第7世代CPUと第6世代CPUのベンチ比較(ノートPC編)
更新日:2017年2月11日
2016.10.05 初稿
2017.01.30 スコアが低めだったベンチマークを別のPCで再計測
2017.02.11 Core i7-7700HQのベンチマークスコアを追記
はじめに
ノートPC向けの第7世代Coreプロセッサー「Kaby Lake-U」のベンチマークスコアを掲載します。
ベンチマークを計測したのは、UシリーズのCore i3-7100U、Core i5-7200U、Core i7-7500Uおよび、HシリーズのCore i7-7700HQです。また各CPUごとに、旧世代(第6世代)のプロセッサーもベンチマークを計測し、第7世代と比較しています。
なお、同じ筐体のPCでテストしたわけではなく、メモリやストレージの種類なども異なるPCで計測しています。別のPCで計測すると、スコアがもっと上がったり、逆に下がったりするケースもあります。ご了承下さい。
このページでは、ノートPC向けのCPUについて比較しています。デスクトップPC向けの「Kaby Lake-S」の比較については、「第7世代CPUと第6世代CPUのベンチ比較(デスクトップPC編)」をご覧ください。
Core i3-7100Uのベンチマーク
まずは、Core i3について、第7世代と第6世代のプロセッサーを比較します。
仕様は次の通りになっています。第7世代プロセッサーはベースクロックが増加しているものの、上昇率は4%ほどです。Core i3はTurbo Boost機能もなく、仕様上は第6世代プロセッサーとそれほどCPU性能は変わっていません。TDPも一緒です。
第7世代プロセッサー | 第6世代プロセッサー | |
---|---|---|
Core i3-7100U | Core i3-6100U | |
開発コード名 | Kaby Lake | Skylake |
コア数/スレッド数 | 2/4 | 2/4 |
ベースクロック | 2.4GHz | 2.3GHz |
Turbo Boost時の最大動作クロック | - | - |
TDP | 15W | 15W |
CPU処理性能の比較(Core i3)
CPU性能ついて、各ベンチマークスコアを比較したのが下の表です。ややスコアは良くなっていますが、微増といったところです。
テスト内容 | Core i3-7100U | Core i3-6100U | スコア上昇率 | |
---|---|---|---|---|
CPU性能を 評価するテスト |
Passmark - CPU Mark | 3749 | 3483 | 8% |
CINEBENCH R15 - CPU (Multi-Core) | 255 cb | 245 cb | 4% | |
CINEBENCH R15 - CPU (Single-Core) | 99 cb | 96 cb | 3% | |
Geekbench 4 - CPU (Multi-Core) | 5592 | 5299 | 6% | |
Geekbench 4 - CPU (Single-Core) | 2955 | 2794 | 6% | |
x265でH.265/HEVCエンコード | 52分20秒 | 55分52秒 | 7% | |
平均 | 6% |
グラフィック性能の比較(Core i3)
次に、グラフィック性能を比較したのが下の表です。テストにもよりますが、平均して20%ほどスコアがUPしています。グラフィック性能は、割と良くなっていると思います。
テスト内容 | Core i3-7100U | Core i3-6100U | スコア上昇率 | |
---|---|---|---|---|
グラフィック 性能を 評価するテスト |
3DMark Sky Diver - Graphics score | 3514 | 2860 | 23% |
3DMark Cloud Gate - Graphics score | 6601 | 5259 | 26% | |
CINEBENCH R15 - OpenGL | 37.73 fps | 31.58 fps | 19% | |
FF XIV (1280x720、標準(ノートPC)) | 2547 (平均18.9fps) | 2014 (平均14.7fps) | 26% | |
ドラゴンクエスト X (1280x720) | 6461 (快適) | 5656 (快適) | 14% | |
QSVでH.265/HEVCエンコード | 5分30秒 | 5分59秒 | 9% | |
平均 | 20% |
Core i5-7200Uのベンチマーク
Core i5について、第7世代と第6世代のプロセッサーを比較します。
仕様は次の通りになっています。
ベースクロックは約9%増え、Turbo Boost時の最大クロックは約11%増えています。Core i3ではTurbo Boost機能がありませんでしたが、Core i5ではTurbo Boost機能があり、クロックの上昇率も高くなっています。TDPは第6世代と代わっていません。
第7世代プロセッサー | 第6世代プロセッサー | |
---|---|---|
Core i5-7200U | Core i5-6200U | |
開発コード名 | Kaby Lake | Skylake |
コア数/スレッド数 | 2/4 | 2/4 |
ベースクロック | 2.5GHz | 2.3GHz |
Turbo Boost時の最大動作クロック | 3.1GHz | 2.8Ghz |
TDP | 15W | 15W |
CPU処理性能の比較(Core i5)
CPU性能ついて、各ベンチマークスコアを比較したのが下の表です。平均で約12%、スコアが上昇しています。
テスト内容 | Core i5-7200U | Core i5-6200U | スコア上昇率 | |
---|---|---|---|---|
CPU性能を 評価するテスト |
Passmark - CPU Mark | 5080 | 4336 | 17% |
CINEBENCH R15 - CPU (Multi-Core) | 334 cd | 290 cb | 15% | |
CINEBENCH R15 - CPU (Single-Core) | 130 cd | 117 cb | 11% | |
Geekbench 4 - CPU (Multi-Core) | 7378 | 6577 | 12% | |
Geekbench 4 - CPU (Single-Core) | 3817 | 3570 | 7% | |
x265でH.265/HEVCエンコード | 42分30秒 | 48分17秒 | 12% | |
平均 | 12% |
グラフィック性能の比較(Core i5)
次に、グラフィック性能を比較したのが下の表です。テストにもよりますが、平均して11%ほどスコアがUPしています。
テスト内容 | Core i5-7200U | Core i5-6200U | スコア上昇率 | |
---|---|---|---|---|
グラフィック 性能を 評価するテスト |
3DMark Sky Diver - Graphics score | 3834 | 3519 | 9% |
3DMark Cloud Gate - Graphics score | 8077 | 7618 | 6% | |
CINEBENCH R15 - OpenGL | 45.67 fps | 38.84 fps | 18% | |
FF XIV (1280x720、標準(ノートPC)) | 3434(平均25.6fps) | 3076 (平均22.9fps) | 12% | |
ドラゴンクエスト X (1280x720) | 7788 (とても快適) | 6960 (快適) | 12% | |
QSVでH.265/HEVCエンコード | 4分24秒 | 4分43秒 | 7% | |
平均 | 11% |
Core i7-7500Uのベンチマーク
Core i7について、第7世代と第6世代のプロセッサーを比較します。
ベースクロックは約8%増え、Turbo Boost時の最大クロックは約13%も増えており、Turbo Boost時のクロックの上昇率が、他のCPUに比べて大きくなっています。一方、TDPは第6世代と代わっていません。
第7世代プロセッサー | 第6世代プロセッサー | |
---|---|---|
Core i7-7500U | Core i7-6500U | |
開発コード名 | Kaby Lake | Skylake |
コア数/スレッド数 | 2/4 | 2/4 |
ベースクロック | 2.7GHz | 2.5GHz |
Turbo Boost時の最大動作クロック | 3.5GHz | 3.1Ghz |
TDP | 15W | 15W |
CPU処理性能の比較(Core i7)
CPU性能ついて、各ベンチマークスコアを比較したのが下の表です。平均で約15%、スコアが上昇しています。
テスト内容 | Core i7-7500U | Core i7-6500U | スコア上昇率 | |
---|---|---|---|---|
CPU性能を 評価するテスト |
Passmark - CPU Mark | 5888 | 4998 | 18% |
CINEBENCH R15 - CPU (Multi-Core) | 333 cd | 324 cb | 3% | |
CINEBENCH R15 - CPU (Single-Core) | 148 cd | 131 cb | 13% | |
Geekbench 4 - CPU (Multi-Core) | 8426 | 7200 | 17% | |
Geekbench 4 - CPU (Single-Core) | 4409 | 3499 | 26% | |
x265でH.265/HEVCエンコード | 41分4秒 | 45分36秒 | 10% | |
平均 | 15% |
グラフィック性能の比較(Core i7)
次に、グラフィック性能を比較したのが下の表です。テストにもよりますが、平均して11%ほどスコアがUPしています。
テスト内容 | Core i7-7500U | Core i7-6500U | スコア上昇率 | |
---|---|---|---|---|
グラフィック 性能を 評価するテスト |
3DMark Sky Diver - Graphics score | 4002 | 3713 | 8% |
3DMark Cloud Gate - Graphics score | 8547 | 8029 | 6% | |
CINEBENCH R15 - OpenGL | 46.14 fps | 43.31 fps | 7% | |
FF XIV (1280x720、標準(ノートPC)) | 4082 (平均:30.7fps) | 3454 (平均:25.4fps) | 18% | |
ドラゴンクエスト X (1280x720) | 8728 (とても快適) | 7083 | 23% | |
QSVでH.265/HEVCエンコード | 4分14秒 | 4分19秒 | 2% | |
平均 | 11% |
Core i7-7700HQのベンチマーク
Core i7について、第7世代と第6世代のプロセッサーを比較します。
仕様は次の通りになっています。
ベースクロックは約8%増え、Turbo Boost時の最大クロックも約9%も増えています。
第7世代プロセッサー | 第6世代プロセッサー | |
---|---|---|
Core i7-7700HQ | Core i7-6700HQ | |
開発コード名 | Kaby Lake | Skylake |
コア数/スレッド数 | 4/8 | 2/4 |
ベースクロック | 2.8GHz | 2.6GHz |
Turbo Boost時の最大動作クロック | 3.8GHz | 3.5Ghz |
TDP | 45W | 45W |
CPU処理性能の比較(Core i7)
CPU性能ついて、各ベンチマークスコアを比較したのが下の表です。平均で約8%、スコアが上昇しています。
テスト内容 | Core i7-7700HQ | Core i7-6700HQ | スコア上昇率 | |
---|---|---|---|---|
CPU性能を 評価するテスト |
Passmark - CPU Mark | 9872 | 9151 | 8% |
CINEBENCH R15 - CPU (Multi-Core) | 690 cb | 668 cb | 3% | |
CINEBENCH R15 - CPU (Single-Core) | 160 cb | 137 cb | 17% | |
Geekbench 4 - CPU (Multi-Core) | 13625 | 13005 | 5% | |
Geekbench 4 - CPU (Single-Core) | 4633 | 4184 | 11% | |
x265でH.265/HEVCエンコード | 22分12秒 | 23分08秒 | 4% | |
平均 | 8% |
グラフィック性能の比較(Core i7)
次に、グラフィック性能を比較したのが下の表です。テストにもよりますが、平均して10%もスコアがUPしています。
テスト内容 | Core i7-7700HQ | Core i7-6700HQ | スコア上昇率 | |
---|---|---|---|---|
グラフィック 性能を 評価するテスト |
3DMark Sky Diver - Graphics score | 4431 | 3975 | 11% |
3DMark Cloud Gate - Graphics score | 9913 | 8999 | 10% | |
CINEBENCH R15 - OpenGL | 54.91 fps | 49.65 fps | 11% | |
FF XIV (1280x720、標準(ノートPC)) | 4699 (平均:35.0fps) | 4459 (平均:33.1fps) | 5% | |
ドラゴンクエスト X (1280x720) | 8961 (とても快適) | 7897 (とても快適) | 13% | |
QSVでH.265/HEVCエンコード | 3分9秒 | 3分29秒 | 10% | |
平均 | 10% |
4Kへの対応も万全
第7世代インテルCoreプロセッサーは、処理速度が向上しただけではなく、4K動画関連の機能も強化されています。VP9およびHEVC 10ビットのコーデックに対応し、今後提供される4Kコンテンツへの対応も万全です。また、これらのコーデックの4K動画を再生する際、CPU負荷が下がり、消費電力も低く抑えられています。
4Kコンテンツ | 第7世代Core | 第6世代Core |
---|---|---|
プレミアムコンテンツ(HEVC 10ビット) <ソニーピクチャーズ、FANDANGONOWなど> |
最大4K UHDビデオストリーミング "All Day 4K"バッテリー駆動(9.5時間) |
最大1080pのビデオストリーミング |
4K、4K 360 YouTube ビデオ(VP9) | 1.75倍も長いバッテリー駆動時間 (7時間) |
4時間のバッテリー駆動時間 |
ディズニー マルチビデオストリーミング | 4K 360度コンテンツストリームの 追加フォーマットをサポート |
複数のビデオストリームを 同時に視聴 |
まとめ
Core i3-7100UのCPU性能をテストするベンチマークスコアは、旧世代に比べて6%程度の上昇でした。Core i5-7200U、Core i7-7500Uに関しては、TurboBoost時のクロックが10%以上増えていることもあり、ベンチマークスコアも、10%程度上昇していました。TurboBoostがあるCore i5、Core i7のほうが、性能が向上していることをより感じられると思います。Core i7-7700HQのスコアも順当に伸びています。
各CPUのグラフィック性能は、CPUやベンチマークソフトによって差がありましたが、10%~15%ほど、ベンチマークスコアが上昇していました。
なお、当サイトでのテスト結果であり、テストするPCが変われば結果も変わる可能性があるためご了承下さい。
最後に、第7世代Core プロセッサーを搭載したPCは下のリンク先をご覧ください。