグラフィックスの両方に水冷式クーラーを採用しています。

CPUのみ水冷式クーラーを用いているPCは多いですが、グラフィックカードまで水冷式なのは珍しいです。あってもGeForce GTX 970のみ対応などグラフィックカードが決まっていることが多いですが、本製品はGTX 970からGTX TITAN Xまでのグラフィックカードを幅広く選択することが可能です。

なお、グラフィックカードは、「ASETEK」社のグラフィックカード水冷ユニットを、サイコム社独自でNVIDIA GeForceのカードへ組み込んだものを使用しています。

パーツの温度のチェック」の項目で詳細を記載しますが、高い負荷をかけてもCPU温度、GPU温度とも低めで、これから夏に向けて安心してパソコンを使用することができます。


デュアル水冷システム

特徴2 - コンパクト(?)なMini-ITXタワーPCケース

本製品は、Mini-ITX用のPCケース「Enthoo EVOLV ITX PH-ES215P_SRD」を採用しており、"ミドルタワーPCケース"よりはコンパクトです。

ただし、他社のMini-ITXタワーPCとサイズを比較(下表)してみると、本製品は一回り大きく、特に幅と高さがあります。

Mini-ITXタワーPCの比較
サイコム
G-Master Hydro
Mini-ITX
マウス
LITTLEGEAR
パソコン工房
Level∞ C-Class
幅 230mm
奥行き 395mm
高さ 375mm
178mm
奥行き 395mm
高さ 298mm
178mm
奥行き 384mm
高さ 291mm

 

ミニタワーPCケースと比較してみても、大きさはほとんど変わりません。むしろ幅は一般的なミニタワーPCケースよりも広いです。コンパクトさについてはあまり期待しないようにしましょう。その代わり、デュアル水冷システムに、大型グラフィックカードを搭載できるだけの内部スペースが確保されています。


Mini-ITX用のPCケースの割には大きい

特徴3 - パーツの型番が分かるため安心

他社のパソコンは、マザーボードや電源、ストレージなど、どこのメーカーの何の型番を使っているか分からない場合が多く、若干品質の悪いパーツが搭載されていることも少なくないです。

一方、サイコムのPCなら、マザーボードや電源、ストレージなどの型番が記載されており、また品質の高いパーツを選択できるようになっており安心です。


パーツの型番が記載されている

 

また、「サイコムあんしん相性チェッカー」という機能がカスタマイズページに搭載されており、相性問題、物理的干渉等の問題がある組み合わせは、パーツ選択時にアラートが出るようになっています。万が一、組立時に未知の相性問題が発生したときは、ユーザーに連絡し、相談して対応を決めてくれるようです。


サイコムあんしん相性チェッカー

特徴4 - 高性能グラフィックカードを選択可能

本製品は、最大で、GeForce GTX TITAN Xのハイエンドグラフィックカードを選択できます。

今回は、本製品の標準構成であるGeForce GTX 970(4GB)を搭載しており、このときのベンチマークスコアは下表の通りです。なお、グラフィックドライバーバージョンは、執筆時点で最新の「362.00」です。

1920x1080の解像度なら、グラフィック設定を"最高"にしても、60fpsを超えるゲームがほとんどです。

ゲームベンチマーク
製品名 サイコム G-Master Hydro Mini-ITX
基本スペック Core i5-6400
GeForce GTX 970(4GB)
ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルド (DirectX 11) 標準品質 ★ 17431 (非常に快適)
高品質 ★ 12521 (非常に快適)
最高品質 11147 (非常に快適)
ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼア
キャラクター編
標準品質 ★ 24219 (非常に快適)
最高品質 14481 (非常に快適)
ドラゴンズドグマオンライン
低品質 11498 (とても快適)
標準品質 11483 (とても快適)
最高品質 11091 (とても快適)
ファンタシースターオンライン2 EP4 描画:3 58541 (快適)
描画:6 38133 (快適)
ファンタシースターオンライン2 ver.2 描画:3 133629 (快適)
描画:5 79011 (快適)
バイオハザード6 RANK S (22900)
モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐) 15881
ドラゴンクエストX 標準品質 16685 (すごく快適)
最高品質 16358 (すごく快適)
GRID Autosport ウルトラロー 289 fps
ミディアム 164 fps
ウルトラ 112 fps
トゥームレイダー LOW 342 fps
HIGH 188 fps
ULTIMATE 94 fps
Metro Last Light Low 109 fps
High 105 fps
Very High 94 fps
スリーピングドッグス 低品質 210 fps
高品質 132 fps
最高品質 72 fps
ドラゴンエイジ:インクイジション 低品質 120 fps
高品質 84 fps
最高品質 56 fps
★デスクトップPCの場合は「標準品質(デスクトップPC)」と「高品質(デスクトップPC)」、ノートPCの場合は「標準品質(ノートPC)」と「高品質(ノートPC)」の設定にしています。
※フレームレート(fps)の掲載値は、平均値です。最小値や最大値ではありません
※CPUやメモリなどの環境によってスコアが変わる点はご了承ください。
※ファイナルファンタジー XIV 蒼天のイシュガルドは、約7700スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ファイナルファンタジー XIV 新生エオルゼアは、約7000スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ドラゴンズドグマオンラインは、約5800スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ファンタシースターオンライン2 EPISODE4は、約4200スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ファンタシースターオンライン2 ver.2は、約2700スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※バイオハザード6は、約9000スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※モンスターハンターフロンティア 第三弾(大討伐)は、約6000スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※ドラゴンクエストXは、約5500スコアで平均60fps(当サイト調べ)
※通常の液晶ディスプレイは60Hz駆動であるため、ゲームを快適にプレイするには最低でも平均60fpsは欲しいです。ただし、平均fpsが60でも最小fpsはもっと小さいため、60fpsを切らないようにプレイするには平均80~100fpsは欲しいです。また、120Hz駆動の液晶ディスプレイを使用している方は、最低でも平均120fpsは欲しいです。

まもなく発売のOculus Riftの動作チェック結果です(下図)。Oculus Riftの推奨スペックを全て満たしています。


Oculus Riftの動作チェックツールの実行結果

GPU-Zで確認した、GeForce GTX 970の情報は次の通りです。


GeForce GTX 970のグラフィックカードのスペック

パフォーマンスのチェック

パフォーマンスのチェックです。

様々なパーツを選択でき、ミドルハイからハイエンドな構成にすることが可能です。

Core i5-6400、8GB メモリ、GeForce GTX 970、250GB SSDの構成でのベンチマーク結果は次の通りです。3DMarkなどGTX 970を搭載している割には低く感じるかもしれませんが、これはCPUをCore i5-6400にしたためです。Core i7-6700を搭載すれば、もっとスコアは上がります。

PassMark Performance Test 8.0

3DMark


※ FIRE STRIKE:高性能GPU向け、SKY DIVER:ミドルレンジGPU向け、
CLOUD GATE:一般ノート向け、ICE STORM:タブレットやスマホ等のモバイル向け

PCMark 8

動画のエンコード時間

2015年10月24日より、エンコードのテスト内容を変更しましたので、ご注意ください。

TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間
  Core i5-6400
GeForce GTX 970(4GB)
x265でエンコード (※1) 22分21秒
x264でエンコード (※2) 11分16秒
NVENCでエンコード (※3) 5分54秒
QSVでエンコード (※4)
XAVC Sの動画(約5分、4K)をMP4(FHD)へ変換。x265はH.265/HEVC、それ以外はH.264/AVCへ変換
※1 4Kや8Kにも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが、出力ファイル容量は従来の約半分
※2 H.264エンコーダーの中で、現在人気の高いエンコーダー。ほどほどの速度で高画質
※3 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載される最新ハードウェアエンコーダー。従来のCUDAより速度、画質とも向上
※4 CPU内蔵のハードウェアエンコーダー。エンコードが高速

ストレージのベンチマーク


250GB SSD(Crucial CT250MX200SSD1)

 

 

 

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