ASUS ZENBOOK UX31(UX31E-RY128)の実機レビュー
ZENBOOK UX31は、HD+(1600x900)の液晶を搭載した13.3型ウルトラブックです。
通常のノートPCの解像度はHD(1366x768)ですが、それと比べるとデスクトップの領域が広く、作業が快適です。
アルミニウムボディを採用し、底面もネジが少なく、見た目も美しいです。Core i7-2677M、高速SSDを搭載し、パフォーマンスも十分です。
後述しますが、動作音や発熱も、ZENBOOK UX21より抑えられています。
尚、国内の製品紹介ページではUX31となっていますが、プレスリリースや海外のページではUX31Eという型番になっています。
目次
1 ZENBOOK UX31 の基本スペック | 2 特徴1 - HD+(1600x900)の高解像度液晶を搭載 |
3 特徴2 - 極薄ボディ | 4 特徴3 - 1.5kg以下の軽量ボディ |
5 特徴4 - SSDを搭載し高速起動 | 6 液晶ディスプレイのチェック |
7 キーボードとタッチパッドのチェック | 8 総合ベンチマーク |
9 動画のエンコード時間のチェック | 10 カードリーダー/ライターのチェック |
11 バッテリ駆動時間のチェック | 12 静音性のチェック |
13 パーツの温度のチェック | 14 表面温度のチェック |
15 消費電力のチェック | 16 外観のチェック |
17 まとめ |
ZENBOOK UX31 の基本スペック
本機の基本スペックを紹介します。※2011年11月6日現在の情報です。
CPU Core i7-2677M(超低電圧版CPU)です。 |
グラフィックカード CPU内蔵(インテルHDグラフィックス)です。 |
液晶ディスプレイ 13.3型ワイド(1600x900)の光沢液晶ディスプレイです。 |
メモリ 4GBのメモリを搭載しています。 |
ハードディスク SSDを搭載しているためHDDは未搭載です。 |
SSD 128GBのSSDを搭載しています。11月下旬には256GBの製品も発売されます。 |
光学ドライブ 内蔵光学ドライブは非搭載です。 |
バッテリ駆動時間 |
特徴1 - HD+(1600x900)の高解像度液晶を搭載
ZENBOOK UX31は、現在(2011/11/6)発表されているウルトラブックの中で、HD+(1600x900)の液晶を搭載している唯一のPCです。
Yahooのページを開いたときのデスクトップ画面は、下図のようになります。より多くの内容を表示できますし、右側の空いたスペースで、テキスト入力など別の作業を行うことも可能です。
ただし、フォントは小さくなるので、文字は見にくくなります。目の悪い方や、ご年配の方は避けたほうが良いかも知れません。
HD+(1600x900)のデスクトップ画面
特徴2 - 極薄ボディ
ゴム足を含めた高さの実測は約21mm弱
本体も非常に薄いです。メーカーの仕様では、最薄部が3mmで、最厚部が17mmとなっています。
ゴム足を含めて実測してみると、最厚部は約21mm弱でした。非常に薄いです。
特徴3 - 1.5kg以下の軽量ボディ
重量も軽いほうです。メーカーのプレスリリースでは、約1.3kgと記載されています。
しかし、実測してみたところ、1.423kgでした。仕様とはかなり差があったので、計量器の故障かと思い、別の計量器で測定してみましたが変わりませんでした。1.423kgでも軽い部類ではありますが、期待していた軽さではなかったため、やや残念です。
ACアダプタは軽いと思います。
重量の実測結果
特徴4 - SSDを搭載し高速起動
LANアダプタを接続するとややPC起動が遅い
本機はSSDを搭載しており、PCの起動などが高速です。
PC起動とシャットダウン時間および、スリープ移行時間と復帰時間を計測した結果を下の表にまとめました。
なお、本機は有線LANを接続する場合、LANアダプタをUSBポートに接続します。このLANアダプタを接続するとややPC起動時間が遅くなったので、その結果も記載します。
テスト内容 | 時間 | ||
---|---|---|---|
通常停止/起動 | PC停止時間 | 約10秒 | |
PC起動時間 | LANアダプタ非接続時 | 約17秒 | |
LANアダプタ接続時 | 約22秒 | ||
スリープ移行/復帰 | スリープへの移行時間 | 約3秒 | |
スリープからの復帰時間 | 約2秒 |
LANアダプタを接続しなければ、約17秒という高速起動でした。スリープからの復帰も速いです。
なお、CPUやSSDはZENBOOK UX21と同じであるため、起動時間などもZENBOOK UX21と変わりませんでした。
本機に搭載されていたSSDは、ADATA XM11でした。こちらのCrystalDiskMarkのベンチマークを計測しましたが非常に高速です。シーケンシャルリードにおいては450MB/s近い速度が出ており、SSDの中でも高速な部類に入ります。
下の図の右側に一般的なノートPCのHDDのスコアも掲載します。HDDと比較するとその差は歴然です。
ZENBOOK UX31 のSSDと、一般的なノートPCのHDDのベンチマーク比較
液晶ディスプレイのチェック
液晶ディスプレイのチェックです。搭載パネルは判りませんでした。
青みの強い液晶ですが、普通の人なら問題なく使用できると思います。色再現性にこだわる人には物足りないでしょう。また、光沢液晶なので、周りの物が映り込みます。
正面からの画像
詳細を見ていきます。
視野角は良くないです(普通のノートPC並み)。
視野角(斜めから見たときの見やすさ)
カラーマネージメントツールによるガンマ補正曲線を確認すると、青色が大きく低めに調整されています。実際の画面は、寒色系の設定になっています。ただし、多くのノートPCやテレビ画面は青みが強いため、ほとんどの人は気にならないと思います。
※同じパネルでも調整具合はやや異なります。また異なるパネルが搭載される可能性もあります
ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2
※見方の詳細については、miyahan.com様、DOS/V Power Report様のページをご確認ください
色域のチェックです。やや狭い色域ですが、多くのモバイルPCは、こんなものです。
画素の拡大図です。シンプルな形状をしています。実際の画面にギラツキはありません。
画素の拡大図
※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影
キーボードとタッチパッドのチェック
キーボードのチェックです。
打ってみた感想としては、決して打ちやすいとは言いませんが、慣れれば気にならなくなる範囲だと思われます。
キーピッチは、実測で、横が19.2mm、縦が18mmと十分あります。キーストロークは、実測で約1mmと浅めです。
キートップはわずかに凹んでいますが、ほぼフラットに近いです。また、キーが滑るため、誤打するときがあります。
キーボード全体図
キーの拡大図
タッチパッドは大きく、そして感度が良いです。ただし、感度が良すぎて、誤って触れて誤動作するときがあります。
クリックボタンはタッチパッドと一体型ですが、思ったより軽くて押しやすいです。
タッチパッドは大きく感度が良い
タッチパッドは、Sentelic製を採用しています。2~3本の指を使いジェスチャー操作が可能です。タッチパッドが大きいためジェスチャー操作はしやすいです。ただし、個人的にはジェスチャーを使い慣れていないため、思った通りになかなか動いてくれないです。
マルチフィンガー対応のSentelic製タッチパッド
タッチパッドが大きいため、右手がタッチパッドによく触れます。文章を入力している最中は意外に誤動作しませんでしたが、手をパームレストに置くときや、離すときに、マウスポインタが飛ぶ場合があります。
タッチパッドが大きく、右手が触れやすいです。
総合ベンチマーク
各種ベンチマークの結果です。
本機に搭載された超低電圧版CPU「Core i7-2677M」は、通常電圧版CPU「Core i5-2410M」と同程度の性能かなという印象です。
Windows エクスペリエンス インデックス
PassMark Performance Test 7.0
3DMark06(1.2.0 1901)
1280x720で実行
PCMARK7 v1.0.4
動画のエンコード時間のチェック
ペガシス TMPGEnc Video Mastering Works 5
TMPGEnc Video Mastering Works 5 による動画のエンコード時間のチェックです。
x264でエンコードしたときは42分37秒、クイック・シンク・ビデオでエンコードしたときは14分48秒でした。
※クイック・シンク・ビデオとは、CPU内蔵のグラフィックスのエンコードエンジンで、動画変換を高速に行う機能
エンコード方法 | エンコード時間 |
---|---|
x264でエンコード | 42分37秒 |
クイック・シンク・ビデオでエンコード | 14分48秒 |
iPhone 4で視聴可能なMPEG-4 AVC(解像度:1280x720)へ変換
カードリーダー/ライターのチェック
SDカード挿入後の外観
カードリーダー/ライターのチェックです。
カードスロットは本体の左側面にあります。差し込んでも、カードの半分は露出したままです(右図)。カードの抜き差しはスムーズです。
対応しているカードは次の通りです(ソース)。
対応カード | SD(SDHC,SDXC含む)、 MMC |
カードリーダー/ライターのCrystalDiskMarkのベンチマーク結果です(下図)。結果を見ると、転送速度が遅いため、UHS-Iには対応していないと思われます。
使用カード:SanDisk Extreme Pro SDHC UHS-I
カードリーダーのベンチマークテスト結果
バッテリ駆動時間のチェック
ASUS Power Wizでバッテリ駆動時間の
目安が表示されます。
バッテリ駆動時間のチェックです。
ハードディスクへ保存したDVD画質相当の動画を再生させ、バッテリ駆動状態にしてから、休止状態に入るまでの時間を計測しました。
その結果、4時間22分で休止状態へ移行しました。
また本機は、「ASUS Power Wiz」というバッテリ管理ソフトがデスクトップ上に起動しています。このソフトは、使用用途別にバッテリ駆動時間の目安を表示してくれます。
Office操作だと4時間5分、動画再生だと4時間38分、ネットだと5時間47分、ゲームだと3時間45分、バッテリ駆動すると表示されていました。
ゲームはタイトルによると思いますが、その他は割と正確なのではないかと思います。