iiyama ProLite GB2488HSU(GB2488HSU-B1)の実機レビュー

更新日:2014年3月28日

144Hz駆動対応 安価なゲーミング液晶

iiyama ProLite GB2488HSUは、144Hz駆動に対応した、24型ゲーミング液晶ディスプレイです。

ノングレアTNパネルを採用し、144Hz駆動とオーバードライブ機能による応答速度はなんとわずか1ms。また表示遅延を抑えるダイレクトドライブモードや、様々なゲームに対応したプリセット機能「i-Style Mode」など、ゲーミングディスプレイとしては文句なしの機能を搭載しています。

さらにパーフェクトスタンドにより、自由な位置調整や、縦型表示も可能です。入力系統も幅広く、価格も安価なので、ゲーミングディスプレイ入門機としてオススメの製品です。

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※レビュー機はメーカーからの貸出機です

基本スペックのチェック

基本スペックのチェックです。

本製品は、144Hz駆動に対応したゲーミングディスプレイです。大きくもなく小さくもない、ゲームがしやすい24型のサイズで、残像の少ないTNパネルを採用。応答速度は144Hz駆動、オーバードライブ機能最大時でなんと1msという脅威の速度を実現。またゲーマーには嬉しい画面のちらつきを抑え、目の疲れを低減させるフリッカーフリーLEDを採用しています。

位置調節はチルト、スウィーベル、昇降、ピボット機能に対応しており、縦型シューティングにも対応できます。入力端子系統も多いので、PCのみならず家庭用ゲーム機も複数、接続することができます。

基本スペック
製品名 iiyama ProLite GB2488HSU
サイズ 24型ワイド
解像度 1920×1080
表面処理 非光沢
パネル方式 TN
バックライト ホワイトLED
フリッカーフリーLED
応答速度 標準 5ms
最大 1ms(OD最大時)
コントラスト比 1,000:1(標準)
5,000,000:1(ACR機能時)
入力端子 DisplayPort×1
DVI-D×1
HDMI×2
USBポート×2
スピーカー 3W×2
VESAマウント規格 100×100 mm 対応
位置調節 チルト機能(上22°下5°)
昇降機能(130mm)
スウィーベル機能(左右45°)
ピボット機能
消費電力 標準 38W
パワーマネジメントモード時 最大0.5W
輝度 標準:350 cd/m²
重量 5.5kg(スピーカー、スタンド含む)
付属ケーブル DisplayPortケーブル
DVI-Dケーブル(デュアルリンク)
HDMIケーブル
オーディオケーブル
USBケーブル
電源コード

「iiyama ProLite GB2488HSU」の特徴 

特徴1 144Hz駆動とオーバードライブ機能でなめらかな映像表示が可能


PC版「バトルフィールド4」をプレイ

本機は最大144Hz駆動に対応しており、オーバードライブ機能との併用により、残像の少ないなめらかな映像表示が可能です。その応答速度はメーカー発表値でなんと1ms。

実際に144Hz駆動、オーバードライブ機能最大でバトルフィールド4やバトルフィールド3、コールオブデューティーなどのFPSゲームをプレイしてみたところ、まるで自分の肉眼で見ているかのように、ヌルヌルとなめらかに映像が動きます。60Hz駆動と比べると、残像がほとんどなく、ヌルヌル動くので、照準のAIM力、視認性、臨場感が格段に向上します。

オーバードライブ機能は最大にしても、映像のヤキツキや色の変化は特にないので、最大設定でも問題ありません。ちなみに、120Hz駆動時と144Hz駆動時で比較してみたところ、筆者の目ではあまり差が感じられませんでした。

特徴2 ダイレクトドライブモードによる低遅延


「スーパーストリートファイターIV AE」をプレイ

本機には表示遅延を最小限に抑える「ダイレクトドライブモード」が搭載されており、OSDメニューから適用することによって、ラグの少ない映像でゲームを快適にプレイすることができます。

特に縦型2Dシューティングや、格闘ゲームなどではこの表示遅延が致命傷になることが多く、こういったゲーマーに最適です。

実際に格闘ゲームである「スーパーストリートファイターIV AE」をPC版、PS3版、XBOX版と3機種でプレイしてみたところ、表示遅延は確かに少ないです。標準の時と比べ、ダイレクトドライブモードが有効だと、キャラの動きがとても軽快になり、目押しコンボもやりやすいです。

ただ、ダイレクトドライブモード有効時では、プリセットであるi-Style Modeの変更ができなくなります。登録してあるユーザーモードへの切り替えもできません。輝度やコントラスト、黒レベルは変更できます。ここらへんは残念ですね。

特徴3 i-Style Modeとフリッカーフリーバックライト


シミュレーションゲームモードで「Diablo3」をプレイ

本機にはゲーム用のプリセットモードとして、「スポーツ」、「シューティング」、「シミュレーション」の3種類が用意されています。これらのモードは輝度やコントラスト、色合い、黒レベルが細かく調整されています。

スポーツゲームモードはやわらかい暖色、シューティングゲームモードでは寒色で黒レベルが高め、シミュレーションゲームモードでは強めの暖色といった印象です。

またユーザーモードでは、自身で設定した画面モードを3つまで保存しておくことができ、プレイするゲームや環境に応じて、切り替えることができます。

さらに本機には、画面のちらつきを抑えるフリッカーフリーバックライトを搭載しており、長時間のゲームプレイによる目の疲れを抑えてくれます。

筆者はFPSやRTS、シミュレーションからRPG、格闘ゲームに至るまで、幅広いジャンルのゲームをプレイしますが、最近では長時間プレイによる目の疲労に悩まされているので、こういった機能はゲーマーとして素直に嬉しいですね。


「i-Style Mode」

画質のチェック

ガンマ補正曲線のチェック

ガンマ補正曲線を確認すると、どの色も全体的にやや下げ調整で、特に青色が下方に調整されています。このことから、やや明るめ・寒色系の画面であることが分かります。


ガンマ補正曲線
※ i1 BASIC PROで計測。目標値は輝度:120、白色点:CIEイルミナントD65、ガンマ値:2.2

色域のチェック

色域の広さは標準的です。


ガモット図(a*b*平面)
※ i1 BASIC PROでICCプロファイルを作成後、ICCViewでグラフを作成

画素のチェック

画面をマイクロスコープで拡大した図です。ギラつきはそれほど感じません。


画素の拡大図 ※マイクロスコープ(FS-SST240 )で撮影

視野角のチェック

本機はTNパネルを採用しているので、下記の写真のように視野角は悪いです。特に下から覗き込んだ場合、色合いが大きく変化します。


上下から見た場合

横から見た場合

残像感、動画のチェック

144Hz駆動で応答速度は1ms相当


応答速度はOD最大、144Hz駆動でおよそ1~2ms

「液晶応答速度&低解像度チェック」というソフトを使って、応答速度を計測しました。メーカー発表値では応答速度は標準で5ms、144Hz駆動で1msとありますが、これはオーバードライブ機能最大時の速度なので、オーバードライブ(OD)をオンおよびオフのときを計測します。また、60Hz駆動および144Hz駆動時の両方も計測します。

 60Hz駆動、OD機能オフ時:約6m
 60Hz駆動、OD最大時:約4ms
 144Hz駆動、OD機能オフ時:約3ms
 144Hz駆動、OD最大時:約1~2ms

あくまでも目視による計測なので個人差はあります。144Hz駆動、OD最大時の応答速度は、メーカー値とほぼ同等の結果でした。

ACR機能でTNパネルでも映像が綺麗


実際にブルーレイディスクを再生して動画を視聴

実際にブルーレイディスクを再生して、映像を視聴してみました。

シーンに応じてバックライトの明るさを調整し、コントラスト比を向上させるACR機能により、メリハリのある綺麗な映像を楽しむことができます。またオーバードライブ機能と併用させることができるので、残像も気になりません。

ただし、TNパネルは視野角が悪いため、複数人で画面を見た場合、斜めから見た人は色合いが変わって見えてしまうことでしょう。

OSDメニュー及び操作性のチェック


本機のOSD操作ボタン

本機のOSD操作は右の写真のように、タッチセンサー式となっています。タッチの反応は良いのですが、反応範囲が狭いのか、少しでもずれると操作を受け付けてくれません。また少し暗めの部屋でも、どこを触っていいのか全くわからなくなるため、操作性は悪いと思います。

OSDメニューは下の写真の様に、とても見やすいです。i-Style Modeや入力切替、音量は、ワンボタンで直接アクセスできるのはグッド。

ただオーバードライブ機能の切り替えはピクチャー調整から、ダイレクトドライブモードの切り替えはマニュアル画像調整からと細かく分けられているため、調整する際は少し面倒です。

と言っても、画面設定を保存できるユーザーモードが用意されているので、問題ないでしょう。そのほかにもこのOSDメニューからは、輝度、コントラスト、色温度、RGBの調整や、黒レベル、ACR機能のオン/オフなどができます。


本機のOSDメニュー

消費電力のチェック

消費電力は低い


実際にワットチェッカーで輝度ごとに消費電力を計測してみました。計測時は60Hz駆動、オーバードライブ機能とスピーカーはオフにしています。また本機の輝度は0~100まで一段階ずつ細かな調整が可能です。

測定結果は右の写真の通り、輝度最小時では約17.3W、輝度中間時で約27.2W、輝度最大時では約38.2Wという結果でした。また、120cd/m²での消費電力は20.5Wとなっており、この時の輝度設定は16でした(ただし個体差があります)。

ゲーミングモニターにしては全体的に消費電力は低めです。これなら長時間のゲームプレイも安心です。

外観のチェック

外観および使用感のチェックです。

他社のような前衛的なデザインではなく、変な凹凸や光沢などがない、シンプルなデザインが逆に特徴的です。使用感は、台座とスタンドがしっかりしているので、キーボード操作やアーケードコントローラーなど、机を強く叩いても揺れにくく、非常に安定感があります。昇降機能やピボット機能は硬すぎず柔らか過ぎずで、とても調整がしやすいです。難点と言えば、上記で述べたOSD操作がしづらいという点くらいでしょうか。


全体の写真です。


正面の写真です。


ピボット時の写真です。


背面の写真です。


側面の写真です。
高さ調節幅は最大130mm、チルト調整幅は上22°下5°


スウィーベル機能は左右45°


背面ロゴ部分の写真です。


USBポートの写真です。


ベゼル枠もすべて指紋の付きにくいマットな素材になっています。


スタンド、台座の写真です。


スタンドには穴が空いており、ケーブルをまとめることができます。


入力部分の写真です。


スタンド機構部分の写真です。


台座の写真です。


同梱されているケーブル類です。
詳しいケーブル類は、冒頭部分の基本スペック表をご覧ください。

まとめ

以上がiiyama ProLite GB2488HSUのレビューです。

本機は144Hz駆動に対応した、TNパネル採用の24型ゲーミングディスプレイです。主な特徴は、144Hz駆動によるなめらかな映像と、応答速度最大1msを実現するオーバードライブ機能、ダイレクトドライブモードによる低遅延、目の疲労を抑えるフリッカーフリーバックライト、自由な位置調整が可能なパーフェクトスタンド、そして入力系統の幅広さです。

ゲーミングディスプレイとして必要な要素は、ほぼすべて含まれていますが、ダイレクトドライブモード有効時はi-Style Modeの変更ができない点や、OSDボタンの操作性の悪さなども目につきます。ですが価格は3万円台で購入できるため、144Hz駆動に対応したピボットもできる安価なゲーミングディスプレイが欲しいという方にはオススメの製品です。

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