Core i5-8250Uのベンチマーク

初稿:2017年10月11日

Core i5-8250Uのベンチマーク

はじめに

ここでは、Core i5-8250Uのベンチマークスコアを掲載します。

Core i5-8250Uは、第8世代となるインテルCoreプロセッサーで、主にノートPCに採用されるCPUです。末尾に「U」が付くUシリーズのプロセッサーとしては、初めてコア数が4つになり、8スレッドの同時実行が可能です。

なお、1台のパソコンでしか計測していません。他のパソコンで計測したことがないため標準的なスコアなのかどうか分かりません。もし、他のパソコンで計測した結果が大きく変わるようであれば、通知の上、結果を差し替える可能性があるためご了承下さい。

【結果概要】旧CPUより1.5倍以上速い

お忙しい方のために、結果の概要だけ先に紹介します。

CPU性能を評価する「CINEBENCH R15」のマルチコアのベンチマークスコアの結果は下図の通りで、Core i5-8250Uは、旧世代のCore i5-7200Uより約1.6倍もスコアが伸びました。旧世代のCore i7-7500Uをはるかに上回るスコアでした。


CINEBENCH R15(マルチコア)

 

また、同じくCPU性能評価する「Passmark」のCPU MARKのベンチマークスコアの結果は下図の通りで、Core i5-8250Uは、旧世代のCore i5-7200Uより約1.7倍もスコアが伸びました。Core i7-7500Uをはるかに超え、「Hシリーズ」のCore i7-7700HQに迫るスコアでした。


Passmark - CPU MARK

4コアになったCore i5-8250Uの仕様

Core i5-8250Uの主な仕様は、次の通りです。第7世代のCPUと比べると、コア数およびスレッド数が2倍になり、ターボブースト時の最大動作クロックも3.4GHzへと上がっています。またキャッシュも増加しています。その代わり、ベースクロックは下がっています。

内蔵グラフィックスについては、名称が「Intel HD~」から「Intel UHD~」に変わり、4K対応であることがよりアピールされています。

Core i5-8250UとCore i5-7200Uの仕様比較
  第8世代プロセッサー 第7世代プロセッサー
Core i5-8250U Core i5-7200U
開発コード名 Kaby Lake R Kaby Lake
コア数/スレッド数 4 / 8 2 / 4
ベースクロック 1.6GHz 2.5GHz
ターボブースト時の
最大動作クロック
3.4GHz 3.1GHz
キャッシュ 6MB 3MB
内蔵グラフィックス Intel UHD Graphics 620 Intel HD Graphics 620
TDP 15W 15W

今回はレノボ YOGA 920でテスト

今回は、第8世代インテルCoreプロセッサー「Core i5-8250U」を搭載した新製品、レノボ YOGA 920でテストしています。

かなり薄型のPCで、吸気口も底面にはなく側面にあるため、サーマルスロットリングが発生しないか気になりましたが、確認した限りでは、発生していませんでした。万が一、他のPCで計測して、今回よりもかなり高いスコアが出た場合は、その旨を記載し、結果を差し替える可能性があります。

なお、こちらのモバイルPCのレビュー記事については、後日掲載します。


YOGA 920

Core i5-8250Uの各種ベンチマークスコア

CINEBENCH R15

まず、Core i5-8250UのCINEBENCH R15のスコアですが、マルチコアで「546」というスコアでした。

旧世代のCore i5-7200Uのと比較した場合、約1.6倍はスコアが伸びていました。

ただし、シングルコアのスコアは、旧世代CPUの約1.1倍で、ほとんど差はなかったです。最近はあまりないですが、マルチコアに対応していないアプリの場合は、それほど速くはなりません。


CINEBENCH R15

Passmark - CPU Mark

次にPassmarkのCPU Markのスコアですが、「8587」と非常に高いスコアでした。

旧世代のCore i5-7200Uのと比較した場合、約1.7倍はスコアが伸びていました。


Passmark - CPU Mark

Geekbench 4

次は、Core i5-8250UのGeekbench 4のスコアですが、マルチコアで「13017」と非常に高いスコアでした。

旧世代のCore i5-7200Uのと比較した場合、約1.8倍はスコアが伸びていました。

ただし、シングルコアのスコアは、旧世代CPUとほとんど差はなかったです。


Geekbench 4

TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間

次は、TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間を計測します。

XAVC Sの動画をH.265/HEVCへ変換する処理を確認したところ、28分15秒でした。他の"第8世代"Core i7搭載PCでテストしたときは、エンコード中にサーマルスロットリングが発生してしまいましたが、本製品はそんなこともありませんでした。

旧世代のCore i7-7500Uで同様の処理を行った場合と比較すると、旧世代CPUより3分の2の時間で処理が完了しました。かなり速いです。


TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間

3dMark Cloud Gate

次に、グラフィック性能を計測する3D Mark のCloud Gateのベンチマーク結果ですが、「Graphics score」は「9377」でした。旧世代CPUと比べると、約1.1倍スコアが高くなりました。グラフィックス性能も少し良くなっているようですが、CPU性能に比べると差は小さいです。


3D Mark - Cloud Gate

ベンチマークスコアのまとめ

最後に、上で掲載したベンチマークスコアを含め、今回掲載したベンチマークスコアをすべて掲載します。

CPU処理性能の比較

Core i5-8250UとCore i5-7200Uの比較
  テスト内容 Core i5-8250U Core i5-7200U
CPU性能を
評価するテスト
Passmark - CPU Mark 8587 5080
CINEBENCH R15 - CPU (Multi-Core) 546 cb 334 cb
CINEBENCH R15 - CPU (Single-Core) 147 cb 130 cb
Geekbench 4 - CPU (Multi-Core) 13017 7378
Geekbench 4 - CPU (Single-Core) 4059 3817
x265でH.265/HEVCエンコード 28分15秒 42分30秒

グラフィック性能の比較

Core i5-8250UとCore i5-7200Uの比較
  テスト内容 Core i5-8250U Core i5-7200U
グラフィック
性能を
評価するテスト
3DMark Sky Diver - Graphics score 4162 3834
3DMark Cloud Gate - Graphics score 9377 8077
CINEBENCH R15 - OpenGL 51.16 fps 45.67 fps
ドラゴンクエスト X (1280x720) 8003 (とても快適) 7788 (とても快適)
QSVでH.265/HEVCエンコード 3分38秒 4分24秒

まとめ

Core i5-8250Uは、4コアになったことにより、マルチコアのベンチマークスコアが大きく向上しています。旧世代CPUと比べると、1.5倍以上もスコアが上がっています。

動画編集やエンコード処理など、CPU負荷の高い作業をするときに、快適になったと思います。旧世代のHシリーズのCore i7-7700HQに近い処理性能があると思います。

2017年秋冬モデルのパソコンには、この第8世代Coreプロセッサーを搭載したパソコンが、続々登場すると思うので、これからPCを買う方は、このCPUを搭載したPCがおすすめです。

ただし、編集系の作業をしない方であれば、値下がりしている第7世代Coreプロセッサーを搭載したパソコンがお買い得だと思います。