HP ENVY 13 x360の実機レビュー

更新日:2018年7月25日

 

後継モデルが発売されました

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HP ENVY x360 13のレビュー

【PR】【貸出機材提供:株式会社日本HP】

CPU AMD Ryzen 5 2500U
AMD Ryzen 3 2300U
メモリ 4GB / 8GB
ストレージ 256GB PCIe SSD
液晶サイズ 13.3型
液晶種類 フルHD IPS タッチ
質量 約1.31kg
バッテリー 約11時間
価格 7万円台(税別)~
AMD Ryzenを搭載しコスパと満足度が高い2 in 1 PC

ENVY 13 x360は、AMD Ryzenを搭載し、非常にコストパフォーマンスの高い製品となっています。他の13.3型の2 in 1 PCと比べて性能はいいのに、価格は安くなっています。

360度回転するヒンジを備えた、コンバーチブル型の2 in 1 PCです。コンバーチブル型のPCの割に、厚みは約16mmと薄めです。デザイン性にも優れており、高級感のある外見です。

Spectreアクティブペンにも対応しており、メモやスケッチなどもできます。

プレミアムで性能の高いPCをリーズナブルに入手したい、という一見矛盾するような希望をかなえてくれる満足度の高いPCです。

公式サイトはこちら

 

レビュー機は、メーカーからの貸出機です。今回は次の構成でレビューをしています。

レビュー機の構成

AMD Ryzen 3 2300U、Radeon Vega 6 Graphics、4GBメモリ、256GB PCIe SSD

目次

お忙しい方は、「ENVY 13 x360の特徴」のみお読みください。

ENVY 13 x360の特徴

AMD Ryzen搭載を搭載し、優れたコスパ

ENVY 13 x360は、プロセッサーにAMD Ryzenを搭載し、非常にコストパフォーマンスに優れた製品です。

ライバルのUシリーズの第8世代Coreプロセッサーよりも性能が高いのに、価格は安くなっています。

AMD Ryzenのプロセッサー性能

HPに掲載されている比較グラフによると、AMD Ryzen 3 2300UはCore i3-8130Uの性能を超えており、AMD Ryzen 5 2500UはCore i7-8500U(おそらく、正しくはCore i7-8550U)の性能を超えています。

今回、Ryzen 3 2300Uでベンチマークを取ってみましたが、下図と同様な結果でしたので、Ryzen 5 2500Uの結果も信頼できると思います。

メーカーサイトから抜粋(CINEBENCH R15のベンチスコア)

AMD Ryzenのグラフィック性能

また、AMD Ryzenに搭載されているグラフィックスの性能も優れています。第8世代Core iプロセッサーに内蔵されているインテル UHD グラフィックス 620よりもやや高い性能となっています。

メーカーサイトから抜粋

AMD Ryzenのコストパフォーマンス

ライバル機種のスペックと価格を比較したのが下表です。

ENVY 13 x360は、性能は高いCPUを搭載しているのにも関わらず、PC本体の価格は安く、コストパフォーマンスは非常に高いです。

  ENVY 13
x360
Inspiron 13
7000 2-in-1
ThinkPad
L380 Yoga
CPU Ryzen 5 2500U Core i7-8550U Core i5-8250U
メモリ 8GB
ストレージ 256GB SSD
液晶 フルHD IPS
インター
フェース
USB 3.1 x2
USB Type-C
microSD
HDMI
USB 3.1 x2
USB Type-C
SDカード
HDMI
USB 3.0 x2
USB Type-C x2
microSD
質量 約1.31kg 約1.48kg 約1.56kg
サイズ 約306x215
x16mm
約309.6x215.7
x15.51mm
約322x224.2
x18.8mm
バッテリー 最大11時間 不明 38WHr 約12.8時間
価格[税別] 104,800円 107,883円 142,560円
2018年7月25日の価格です

 

コンバーチブル型なのに薄くてスマート

ENVY 13 x360は、コンバーチブル型のPCですが、最薄部は約15mmと比較的薄くなっており、またナローベゼルを採用することでスマートな外観となっています。もちろん、コンバーチブル型なので、好みのスタイルで使用することができます。

薄型のボディ
ナローベゼル採用
液晶が360度回転し様々な形状で使用可能

 

カラーリングは、HPのプレミアムシリーズには珍しく、ダークアッシュブラックです。ブラック系の筐体だと地味なPCを連想しがちですが、ENVY 13 x360は引き締まったイメージの、かっこいい外見となっています。アルミボディなので、耐久性にも優れています。また、2 in 1ではないクラムシェルのENVY 13と同様に、ダマスカス鋼の模様が施されています。

ダークアッシュブラックカラー&ダマスカス鋼の模様

 

Spectreアクティブペンに対応

ENVY 13 x360は、アクティブペンに対応しています。

アクティブペンは、傾き検知に対応したSpectre アクティブペン2と、対応していないSpectre アクティブペンが使えます。どちらのペンも1024段階の筆圧感知に対応し、Microsoft Penプロトコル(N-Trig)を採用しています。

ただし、アクティブペンは同梱されていませんので、必要であれば別途購入する必要があります。

 

ENVY 13 x360の注意

まず、ENVY 13 x360のSDカードスロットは、micro SDカードのみ対応です。フルサイズのSDカードは使えませんので、カメラユーザーはご注意下さい。また、Enterキーが端にないため、打ちにくさを感じる方もいるかと思います(詳細はこちら)。

バッテリー容量が大きい割には、バッテリー駆動時間が短く、特に動画再生時の駆動時間が短いのが気になりました。

 

液晶ディスプレイのチェック

ENVY 13 x360の液晶ディスプレイのチェックです。

視野角は広いです。

視野角(斜めから見たときの見やすさ)

 

カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線です。やや暖色系ですが、どの色も比較的揃っていて直線的です。自然な発色であることが分かります。

ガンマ補正曲線
※ i1 Display Proで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

 

色域はノートパソコンとしては広めです。光沢液晶ということもあり、写真などを鮮やかに表示できるでしょう。

ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

 

画素形状です。ギラつきはありません。斜めの電極線がやや見えますが、それほど気にならないでしょう。

画面拡大

 

光沢液晶ですので、映り込みがあります。

画面への映り込み

キーボードおよびタッチパッドのチェック

キーボードとタッチパッドのチェックです。

キーピッチは約19×18.7mm、キーストロークは1.3mmとなっています。キーピッチは十分ですが、キーストロークはやや浅めです。Enterキーが端になく、慣れないと誤って「pg dn」などのキーを押してしまうときがあります。ただ、「@」や「}」などのキー幅が狭くなっていないのは良かったと思います。

キーボード全体図
キーの拡大図

 

キーボードバックライトも搭載しています。

キーボードバックライト

 

タッチパッドおよびクリックボタンの操作性は普通です。

タッチパッド

 

パフォーマンスのチェック

ENVY 13 x360のパフォーマンスのチェックです。

CPU

AMD Ryzen 3 2300UとAMD Ryzen 5 2500Uのモデルがありますが、今回はAMD Ryzen 3 2300Uを搭載しています。初めて使うCPUでしたが、Core i3-8130Uよりも高いスコアでした。一般的なユーザーが行う作業ならこのCPUで十分でしょう。クリエイティブな作業もしようと考えているなら、AMD Ryzen 5 2500Uを選択すると良いでしょう。

CPU性能の目安
(CINEBENCH R15 マルチコア)
※コメントは筆者の独自判断
※灰色のバーのパーツは選択できません

 

グラフィックス

AMD Ryzen 3 2300UはRadeon Vega 6 Graphicsというグラフィックスを搭載し、AMD Ryzen 5 2500UはRadeon Vega 6 Graphicsを搭載しています。今回、Radeon Vega 6 Graphicsのベンチマークを計測してみましたが、インテルCPUに内蔵されているIntel UHD 620 グラフィックスよりもやや高い性能でした。ただし、GeForce MX 150よりも大分劣る性能ですし、Radeonだと、GPU高速処理が使えないアプリケーションも多いので、クリエイティブ作業の用途には不向きです。

グラフィックス性能の目安
(3DMark Time Spy)
※コメントは筆者の独自判断
※灰色のバーのパーツは選択できません

 

ストレージ

ストレージは、高速なPCIe-NVMe SSDを搭載しています。

ストレージ性能の目安
(CrystalDiskMark)
※コメントは筆者の独自判断
※灰色のバーのパーツは選択できません

 

レビュー機で計測したベンチマーク

以下、レビュー機で計測したベンチマーク結果を掲載します。

CINEBENCH R15
~ CPU性能の評価 ~

Core i3-8130Uよりもやや高いスコアでした。Webブラウザ、年賀ソフト、Officeソフトなどは快適に動くことでしょう。

AMD Ryzen 3 2300U
PassMark Performance Test 9.0 - CPU MARK
~ CPU性能の評価 ~

こちらもCore i3-8130Uよりもやや高いスコアでした。

AMD Ryzen 3 2300U
3DMark
~ グラフィックス(DirectX)の評価 ~

ゲームをするにはスペック不足です。インテル UHD 620 グラフィックスよりはやや高い性能ですが、できることが増えるわけではありません。



AMD Ryzen 3 2300U、Radeon Vega 6 Graphics
TMPGEnc Video Mastering Works 6によるエンコード時間

x265によるソフトウェアエンコードは、Core i3-8130Uよりやや遅かったです。AMD Ryzen 3 2300Uは、ベンチマークソフトではCore i3-8130Uより高いスコアでしたが、実際のソフトではこのようにCore i3-8130Uよりも遅いケースもあると思います。

  AMD Ryzen 3 2300U
Radeon Vega 6 Graphics
[参考]
Core i3-8130U
Intel UHD 620
x265でエンコード (※1) 45分55秒 43分57秒
NVENCでエンコード (※2)
QSVでエンコード (※3) 3分59秒
VCEでエンコード(※4) 3分17秒
XAVC Sの動画(約2分、4K)をH.265/HEVCへ変換したときの時間
※1 "4K"や"8K"にも対応したx264の後継のエンコーダー。エンコードは遅いが画質が綺麗
※2 NVIDIAのKeplerコア以降のGPUに搭載されるハードウェアエンコーダー
※3 Intel CPU内蔵のハードウェアエンコーダー(Intel Media SDK)
※4 AMD APU内蔵のハードウェアエンコーダー(AMD Media SDK)
CrystalDiskMark 6(SSD)
~ 内蔵ストレージ性能の評価 ~

シーケンシャルリードが3,000MB/sを超えることは無かったですが、非常に高速なアクセス速度です。

256GB PCIe SSD

 

カードリーダー/ライターのチェック

内蔵カードリーダー/ライターのチェックです。

micro SDカードのみ対応しています。フルサイズのSDカードに対応していないのは残念ですが、2 in 1 PCはmicro SDカードのみという仕様が多いです。挿入後の出っ張りはほとんどないですが、カバンなどへ入れて押されて出てくる可能性はあるかもしれません。


SDカード挿入後の画像

 

SDカードリーダー/ライターの速度は普通です。UHS-IIには対応していませんでした。

CrystalDiskMark 6(SDカード)
~ SDカードスロット性能の評価 ~
最大95MB/sのUHS-Iのカードで測定

 

USB Type-C 充電器 / ドックの動作テスト

USB Type-Cポートを利用して、他の充電器やドックが使えるかを試しました。

Thunderbolot 3には対応していませんでしたが、充電や、USB Type-Cドックの使用はできました。

USB Type-C/Thunderbolt対応の充電器/ドックとの互換性
  充電できるか? 外部モニター / LANの拡張
ThinkPad USB Type-C ドック
ThinkPad Thunderbolt 3 ドック ×
ZHOULX 充電器(65W)

 

質量のチェック

ENVY 13 x360の質量のチェックです。

当サイトによる質量の計測値は下図の通りです。ENVY 13よりもやや重くなっています。2 in 1 PCである必要がなければENVY 13でもいいと思います。

質量の計測結果

 

バッテリー駆動時間のチェック

バッテリー駆動時間のチェックです。

実機にてバッテリー容量を確認すると、約53Whでした。比較的多い容量です。

バッテリー駆動時間は次の通りです。PCMark 8 Workによる計測では、他のモバイルノートPCよりもやや短めの駆動時間です。動画再生時は消費電力が大きいようで、さらに駆動時間が短くなっていました。Ryzenプロセッサーはバッテリー駆動時間の面ではデメリットになるようです。

バッテリー駆動時間の計測結果(当サイトによる実測値)
  駆動時間
PCMark 8 Home テスト ※1
PCMark 8 Work テスト ※2 5時間9分
動画再生時 ※3 5時間5分
※画面輝度は約120cd/m2、電源モードは高パフォーマンス
※1 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、画像編集、ビデオチャット、軽いゲームなどを実行
※2 ブラウザでのショッピング/大量の画像閲覧、文書作成、表計算、ビデオチャットなどを実行
※3 ローカルディスクに保存した動画(解像度:720x480)を連続再生

 


 

 

以下、静音性、パーツの温度、表面温度、消費電力を計測していますが、搭載するパーツの種類によって結果は変わります。

静音性のチェック

動作音(静音性)のチェック結果です。

アイドル時はほぼ無音です。高めの負荷をかけたときは、やや低めの騒音値だと思います。

騒音値
計測機器:リオン NL-42K
部屋を極力無音にしたときの騒音値:20.0dB
※無響室で測定したわけではないので、数値は不正確です
※CPU使用率およびGPU使用率は平均値です
【PCの状態】
左から1番目:アイドル時(何も操作していない状態)
左から2番目:Adobe Premiere Proで、4K動画にエフェクトをいくつかかけてプレビューした時
左から3番目:TMPGEnc Video Mastering Works でエンコードした時(x265)
左から4番目:FF14 紅蓮ベンチマーク ループ(60fps制限)実行時(標準品質(デスク)、1920x1080)

 

参考までに、当サイトで使用している騒音計が表示する騒音値の目安を掲載します。

使用計器の騒音値の目安
20dB ほぼ無音
21~25dB PCに近づかないと音が聞こえないレベル
26~30dB PCから少し離れても音が聞こえるレベル
31~35dB 静かな扇風機くらいの音
36~40dB PCの近くにいると、ややうるさく感じるレベル
41~45dB 少し風量を上げた扇風機くらいの音。一般的なデスクトップPC音
46~50dB 一般的なエアコン音くらい。うるさい
50dB以上 エアコンをハイパワー運転にしたような音。とてもうるさい

 

パーツの温度のチェック

各パーツの温度のチェック結果です。もし、あまりにも温度が高いと、パーツの寿命や動作の安定性に影響します。

温度は問題ないと思います。

各パーツの温度
測定環境:室内温度 約26℃、 測定ソフト:HWMonitor
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※FF14ベンチ実行時の温度は、温度が高めになる最後のシーン

 

表面温度のチェック

本体の表面温度のチェック結果です。もし、表面温度が高すぎると、作業中に手のひらが熱くなり、不快になります。

普通の温度だと思います。

PC本体の表面温度
サーモグラフィー:FLIR ONE PRO
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです

 

消費電力のチェック

消費電力のチェック結果です。数値は変動しますが、確認できた最も高い数値を掲載しています。

インテルCPUを搭載したENVY 13よりもやや高い消費電力でした。

消費電力
測定機器:ワットチェッカー TAP-TST7
※PCの状態は「静音性のチェック」のときと同じです
※確認できた中で、最も高い消費電力を掲載しています

 

外観のチェック

ENVY 13 x360の外観写真を掲載します。

ボディ素材はCNC削り出しのアルミニウム合金で、カラーはややブラウン寄りのブラック「ダークアッシュブラック」となっています。落ち着いた感じがありながらも、高級感のあるデザインで、大人にピッタリだと思います。

 

天板です。

 

2 in 1 PCなので、下図のような形状に変形させることも可能です。

 

HP ENVY 13 x360は、BANG & OLUFSENのスピーカーを、キーボードの上に2つと、底面の手前側に2つ配置しています。立体感のあるサウンドで、特に高音は透明感のある綺麗な音が出てボーカル音は聞きやすいと思います。勝手に点数をつけると、10点満点で6~7点といったところです(音質についての評価はあくまで主観です。ご了承下さい)。

 

インターフェースは、下図の通りです。HDMIポートが無く、フルサイズのSDカードが使えない点は残念です。なお、USB Type-Cポートを使って画面出力させることはできました。

 

底面ネジが2か所しか見えず、とても綺麗な見た目です。

 

ACアダプターは小型ですが、電源ケーブルがやや太いのが残念です。

 

まとめ

以上が、ENVY 13 x360のレビューです。

AMD Ryzen APUを搭載することで、Uシリーズの第8世代インテルプロセッサーよりも性能が高いのに、PC本体の価格が安くなっています。プロセッサーにこだわりがなければ、コストパフォーマンスが高くていいと思います。

ナローベゼルを採用し、本体は薄く、カラーもシックで、ボディデザインもいいです。

2 in 1 パソコンでペンにも対応しているので様々な状況で使うことができると思います。

ただし、AMD Ryzenを搭載したせいか、バッテリー駆動時間が思ったほど延びませんでした。また、Enterキーが端にないのと、フルサイズのSDカードが使えない点も気になる方がいると思います。

 

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