iiyama ProLite XUB2492HSU (XUB2492HSU-B1)のレビュー

更新日:2016年12月15日

コスパの高い狭額縁パネル液晶

iiyama ProLite XUB2492HSUは、狭額縁・フラットパネルを採用した23.8型のIPS/フルHD液晶ディスプレイです。

狭額縁で段差のないフラットパネルであるため、デュアルディスプレイやトリプルディスプレイにも最適です。

フリッカーフリー機能やブルーライト低減機能を搭載し、長時間の使用でも目に優しい液晶です。

昇降、ピボット(画面を縦長に回転)、スウィーベルも可能なスタンドも搭載しています。

本体価格は2万円強と比較的安く、また消費電力が非常に低いにも関わらず、メイン機として十分な機能を備え、コストパフォーマンスの高い製品です。

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※レビュー機はメーカーからの貸出機です

基本スペックのチェック

基本スペックのチェックです。

iiyamaのウルトラスリムシリーズの23.8型、パーフェクトスタンドありのモデルです。

解像度はフルHDの1920×1080となっており、液晶はIPSパネルのノングレアとオーソドックスなタイプです。

主な機能としてオーバードライブやフリッカーフリー、ブルーライト低減機能があります。入力端子はD-SUB×1、HDMI×1、DisplayPort×1となっており、DVI端子は備えていません。

基本スペック
製品名 iiyama ProLite XUB2492HSU
サイズ 23.8型ワイド
解像度 最大 1920×1080
表面処理 ノングレア
パネル方式 IPS
バックライト ホワイトLED
応答速度 5ms(OD最大時)
コントラスト比 1000:1(標準)、5000000:1(Advコントラスト機能時)
入力端子 D-SUB×1、 HDMI×1、 DisplayPort×1
スピーカー 2W×2
VESAマウント規格 100mm×100mm(VESA規格対応)
位置調節 チルト機能(上22° 下5°)
スウィーベル(左右90°)
昇降機能(130mm)
消費電力 標準 16W、 最大 36W
輝度 標準:250 cd/m²
重量 5.4kg(スピーカー、スタンド含む)、3.3kg (スタンド含まず)
主な機能 オーバードライブ機能
フリッカフリーLED
Blue Light Reducer機能
2ポートのUSB 2.0ハブ機能
付属ケーブル D-SUBミニ15ピンケーブル(1.5m)、DisplayPortケーブル1.8m)
HDMIケーブル(1.5m)、USBケーブル(1.5m)
オーディオケーブル(1.5m)、電源コード(1.8m)

ProLite XU2492HSUとの違い

iiyamaにはProLite XU2492HSUという兄弟機種もありますが、本製品との違いはスタンドです。

このページでレビューしているProLite XUB2492HSUには、iiyamaが"パーフェクトスタンド"と呼んでいるピボットや昇降などが可能なスタンドを搭載しています。スタンドの詳細な違いは下表の通りです。

ProLite XUB2492HSUのほうが自分好みにディスプレイの位置を調節できますが、ディスプレイアームを使用する方は価格の安いProLite XU2492HSUのほうが良いです。

スタンドの違い
製品名 ProLite XUB2492HSU ProLite XU2492HSU
ピボット(画面を縦長に回転) ×
チルト機能 上22° 下5° 上22° 下5°
スウィーベル 左右90°(左右方向各45°) ×
昇降機能 130mm ×

画質のチェック

ガンマ補正曲線のチェック

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色もほぼ直線的です。自然な発色であることが分かります。


ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

色域のチェック

色域の広さは、デスクトップ用の液晶としては標準的です。


ガモット図
※ i1 Display PROでICCプロファイルを作成後、MacのColorSyncユーティリティでグラフを作成

画素のチェック

画面をマイクロスコープで拡大した図です。ノングレア処理面の凹凸も少なく、ギラつきもほぼ感じません。


画素の拡大図 ※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影

視野角のチェック

本機はIPSパネルを採用しているので、視野角は良いです。下の写真のようにどの角度から見ても、色あいは変化しません。


正面から見た場合

上下から見た場合

横から見た場合

ブルーライト低減機能&フリッカーフリー機能で目が疲れにくい

本機にはブルーライトを抑える「Blue Light Reducer」機能が搭載されています。

ブルーライト低減機能は、3段階のモードが用意されており、強度に応じて、青色と明るさを抑え、若干赤みがかった暖色の画面になります。

液晶の放つブルーライトは、目の疲労や不調の原因と言われているので、長時間液晶を見つめて作業する方におすすめの機能です。さらに本機には液晶のちらつきを抑えるフリッカーフリー機能も備わっているので、「Blue Light Reducer」機能と併せて目が疲れにくい製品と言えるでしょう。


ブルーライトを抑える「Blue Light Reducer」機能

残像感と動画、ゲームの快適度をチェック

応答速度は普通


応答速度は実測ではおよそ5ms

「液晶応答速度&低解像度チェック」というソフトを使って残像感をチェックしました。本機には応答速度を改善する2段階のオーバードライブ機能を搭載しており、メーカー発表値で最大5msまで改善させることができます。

実際に筆者が計測したところ、オーバードライブ機能オフでの応答速度はおよそ7ms出ました。あくまで目視での計測であるため、結果に個人差が出る点はご了承ください。

オーバードライブオフの状態だと、やや残像は目立ちますが、オーバードライブを最大にすることにより、残像感はほとんど気になることはありません。色合いの良いIPSパネルで5msもあれば映画もゲームも十分でしょう。

映像表示もくっきりと鮮明に


実際にブルーレイディスクを再生して動画を視聴

実際にブルーレイディスクを再生して映画を視聴してました。とても綺麗な映像です。ただし、ややコントラストは低いので、暗いシーンにはメリハリがなく弱い印象です。その場合はシーンによって自動で輝度を変える「Adv.コントラスト」をオンにすれば少し改善します。残像はオーバードライブ機能により、ほとんど気になりません。

また本機の液晶はベゼル枠が狭く、段差のないフラットなデザインなので、より一層映像に集中しやすいというのも大きな特徴です。

ゲームの快適度をチェック

FPSをプレイ


PC版「バトルフィールド1」をプレイ

実際に本機でPC版の「バトルフィールド1」をプレイしてみました。IPSパネルだとやはり色合いが良く、シーンが非常に見やすいです。ただコントラストはやや低いので、暗いシーンだと敵の視認性はあまり良くありません。

残像感はオーバードライブ機能を最大にしていると、素早いカメラ移動やエイムでもほとんど気になりません。また段差のないフラットなデザインは、ゲームの集中力を高めてくれるので、おすすめです。

格闘ゲームをプレイ


PC版「ストリートファイターV」をプレイ

次に格闘ゲームであるPC版「ストリートファイターV」をプレイし、表示遅延をチェックしてみました。ひと通り操作してみた感じですが、特にもっさりとした動きは感じられず、遅延と言えるような遅延は感じられません。格闘ゲームでも何の問題もなく快適にプレイできると思います。

オーバードライブ機能は最大にしても、色合いなどおかしくならないので、格闘ゲームやFPS以外のジャンルのゲームにも利用できると思います。

OSDメニュー及び操作性のチェック


本機のOSD操作ボタン

本機のOSD操作ボタンは右の写真のように、フレームの下部に配置されています。ボタンはゴムではなくプラスチック製となっており、非常に押しやすく反応もいいです。ただ上に押し上げるように押すので、液晶が少しグラついてしまうのは難点です。

OSDメニューは下の写真の様に、非常に見やすいです。このOSDメニューからは、輝度、コントラスト、色温度、RGBの調整や、シャープネス調整、オーバードライブの切り替えができます。よく使う機能はピクチャー調整にまとめられているのもグッドです。

i-Style Color(プリセットモード)も用意されており、標準、ゲーム、映画、風景、テキストと、5種類から表示する映像に応じて、最適なモードを選択することができます。


本機のOSDメニュー


ピクチャー調整

画像調整

消費電力のチェック

消費電力はかなり低い


実際にワットチェッカーで輝度ごとに消費電力を計測してみました。本機の輝度は0~100まで一段階ずつ細かな調整が可能です。

測定結果は右の写真の通り、輝度最小時では約6.8W、輝度中間時で約10.8W、輝度最大時では約15.4Wという結果でした。また、120cd/m²での消費電力は約9.3Wとなっており、この時の輝度設定は32です(個体差がありますのでご注意下さい)。

消費電力はフルHD液晶の中では群を抜いて低いのではないでしょうか。この消費電力の低さなら、長時間の使用でも安心です。

エコモード機能

本機には省エネ機能であるエコモード機能が搭載されています。

エコモードは3段階のパターンが用意されており、通常(おそらく輝度最大時)よりも輝度を下げ、消費電力を削減します。エコモード1で通常より約16.1%、エコモード2で通常より約29%、エコモード3で通常より約45.2%、消費電力を削減可能です。


消費電力を抑えるECOモード

外観のチェック

外観のチェックです。

上、左右の「ベゼル+非表示領域」が6.3mmしかない狭額縁と、ベゼルと液晶の段差がないフラットパネルが特徴的なデザインです。

パーフェクトスタンドは硬すぎず調整しやすいですが、液晶との噛み具合が弱く、ボタンを押したり、ちょっとした机の揺れで液晶がグラついてしまうのは難点です。液晶裏側に2ポートのUSB2.0ハブを搭載していて、マウスやキーボードの接続にちょうど良く便利です。


全体の写真です。


正面の写真です。


ベゼル枠は段差がなく、ほぼフラットになっています。
ベゼル幅(非表示幅)は実測でも、縦6.3mm、横6.3mmでした。


背面の写真です。


背面ロゴ部分の写真です。スピーカーは背面に配置されています。


側面の写真です。
高さ調節は最大130mm、チルト調整幅は上22° 下5°


スイーベル角度は左右方向に各45°です。


パーフェクトスタンドは縦表示のピボットにも対応しています。


下部のフレーム部分です。薄くヘアライン調になっています。


OSDボタンです。


台座とスタンドです。


台スタンドには穴が空いており、ケーブルをまとめることができます。


台座の裏面です。


スタンド機構部分の写真です。


入力部分の写真です。DVI端子がないのでご注意ください。


同梱されているケーブル類です。
詳しいケーブル類は、冒頭部分の基本スペック表をご覧ください。

まとめ

以上がiiyama ProLite XUB2492HSUのレビューです。

狭額縁・フルフラットデザインが特徴的な液晶ディスプレイで、マルチディスプレイ環境にもおすすめです。

非光沢IPS液晶に、フリッカーフリー機能やブルーライト低減機能を搭載し目に優しい製品です。

ピボット、スウィーベル、昇降機能すべてを兼ね備えたスタンドも搭載しています。これらの機能がないスタンドを搭載したProLite XU2492HSUという製品もあります。

本体価格は比較的安く、消費電力も少なく低コストな製品で、十分な機能を備えており、メイン機としておすすめできる製品です。

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