iiyama ProLite G2773HS(PLG2773HS-GB1)の実機レビュー

更新日:2012年5月23日

120Hz駆動の27型大画面液晶ディスプレイ

iiyama ProLite G2773HSは、迫力のある映像を堪能できる27型ワイド大画面に、脅威の最大1msという応答速度を実現したゲーミング液晶ディスプレイです。

120Hz駆動と、オーバードライブ機能を搭載することで、1msの応答速度を実現し、残像の少ないとても滑らかな動画表示が可能です。FPSなどのゲームプレイ時に、「ヌルヌル感」や「残像の少なさ」を堪能できることでしょう。

120Hz駆動に対応していますが、NVIDIA 3D Visionには対応していません。その代わり、実売価格で3万円台を実現しています。

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基本スペックのチェック

基本スペックのチェックです。

本機は、27型という大画面サイズ、ネイティブな120Hz駆動、高速な応答速度が特徴です。

応答速度に関しては、3.4ms(GTG 1ms)と公表されておりますが、120Hz駆動+オーバードライブをオンにしたときの数値だと思われます。詳しくは後述します。

入力端子はHDMI、D-sub、DVI-Dが各1つずつと、ゲーミングディスプレイとしては少なく感じます。

基本スペック
製品名 iiyama ProLite G2773HS
サイズ 27型ワイド
解像度 1920x1080
表面処理 ノングレア
パネル方式 TN
バックライト LED
応答速度 3.4ms (GTG 1ms)
コントラスト比 1000:1
Adv.Contrast機能時 5,000,000:1
入力端子 HDMI x1
ミニD-sub15ピンx1
Dual-Link DVI-D x1
スピーカー 2.5W×2
位置調節 チルト(上方向20度)
消費電力 標準 35W
パワーマネジメント時 最大0.5W
輝度 300cd/m2
重量 約5.6kg(スタンド含む)
付属品 DVIケーブル(デュアルリンク)
HDMIケーブル
オーディオケーブル
電源コード
ケーブルホルダー

27型の大画面ディスプレイ

27型へのPCゲーマーの憧れ

まず本機の大きな特徴は、27型という大きな画面サイズです。筆者は今まで24型までしか使用したことがなかったので、本機の使用を非常に楽しみにしていました。

「あのFPSゲームが、あのアクションゲームが、大画面でプレイできる!」これがずっと頭で流れていました。大画面が良いなら液晶テレビを使えと言われればそうなのですが、液晶テレビだと、入力遅延が大きかったり、残像が強かったりとPCゲームに向かない製品がほとんどです。

PC用の液晶ディスプレイの場合は、27型というサイズ自体が少なく、ましてや27型のゲーミングディスプレイはさらに希少です。あったとしても、非常に高価な場合が多く、これまで買い渋ってきた方はたくさんいると思います。

27型という大画面の迫力と見やすさ


迫力と臨場感のある27型大画面

FPS、RTS、アクションゲーム、アドベンチャーゲーム、格闘ゲーム、シューティングゲームと様々なジャンルのゲームを一通り堪能したところで、一番迫力と臨場感があったのはやっぱりFPSでした。

画面が大きいので、敵の視認性も上がり、マウスによるエイム力も向上。

大げさかもしれませんが、まるで本当にその戦場にいるかのような感覚になりました。

ゲームの快適度をチェック

120Hz駆動で残像の少ない滑らかな映像

通常の液晶ディスプレイは60Hzで、60分の1秒ごとに表示していますが、120Hzの場合、およそ2倍の120分の1秒という単位で表示されるため、映像がとても滑らかになり、残像もかなり低減されます。

ここでは、実際に120Hz環境でゲームをプレイし残像感を体感してみました。

120Hzが活きるのはやはりFPSゲームということで、まずプレイしたのは「バトルフィールド3」です。「バトルフィールド3」では120Hzのいわゆる「ヌルヌル感」というのはあまり実感できませんでしたが、残像がかなり低減されているのは実感できます。視界が明るくなったような感じです。視点を動かしてもオブジェクトや敵を視認しやすく、また動いている物はすぐにわかります。

次は、動きが最も速いであろう「ソニックジェネレーションズ」をプレイしました。「ソニックジェネレーションズ」では60Hzとは格段に違い、120Hzの「ヌルヌル感」「残像の少なさ」の両方を実感できます。高速に移動しても、背景のゴーストが低減されており、全体的にヌルヌルとした滑らかさで、ステージを疾走する快感は病みつきになります。

120Hz環境の場合、それなりに負荷もかかるため、グラフィックボードの性能が悪いと、動きがカクついたりもします。やりたいゲームにおいて120 fps以上出るようなグラフィックボードを搭載する必要があります。また、120Hz環境は付属のDVI-D Dual-Linkケーブルでの接続でなければ正常に表示できませんのでご注意下さい。


120Hzの映像の滑らかさは感動そのもの

オーバードライブ機能でさらに残像を低減

本機には残像を抑えるオーバードライブ機能が搭載されています。オーバードライブの設定範囲は「-2、-1、0、+1、+2」となっています。5段階設定の+2が最高設定となっています。もちろん60Hz環境、120Hz環境のどちらでも設定が可能です。

実際に「バトルフィールド3」をプレイして、どれほど低減されているのか検証したところ、オーバードライブオフの時と最高設定+2の時ではかなり低減されているのがわかります。しかし、設定「-2~0」と、「0~+2」ではそれほど差は感じられません。

さらに120Hz環境でオーバードライブ+2だとほぼ残像はないのではないかと思ってしまうほど、かなり低減されているのが分かります。またオーバードライブ機能をオンにしても液晶の焼き付きや、ちらつきは全くないので、常時+2で良いと思います。

格ゲーマーにもオススメ


PC版「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイ

今度は格闘ゲームには向いているかを検証すべく、普段やりなれているPC版「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイしてみました。HDMI入力、DVI入力の両方の端子で、主に入力遅延を検証します。

私はかなりの頻度でこのゲームをプレイするので、入力遅延には敏感な方なのですが、本機はHDMI入力、DVI入力両方の端子で、気になる遅延は感じられませんでした。

普段の目押しコンボも繋がり、また大画面と残像の少なさにより、攻撃の表裏や、ヒット確認もしやすいです。

また、アーケードコントローラーを激しく操作しても、スタンドと支柱がしっかりしているからか、液晶ディスプレイが揺れません。机が揺れても、液晶自体はあまりグラグラしないため、嬉しいです。

残像感のチェック

最大1msという驚きの応答速度


120Hz環境では応答速度 約1ms(OD+2)

メーカー公表値での応答速度は「3.4ms (GTG 1ms)」と記載されています。これはオーバードライブオンの時なのかオフの時なのか、60Hz駆動か120Hz駆動か分からないので、実際に計測しました。

計測には「液晶応答速度&低解像度チェック」というソフトを使用し、オーバー ドライブ(以下OD)をオンのときとオフのとき、さらに60Hz環境と120Hz環境とでそれぞれで計測しました。なお、こちらのソフトは、目測で計測するため、結果に個人差が出る点はご了承下さい。

60Hz環境ではODオフで応答速度約5ms、OD+2で応答速度約3msとなり、120Hz環境ではODオフで4ms、OD+2で約1msという結果でした。3msはあっても1msというのは今まで見たことがなかったので、何度も計測しましたがやはり応答速度 1msでした。数あるゲーミングディスプレイの中でも随一でしょう。

動画のチェック

Adv.Contrast機能で最大5,000,000:1の高コントラスト


「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 」を再生

本機にはAdv.Contrast機能が搭載されています。この機能は表示される映像の明るさに応じて、輝度を自動で調整し、コントラストを最大500万:1まで向上させ、メリハリのある映像を実現させるというものです。

実際にAdv.Contrast機能をオンにして「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破 」を視聴してみました。

自動輝度調整は、明るいシーンに急激に輝度が上がるので、やや目が疲れます。気になって映像に集中できないというのが正直なところです。


 

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